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亀の湯 kamenoyu
神奈川県厚木市
元町7−10
046-221-5564
15:00-22:00
金曜休→廃業(2009.3.31)
番台

 



訪問記 【2009.3.29】

仕事の後、小田急線で本厚木へ直行。用意しておいた地図をもとにサティー前の道を北上していく。始めて降り立った本厚木、なかなか大きな町だ。駅前のロータリーや銀座通りのようなメインストリート。すばらしい。宇都宮のようだ。概して地方都市の駅前は開発がすすんできれいな印象。東京都内の駅ではこうはいかない。やはり土地をふんだんに使えるせいか、とにかく通りにしてもビルにしても規模が大きい。このあいだ初めて訪れた横須賀にも似ているような・・・

中町を過ぎると急に道幅が狭くなる。そして元町。なんか段々、時間をさかのぼって昭和にタイムスリップしていく感じ(ナカムラ情報では徒歩15分?とあったが、20分はかかっている。ただし、帰りは12分ぐらいだったかも・・、そんなもんだよな)。渡し舟の碑もしっかり見学した。

で、亀の湯。交差点から少し奥に入った住宅外に埋もれるように建っている。玄関前もいわゆる銭湯の敷地内の私道で、狭い狭い。建物は昭和中期的一軒家銭湯だが、なんか歴史を感じさせる。左右に離れた男女の入り口も昔ながらのガラスの引き戸。中に入ると左に番台、その下に小さなサイズの下足箱。上に上がった右手前にも下足箱がある。鍵はSSLockだけれど、途中で代えたのだろうか。右の壁側にロッカーがあって、松竹錠。天井は折り返しなしの格天井、男女境は鏡壁、中央には木のベンチが置かれ、Keihokuhakariの貫目付きのアナログ体重計の脇には乱れ籠が積まれている。坪庭はなし。


洗い場へ。あれが噂の新世美術のペンキ絵か。富士山の描き方がまさに横須賀で見たのと同じだ。湖に浮かぶ帆船が大きく描かれている、なかなかいい絵だ。島カランは鏡も何にもない小さなものが一つ。カランの配置は4−3−3−5、カランは和栗の赤青玉コック。桶は木桶で、椅子はM字緑椅子(大・小)。男女壁上には章仙のタイル絵、左は鞆の浦?、右は遠くに富士山を見る富士川?カラン周りや浴槽のタイルは昔のままで、ところどころに四角い豆タイル、床の亀のコ型のタイルはいかにも亀の湯にふさわしい。帯状にマーブルグリーンタイルも貼られている。深・浅の古典的な浴槽の縁取りもマーブルグリーン。浅湯の中央にお湯が噴出す部分があるのだが、これもタイル貼り。


そんなわけで、亀の湯は昔の風情たっぷりの期待通りのレトロ銭湯だった。お客さんが引けたときに写真を撮らせてもらえた。「あんな絵でよかったらどうぞどうぞ」と女将さん。いえいえすばらしい絵ですよ。「一枚・・・」と言っておきながら20枚ぐらい撮りまくってしまった。どうもお疲れ様でした。

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