訪問記 【2008.11.2】
ちょっと勾配のある山小屋風の3角屋根の昭和レトロ的な一軒家銭湯。立地条件のためか道のラインに対してちょっ と斜めを向いている。左側に四角いコインランドリー室があって、ちょっと奥まった感じで銭湯の入り口がある。入 り口上に黒いタイルが張られているのがちょっとお洒落。暖簾はオリジナルのシックなもの。右手に電飾で飾られた現代風モダン看板あり、「流し400円」のこともきっちり書いてある。下の方には専用ウェブサイトも書いてある(後でお聞きしたら息子さんが作ってくれたものとか) 。
玄関を進むとすぐにロビースペースが広がっていて、開放的で明るくて綺麗。いろいろと飾られていて、経営者のこ心意気が感じられる。正面にフロントがあって両脇には斎藤湯と書かれた縦長の提灯が飾られている。ボックス型 の休憩スペース、右手には大きな熱帯魚の水槽、テーブルには古い型のカランが展示してあったり、自作?の何と栃木産のお米が販売されていたり、大きな油絵と江戸時代の三助さんの絵図が掲げられていたり、見所満載。正面には芸能人の色紙も一杯で、しっかり町田さんの新しいものも飾られていた(三助さんの橘さんの顔がそっくりだ)。い
ろいろ話を伺ってからいよいよ脱衣場へ。
改装にて男女の脱衣場の真ん中をロビースペースに裂いたとみて、脱衣場は縦長で内側壁際にロッカーが並ぶ。フロ ント裏に化粧台あり。で、外側は昔ながらの木の引き戸、その奥には縁側があって、鯉の泳ぐ立派な坪庭に面してい る。鯉の餌が置いてあったり、細かいところにこころ使いが行き届いている。2本の灯篭にもしっかり灯りが灯されている。小さな祠のようなものがあって、どうもローソクかお線香が置けるようになっているようだ(蚊取り線香置きかもしれない)。
浴室への入り口が珍しく、離れた左右に2つあって、引き戸ではなくて手前に引くタイプ。浴室の中の構造は比較的シンプルで、中央に島カランが1列あって(カランの配置は6-6-6-6だったかな)、立ちシャワーとかはなくて、浴槽もシンプルな浅湯と深湯。深湯は恵那温泉云々の湯となっていて42 ℃強と熱め。浅湯にも特に色物とかはなかったような。正面壁一面に幾何学模様のモザイクタイルが張ってあるのだが、壁一面というのがなんともゴージャスで見事なものだ。なお、室内のペンキ部分も定番の水色ではなくて黄緑色と、ちょっと型破りながら綺麗で明るく清潔で、使
いやすい洗い場だった。ちなみに桶はケロリン黄で、カランは6角茶色。座椅子はちょっと丈が高くて大きな高級そうなもの(三助さんが使いやすい?)。
というわけで、日暮里駅近傍の斎藤湯は、ロビーが和風できめ細やかに飾られていて、洗い場も明るく綺麗で入っていて気持ちのいい銭だ。鯉のいる池を前にした昔ながらの縁側が残されているのも嬉しく、一口で2度おいしい中身の濃い銭湯だった。東京で唯一三助さんが現役で活躍されている銭湯(三助さ
んは背中を洗ってくれて、頭、首、両腕、背中のマッサージ・指圧をしてくれる。400円で所要時間20
分ぐらい)。煙突が隣のビルの側面まで伸びてビルに張り付いて伸びているのが珍しい。
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