子連れの山登り
 
 

 
 
 家族での山登り,やってみていろいろとわかってきたことがある。
 我が家で,子連れ山登りをするときのコツをいくつか紹介してみよう。
 
 子どもにとっての山登り 
 
 子どもの山登りにおいては,子どもゆえにいくつか知っておいた方がよいことがある。
     
 
@ 筋力はもちろん大人に劣ること。(これは体重当たりの筋力を考えた場合も言える)
A 発育期には,骨の発達が急速で,筋の発達を上回ることがある。このため筋が引っ張られて緊張した状態となり,この時に無理な運動をさせると,過度成長症候群といわれる障害を起こすことがある。
B 大人と同じペースで歩くと,心拍数は大人より高くなる。
C 筋力の発達は,年齢とともに発達していくが,持久力(最大酸素摂取量)は,大人と大きな遜色はない。
D 子どもは大人に比べて,環境適応能力が低い。汗線が少ないため,体温が上がりやすい。また,低温にも弱い。高山病にもかかりやすい。
 

 まとめてみると,

 
最大酸素摂取量が大人と大きく遜色がないので,空身での登りは大きな負担とはならない。が,筋力は劣るため,大きな荷物を持たせることや,下りは苦手である。大人のペースで楽でも子どもにとっては心拍数が高い状態が続くので,ペースを子どもに合わせてやる必要がある。成長痛のこともあり,状態を見ながら,無理な登山は控えるべきである。体温が上がりやすいので,水分補給を十分させたり,休憩をとる必要がある。寒さに対しても順応力がないので,保温等に努めてやる必要がある。
 
 また,経験上感じることは,
 
@ 腹が減った状態だと,極端に力が出ない。
A 無駄に動きまわるので,ペースが作りにくく,ばてやすい。
B 子ども用の登山靴は揃えられないので,代用した靴をはかせることになる。よって,すべりやすい。
C 自分の体の状態をうまく表現できない。
D 3歳の娘は登りが得意だが,下りは苦手である。これは筋力がないことに起因している。
7歳の息子は下りが得意だが,登りが苦手である。これは息子の最大酸素摂取能力が低いことを示している。(アトピー性皮膚炎があり,ぜんそく気味のときもある。) 筋力は,ある程度ついてきている。
 
 などである。
  
 
  わが家では  
 
 そこで,我が家で特に気をつけていることは,
 
@ 出発前数十分前に,パンやおにぎり半分などを食べさせ,水分補給をさせる。
A 30分おきくらいに休憩をとる。その際,水分補給とチョコレートなどの栄養補給をさせる。
(我が家の場合,このチョコが楽しみで登っているふしもある。)
B 子どもに合わせたゆっくりしたペースで登る。
C 子どもにはリュックを持たせるが,中身はカップヌードルとチョコレートとシートにしている。軽いが,自分の大事なものは自分で持っていかせたい。
D 幼児は突然具合が悪くなったり,眠くなることがある。その場合は,父がおぶったり,抱っこして進む。
E 下りでは3歳の娘が要求すれば,抱っこしてあげている。筋力的にまだきついものがある。
F 冬場は,どんな天候になっても対処できるよう「折りたたみかさ」「レインコート」「フリース・上着などの防寒」「着替え(下着,靴下等)」をザックに入れて持っていくようにしている。
G 子どもにあった山を選ぶ。うちの場合H15.12月現在で,登る標高差は「100〜300m程度」,頂上までは大人の時間で「1時間半より短い」ことが必須条件である。また,頂上はちょっと遊べるような広さがある山がよい。
H 転ぶと危険な場所は,手をひいて登る。子どもに登山道のいいところを歩かせれば,手をつなぐ親は必然的に滑りやすい場所や,歩きにくい場所を歩まざるを得ない。親はしっかりと登山靴を身につけたい。


 せっかく家族で登るのだから,楽しく山に登りたい。子ども達に無理な山を選んでしまうと,結局,ガミガミ怒りながらの山登りになってしまう。これは子どもが悪いのではなく,まったく親が悪い。自分の子どもの技量と体力を把握しながら,山選びしたいものである。

 今,思案しているのは,子どもの靴である。登山靴は1年経てば,サイズが変わってしまう子どもには購入できない。(貧乏な我が家では) いろいろな靴屋をあたって,靴を探している。いわゆる溝が横に掘ってあるスニーカー類はどうしても下りで滑りやすい。溝を掘ってあるというより,突起がいくつかあるというタイプの方が山には向いているようだ。また,防水の面でもいいものはないかと考えているところである。


 子どもに何かあったときは,抱っこなりおぶって降りられる体力を親がつけることが大切である。下りでおぶってふらふらするようでは,大けがをさせてしまう。山で子どもを鍛えるためには,親こそ鍛錬して鍛えて,家族を守る体力をつけれるよう精進したいものだ。(という大義名分のもと,単独登山に励むことができる。)



 
 
 
 
参考文献 「登山の運動生理学百科」山本正嘉著 東京新聞出版


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