山の湯

【2002.12.30】  
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山の湯
文京区根津1−22−17
03-3828-8488
15:30-24:00
、木曜休、番台。
営団地下千代田線の根津駅1番(北側)で下車。不忍通りを北上して3つ目の信号(根津神社入り口)を左折して根津神社の方へ進んですぐの左側。駅から5分。


コメント:ついに記念すべき銭湯100軒目に入湯する日がやってきた。この記念すべき銭湯は偶然ながら馴染みのある文京区の銭湯となった。山の湯はこの区切りの100軒目にふさわしいレトロな銭湯だった。華やかな破風屋根などはないものの町屋風の質素な感じのする平入りの家屋だ。男女の入り口は別々でそれぞれの踊り場から玄関をくぐって中に入る(ただしかつては踊り場はつながっていた痕跡がある)。標準的な番台で料金を払って脱衣場に入る。高い格天井には3枚羽根の古い扇風機が釣り下がり、左側には大きなガラス戸越しに壺庭が見える。木製のベンチが置かれているほかに左手前の奥には畳敷きの座敷もある。中央には島ロッカーが1つあり、男女境の壁は背丈の低い壁鏡だ。さて、洗い場に入ると定番のペンキ絵が目を引く。どこの山並みかと思ったら長瀞と書いてあって、急峻な渓谷が描かれているらしい。島カランは背の低いレトロなものが1列で、この島カランと左の壁際のカランもシャワーなしだ。床やカランのタイルはむかしのままのレトロなもので張り替えられていない。カランの配置は6-5-5-6。カラン・シャワーとも湯温は結構熱く、湯量はふつうだ。立ちシャワーブースはない。浴槽はもともと浅湯・深湯の2つだったようだが、浅湯の左側が少し改装されていて薬湯となっている(本日は森林湯というブルーの薬湯で、湯温42℃の表示)。中央の浅湯部分は床から3つのゆるい水柱がたっていて、湯温は44℃の表示で具合がいい。さらに右端の深湯は5点ジェット(背中3点、足の裏2点)2基の座湯となっている。ジェット部分を取り付けるためにタイルが足されているのがよくわかる(つまり浴槽も全面改装されているわけではない)。
最後に浴槽に浸かりながら100湯目の感慨に浸っていると隣のおにいさんにいきなり声をかけられてびっくり。ふいなことで良く聞き取れず、聞き返すと「東京にもこんなとこがあるんですね。」と・・・。よく聞いて見ると大阪から来たお兄さんで、山の手線で半周して上野で降りてからバスに乗り、運転手さんに頼んで銭湯のあるところで下ろしてもらってここに来たという(山の湯は不忍通りから結構奥まったところにあるのけれど、運転手さんはこのへんの人?)。今日は泊まる所もまだ決めていないという気楽なぶらい旅らしい。東京の穴場などを聞かれたりして、結構風変わりなところばかりを勧めてしまった。
そんなわけで、何とも思いで深いレトロ銭湯での100湯体験であった(ちなみに自分の本籍地は文京区白山御殿町(現白山四丁目)なのでありました)。

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