雲翠泉

【2003.3.18】  
内部の写真を見る

雲翠泉湯
荒川区東日暮里3−16−4
03-3801-4126
15:00-24:00、水曜休、番台。
JR常磐線の三河島駅を下車。駅前通の尾竹橋通りを渡ってから南下。最初の信号(東日暮里3)の1つ手前の筋を左折して、しばらくの左側。


コメント:外観はえらく軒下の高い平入り屋根(瓦)の古い建物だ(漆喰?も剥げ剥げになっている)。正面は昭和中期?ごろに改装されたと思われる四角い造りの入り口だ。だが、玄関を一歩入ればそこは昔ながらの古い素材がむき出しのレトロ銭湯だ。古板の踊り場に上がって下足入れに履き物をしまう。引き戸を開けて脱衣場に入ってまずびっくり。何とレトロ感あふれるいい雰囲気なのだろうか。番台も昔のまま、脱衣場が横長に張り出していてその手前と向こう側(洗い場の隣)にも庭がある。庭との境は昔ながらの木の引き戸で仕切られている。窓際に木製のベンチがさりげなく置かれており、奥には乱れ籠が積まれている。天井は定番の高い格天井で、珍しく4枚羽根の扇風機が吊り下げられている。さらに洗い場に入ってまたびっくり。浴槽が中央にあって楕円形。奥が深湯(床バイブラ)で手前が浅湯(温度計はないものの温度差があって深湯は46℃はある)。ぐるりとカランが並んでいるが、右奥の離れたところには後から設置されたような小さな浴槽がある(みれば薬湯で43℃と熱めの風呂だった)。カランは奥の四つだけがシャワー付き(それもやたら旧式の物)で、カランの湯温・湯量は良好、シャワーのお湯の質もいいのだが勢いがない。正面にはでんと富士山のペンキ絵(早川、富士川、平成14年10月2日と書いてある)がある。さらにうれしいことは側面のカランの上にずらっと九谷焼のタイル絵が4つ並んでいるのだ。一番右のものは残念ながら剥げ剥げで絵の内容がわからない。二つ目は渓流に橋?。3番目は明らかに金閣寺とその庭園だ。最後の物はやはりどこかの渓流が描かれている(銘は峯雲と書いてある?)。そのほか壁面のあちこちにマジョリカタイルが使われているという懲り方だ。ここはもうこのままそっくり保存しておきたくなるようなレトロアートの世界だ。木で沸かしたと思われるお湯の質も最高で、ここの湯舟に使っているとまさに極楽気分の極みであった。レトロファン一押しと言えるすばらしい銭湯だ。

ホームへ戻る東京銭湯リストへ戻る