訪問記 【2008.12.14】
今日は三河島と西日暮里駅の間にある荒川区の玉の湯へ。石畳の花道の奥に控えめに?佇む大きな千鳥破風のレトロ銭湯。良く見たら上の大きな千鳥破風はトタン張りに葺き替えられているようだが、下段の破風屋根は瓦葺。玄関上に金文字で「玉乃湯」と書かれた木製?の看板が掲げられている。暖簾には「玉の湯」と書かれたオリジナルもの。さらに玄関左手に垂れ幕が掲げられていて、「天然水と天然ゲルマニウム、創業1927年、玉乃湯、戦後東京都復興第1号許可」と書かれている。左手に別棟のコインランドリー棟が増設されているものの、築地塀も健在で男湯側の大きな木の緑が屋根に覆いかぶさるように繁っていて、なんとも和風のいい雰囲気を醸し出している。
玄関を入ると左右に下足箱(Canary錠)があり、正面にはTokyo錠の傘入れ。男女引き戸の上のガラスには男湯、女湯の文字が貼られており、大正浪漫のような木枠の飾り枠がすばらしい。中に入ると右手に番台、女将さんが番台を離れているので料金を置いて入室。天井は格子ではなくて布張りだが、正面柱には柱時計、左手手前に膨らんだスペースがあってて椅子とテーブルが並べられていて木の引き戸を境に庭に面している。庭には外トイレに通じる廊下が縦に伸びていて四角いスペースに岩が配されている(池はない)。トイレの木製の開き戸がレトロ感満点。島ロッカー1列で、湯道具や団扇、大きな白い招き猫などが陳列されている。壁には山下清の墨絵(定番の花火)が飾られているほか、カレンダーも山下清で旦那さんの好みか。男女境は鏡壁で、縦型冷蔵庫、Tanakaの小さめのアナログ体重計などが置かれている。
浴室へ。正面は早川さんの富士山のペンキ絵、平成19年4月14日(だったかな)、西伊豆と書かれていて、海の向こうに富士山、手前の岩に波しぶきが跳ね上がる18番の図。タイルなどは比較的新しいマーブル調のタイルに貼り代えられており、浴槽の淵も石張りでゴージャスな造り。島カランは1列で、カランはWaguriのブルーの5角、桶は睦和の白に赤いライン、底には温泉マークのよく見かけるもの。椅子は普及版。湯温・湯量良好。カランの配置は6−6−6−6。左手に立ちシャワーブース1基。浴槽は左が浅湯で、バイブラ、2点背ジェット3基、右が深湯で、7点ジェット樽風呂と水枕付き7点ジェット座湯1基。お湯はちょっと熱めながら、薪炊きと思われる肌にしみないいいお湯だ。「天然ゲルマニウム」と書いてあって、お湯は白湯ではなく、茶褐色。これって温泉ということか???。
そんなわけで、三河島の玉乃湯は創業80年以上(戦後復興第1号)にふさわしく、建物の正面の風情がすばらしく、庭もあって富士山のペンキ絵もあって、お湯は天然温泉???のすばらしいレトロ銭湯だ。
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