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富士見湯 荒川区荒川2−29−8 03-3803-4765 15:00-24:00、木曜休、番台。 都営荒川線の荒川二丁目駅を下車。上りと下りの駅の間を抜ける路地を進み、通りを突き抜けて直進すれば、すぐの左側にある。花道あり。駅から1-2分。町屋駅からでも7分らしい。この場合は京成町屋駅前を南下して、小学校のほうへ左折して進んだ右側。 コメント:初めて昼間に訪れたとき、あまりにも外観が傷んでいるのを見て驚いたものだ。外観だけならば今まで見た東京の銭湯500以上の中で一番・・・と思われ、ずっと気になっていたのだが、やっと今日訪れることができた。ところが、角を左折して正面を見るや、あまりの先入観との違いに愕然となった。なんて美しい外観なのだろう。電球の光にぼんやりと浮かび上がった白壁は幻想的ですらある。まさに究極のレトロ銭湯であった。しかもこの感覚は脱衣場に入ってなおさら深められることになった。擦りガラスがはめ込まれた引き戸を開けて中に入ると、薄暗い電球の明かりの中に究極のレトロの世界が広がっていた。天井からぶら下がる4つのランプと2つの3枚羽根扇風機と男女境にまたがるように取り付けられた裸電球のシャンデリアというか(これはまさに驚きの一品、何と言うことはないのだが逆U字の鉄輪の先に裸電球はめられたもの)があり、これらに照らされてモルタルもしくはコンクリート製の白天井が浮かび上がって見える。このコントラストというか、何ともいえないノスタルジックな雰囲気が、大袈裟だが涙が出るほど昭和レトロ的なのだ。中央に島ロッカー、奥にはビニール張りの長いすが置かれていて、古いKeihokuの秤とマッサージ機、それに何と男湯なのに髪を乾かすお釜までが置かれていて、まるで昭和レトロを再現した博物館の中にいるようだ。 洗い場に入ると中央に島カラン、カランの配置は7-5-5-7とシンプルで、島カランには鏡も何もない。Waguriの赤/青カランで、壁際のシャワーの取っ手もWaguriの赤玉。カランの湯温はやや弱いが、シャワーの方は湯温・量ともども良好。古典的な浅深の2浴槽で、古いタイプの背中ジェット3条と床からのぼこぼこバブル。湯温は43-44℃はあって、良く温まるいいお湯だ。正面にペンキ絵、平成14年4月15日、和歌山、早川と覚書があって、女湯側に富士山が描かれている。山頂に雪をかぶっていて山肌は紫色に近い海老茶色に描かれており、さながら「雪化粧の赤富士」といった趣だ(正面から見られないのが残念だ)。お客さんはほとんどなく、なぜか高校生の二人連れと女湯側からはおばちゃんと男の子の声が聞こえてきた。おやじが全くいないのも珍しかった。 最後になったが初めに番台に座っていた親爺さんは手が墨で真っ黒、釜番を兼ねているようだ。後で交代したおば(あ)さんは髪をひっつめにしていて清楚な感じ。濡れた手ぬぐいに困っていたら遠く(番台)の方から、「おにいさん、ビニール袋あげましょか」と声をかけてくれ・・・。何だかほのぼのとするおじさん、おばさんで、心身ともにすっかり癒されたのであった。そんなわけで、意外や意外といったら失礼ながら、富士見湯は一押しの昭和レトロ館的銭湯だった。 |
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