江戸ッ子散歩日記」に敬意を表して、穴あきブロックを探しながらの散歩その1。
この日はまず広尾、次に場所を移して中野(中井界隈)、杉並(井荻界隈)を散策。

広尾ガーデンヒルズに近い堀田坂は、外苑西通りから広尾の高台に登る道だ。北側が港区で番地は西麻布4丁目、南が渋谷区で番地は広尾4丁目だ。坂を登りきったところに日赤医療センターがあり、日赤通りに沿って赤煉瓦の塀が続いている。右手に東京女学館をみてしばらく進んでいくと、左手に立派な門構えの聖心女子大の裏門が見えてくる。下の広尾駅付近から続く広大な敷地なのだと実感した。ブロック塀を探しに、このあたりから西の住宅街の中へ下って行くことにした。坂を下りたところで古めかしい番小屋のような建物に出くわした。看板をみて、羽沢ガーデンの入り口だとわかった。

No.31


No.51
このあたりの住宅街にはさすがに時代を感じさせる建物がいっぱいある。すこし歩いただけでブロック塀もすぐに目白押し状態。
ブロック散歩でみつけた記念すべき最初のブロック塀は、「穴あき菱形(穴:2つ)」に分類されるものだ。水色の背景、上に覗いている緑とグレーのブロックの色がとてもマッチしていて美しかった。新種と意気込んだが、あとで良くあるタイプとわかった(江戸ッ子No.31)。
次は「幾何学的模様」に分類されるもの。ブロック塀の一部に小さな窓が開いていて、植木が顔を出しているのがお洒落だった(No.イチロー)。
上の連続した円形に見えるものは、やはり「幾何学模様」だが、江戸ッ子では「つなぎもの」に分類されている(No.55)。真紅の花をたずさえてみごとな景観をかもし出している。ブロック塀がこんなにきれいなものと改めて実感させられるブロック塀だった。ちなみにこれは民家の庭の内側だ。門塀の手前から撮影させていただいたので、正面像ではない。ほんの2〜30分の散歩だったが、満足感にひたりつつ、西麻布のホブソンズでアイスを食べながら休憩。中野区の中井界隈へと移動した。


No.66

No.58
単純な円形の「幾何学模様」はあまり多くはないパターンなのだが、あっさりしていて好感が持てる。
右のものは中井駅そばの妙正寺川沿いのブロック塀を対岸から撮ったもの。いわゆる「正方形バージョン」に属するブロックの基本形とでもいうことになるのだろうか。ところでブロックの寸法というのは2対1で、正方形2つで1つのブロックになるのだ。
最近わかったのだが、ブロックの積み方のバリエーションとして、半分ずらして交互に積むやり方がある。この場合は、塀の端っこのところで半ブロックが必要となるのだ。ちなみに穴あきブロックの横は平面で、端にも使える。
上の「日の出」と呼ばれるタイプは、「三ツ山」と並んで最も多く見られるものの1つだ。しかし、良く見ると江戸ッ子に掲載されているものと少し違っていた。そこで早速投稿?を試みたところ亜種として認定していただいた!(感激)
「穴あき菱形(穴:1つ)」もポピュラーだ。庭から洩れ出た枝花がいろどりを添えている(No.16)。
左下は「ばってん」の2つもの。見方によっては菱形にも見えるところがおもしろい。
右下は最大グループの「三ツ山」。これは塀ではなくて、敷地内の境?それとも壁?ブロックの穴に道具類がさしてあって、物置に使っているところがユニークだ。

No.81

No.4
この三角、四角の組み合わせが、今回のブロック散歩の最大の発見だった。それは西武新宿線野方駅北、西武新宿よりに面する宅地のブロック塀だ。電車に乗っていて発見し、電車を下りてホームから撮影した。(実は穴あきブロックが気になりだしてからは、車内がすいていて椅子が開いていても、戸袋に立って外を観察しているのだ。とほほ、ちょっと疲れる。)しかし、その甲斐があってすばらしい新種を発見できたので大満足。当然のことながらこのデザインが今一番気に入っていて、わが子のようにかわいい(ひとんちのブロック塀なんだけれど・・・)。上に書かれた落書きもなんのそのだ。
No.16 & No.12

No.23
井荻駅を降りてからは菱形のオンパレードだ。上の上の写真が「穴あき菱形(穴:1つ)」とその下に「四角穴(穴:3つ)」で、上の写真が「菱形」。左は遠目には穴あき菱形に見えるが、実は上述の亜種と認定していただいた「日の出」と同じもの。左下こそ穴あき菱形に分類されると思いきや、これは「五目」というジャンルに入るのだ。下の写真は典型的な「穴あき菱形(穴:1つ)」だ。その下の2枚は結論から言うと「ばってん(2つ)」なのだが、直線でつながっていないので穴あき菱形のからみのようにも見えるのだが・・・。これがまたおもしろいところなんでしょう。

No.68

No.16


No.26

No.2
上の2つは「正方形バージョン」と思ったら、長方形だった(拡大写真右は写真の関係で横寸がちじんでしまった)。どのブロックも同じ寸法だったので規格品と思ったのだが、これは亜種として認めてもらえなかった。このパターンの場合、職人さんが好みの寸法にカットしていることが多いからとのこと。残念、残念。
左は典型的な「日の出」。ブロック塀には気楽に看板が取り付けられている事が多い。町内会の看板とか、左下のように避難場所の案内とか。頼まれたら断れないからだろうか。頼むのは誰なのだろうかなどと考えてしまう。大谷石の塀の場合は頼まれないのだろうか。

No.48

No.12
上のY字形はこれもよくある「幾何学模様」ものだ。右上のは「丸穴(穴:3つ)」で、これも比較的よく見られるものなのだ。ちなみに上の2つは同じブロック塀に離れて1個づつ使われていたものだ。使われ方が変わっている(人の家の塀なんだから、そこの家の人のかってでしょ、と言われればその通りなんだが・・・)。
右のも「穴あき菱形(穴:2つ)」のよくあるバージョン。下の2枚はまたまた亜種と認定された「日の出」タイプ。むしろこのバージョンばっかりなのは中野、杉並に集中しているのか、それとも・・・。これだけ多いと亜種として分けるのもばかばかしいような気もしてきた。

No.30

No.36
左も穴あき菱形のように見えて「五目」というやつだが、上述のものとは少し違う。もちろん江戸ッ子には亜種として掲載されている、良くあるタイプだ。下の2枚はまた近所の家の庭側の様子で、正面から撮影できず。これは枠を残してすっぽりと穴になっているのだが、「四角穴」の一番大きいものということになるのか(No.9)。特に右の写真のようにこれを連続的に配置することで、開放感のある素敵な塀に仕上がっている。構造上は弱そうで、塀のトップのところにしか使えないかもしれないが・・・。それにしてもブロックに緑は良く似合う。


No.46

No.4
これはもう本当に自宅の近所のEさんちの塀だ。ハの字は「幾何学模様」の典型。古いブロック塀はこの例のように吹きつけペンキで修復されている場合が多い。それがまた味わいを出していることもある。
左は超典型例の「三ツ山」。アパートを管理している不動産屋さんの看板というのも定番の看板かもしれない。
左下はまた塗りこめられた大穴ブロックだが、穴が小さく感じられる。最後のはその穴をコンクリートですべて塞がれていた。始めは穴あきを配置しておいて後で気が変わったのだろうか。ブロック1つにも人の感情が見え隠れする。

No.9



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