登 山 靴
 
 なぜ,山登りで登山靴が必要なのか?
 
 私たちが普通歩いている舗装路や砂利道,未舗装道路程度なら,スニーカーで十分その機能
 
 を発揮してくれます。
 
 しかし,山道は,でこぼこあり,段差あり,石ころあり,岩あり,木の根っこむき出し,枯葉道,
 
 粘土質のなどなど,さまざまな道が存在するところです。
 
 そんな道に適した靴とは,

 
@ 底が固く,滑りにくい。
   (でこぼこ道でも裏のいろいろな部分で支点になることができる。)
 
 A 長時間歩いても疲れない。(着地の衝撃をクッションが吸収する。)

 B 足首をガードし,捻挫しにくい。(ハイカットタイプの靴)
 
 C 冬には保温性が高く,なおかつ,夏には蒸れにくい。
 
 D 防水性があり,なおかつ,汗は水蒸気として発散させる。

 
 などがあげられます。特に「保温性と蒸れにくさ」,「防水性と発散性」は相反する性格であり,
 
 それを実現するには,それなりの素材と技術が必要になります。
 
 
 登る山や季節によっても選ぶ種類が決まってきます。
 
重登山靴
(皮製)
冬山や残雪期向き。比較的高価だが,作りは
しっかりしている。耐久性,保温性に富む。相手が皮だけに手入れが大切。昔ながらの登山靴。
軽登山靴
(皮製)
長期縦走や低山の冬山に対応。耐水はよく,耐久性にも優れる。ヌバック性など,手入れが比較的簡単なものが増えてきている。
 (私はこれを使ってます。)
軽登山靴
(布+皮)
軽量で履き心地もよく,値段も安いものもある。が,耐水性に難がある。ゴアテックスなどの素材が用いられて改善はさせているが。
トレッキング
シューズ
軽量で安価で履くことに違和感なく始められる。足首のホールドなど,低山やハイキング向き。
 
 初めて買うときは,高いものには抵抗があります。靴に何万円も使うなんて・・・・
 
 しかし,山登りにとって命を守るための一番大切な道具です。
 
 自分が行きたい山,これから登りたい山,ここまでは確実にレベルアップするだろうという山
 
 に応じて選択することが大切です。
 
 
 しかし,カタログを見て決めても,その靴があなたに合うかどうかわかりません。
 
 
実際に登山用品店に行って,履き心地を確かめて,熟慮の末買うべきです。
 
 
登山用品店の専門家に,自分がどんな山に登りたいか,どのくらいの間隔で登山できそうか,
 
 など,詳しく話しながら,いくつかの靴を選択してもらい,その中から選びましょう。特に,下りの
 
 感じがしっくりくるかどうかが大切です。靴ひもをきつくしめてもらい,店に下り坂があれば何回
 
 も試してみましょう。また,店内を歩きまわってみましょう。いくつかの靴を履くと,「あっ,これが
 
 いい」と思うものがあります。それが,あなたに合った靴です。

 
 
 
 私(長崎県在住)の場合は,福岡の店で登山靴を買いました。その店の靴売り場に,マッター
 
 ホルンにも登った靴のプロがいたからです。いろいろ話しながら靴を選ぶことは楽しく,新しい
 
 発見でもありました。そのみごとに足にフィットする靴があったからこそ,山登りの楽しさを味わ
 
 うことができたと思います。
 
 
 そのときの会話
 
 
「登山靴を買いたいんですけど,初心者なのでよくわからないんですが・・・」
 
 
「今までどんな山に登りましたか?」
 
 
「まだ,近くの低い山しか行ったことないんです。」
 
 
「どのくらいの割合で登りたいですか?」
 
 
「そうですねえ。月に2〜3回かなあ。できたら毎週(笑)」
 
 
「そんなにですか(笑) どんな山に行ってみたいですか?」
 
 
「長崎の大村市なので,多良岳,経ヶ岳,雲仙,慣れたら久住にもいって

 みたいです。」

 
 
「経ヶ岳はきついですねえ。久住とかは結構上まで車で行くので,山の

 きつさは標高じゃないですものねえ。いいですねえ。多良山系。じゃあ,まず,
 
 足のサイズを測っていいですか?」

 
         足のサイズを特殊な器具で計る。
 
 
「おおっ,いい足の形をしてますねえ。」
 
 
「・・・(まんざらでもない。ほくそえむ。)」
 
 
「予算はどれくらいで・・・・」
 
 というような感じで,3足くらい選んでもらい。坂道を歩いたり,ひもを結ぶ
 
 練習をしたりしながら,足にぴったりくりものを選びました。
 
 ・・・・・とあらためて読むとうまくのせられて買ったように見えるなあ(笑)
 
 でも,ぴったり合う靴なので満足です。(笑)
 
 

 
 
高い買い物,何でも聞いて,納得するものを選びましょう。
 
 
 
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