訪問記 【2008.10.21】
西新井大師近傍の小さな商店街沿いにあるたぐち湯は大きな千鳥破風の乗った大きな屋台骨の昔ながらの一軒家銭湯だ。ただし、玄関周りは綺麗に、そして豪華に改装されているので近くに寄るとまるでビル銭湯か、ニュー銭湯の入り口のようだ。玄関外の左右に建てられた「ゆ」と書かれた電燈が実に可愛らしい。玄関内右脇に坪庭が造られていて、旅館の玄関のよう。正面のシリンダ錠の下駄箱に靴を預けて、左手の自動ドアーから中に入る。自動券売機まで完備されていて、システムのリニューアルも完璧という感じ。
ロビースペースも広々としていて、テーブルがいくつも置かれている(めずらしく、灰皿も置かれていてロビースペースだけは禁煙にしていない)。フロントで料金を払い、お遍路帳に判子をもらってから、左手の男性用の縦型暖簾を潜って脱衣場へ入る。ロッカーも真新しいモダンなもので、脱衣場も明るく綺麗に造りなおされている。島ロッカーがない分広々としていて、男女境に化粧台が置かれている。とはいえ、天井は昔ながらの立派な格天井だし、小さいながらも鯉が泳ぐ池もある(夜はよく見えないが・・・)。。縁側から外のトイレに行けるが、水がでないらしく使用禁止中。ただし、玄関脇に綺麗なトイレが増設されててこちらが利用可能。体重計はKeihokuの金針のアナログ体重計。ロッカーの鍵は新しいSSロック錠。
浴室へ。タイルなどは結構綺麗で、(少し前になるのかもしれないが)1回はタイルを張り替えているらしい。それでも壁の大きな白タイルと床の渋いお茶色の四角タイルがけっこういい感じだ。島カランは1列でカランの配置は5-5-5-5、湯温・湯量はちょうどいい。カランは8角茶、桶はケロリン黄色桶、椅子は普及型だが横長白でちょっと珍しい。左手に立ちシャワーブース1基、右手に簡易サウナ室があるが、「終了しました」と書かれている。
浴槽はけっこうシンプルな浅湯(2点背ジェット2条、エステ風呂という8点ジェットの樽風呂あり)、そして右側が年配の人に大人気の薬湯のぬる湯の深湯(今日はじっこうか?)だ。そして、正面壁、きれいで立派なペンキ絵。早川師のおとくいの西伊豆からの富士山で、富士山は男女に跨るように書かれている。男湯側は例の岩に波がぶち当たってはじけているの図。平成20年3月13日の覚え書きがあり、比較的新しい。きれいでもったいない感じ。
というわけで、西新井大師そばの老舗銭湯たぐち湯は、大型の典型的な東京レトロ銭湯で、豪華できれいな和風改装が施されていて、機能的にもビジュアル的にも大満足の銭湯の中の銭湯という感じ。止めてしまうのはほんとうにもったいない。ここが終ってしまうようでは他の銭湯はどうしたらいいのかという印象だ。
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