今日は多良山系をたっぷり歩きたい。 毎回、多良岳に着き、座禅岩まで行こうと思うが、多くの先客があり、断念していた。 今日は平日なので、座禅岩に行けることを楽しみに登山口に向かう。 出発が予定より遅れ、経ヶ岳〜座禅岩は時間的に難しそうだ。 夕方の飛行機で対馬に戻らなければならない。 急遽、舞岳を経由しての多良岳方面へとルートを変更する。 舞岳のいきなりの急登はなかなか痺れる。 が、もう登りがきついと思った頃、一端平坦になったりする。 楽しい冬枯れの道だ。 展望のよい岩場に着いて、小休止。 遠望はきかないが、ここに座る時間はいつも過去、今の人生を反芻する機会となる。 舞岳直前に来て、ふと、昨年度4月に無くしたお気に入りのストックのことを思い出した。 妻と中山越から舞岳を下り、シャクナゲを観賞したときのことだ。 舞岳の標識を経由して、足の置き所に気を遣う急な下りがある。 そこで、妻のストックを預かり、ストック二本を持って下っていたとき、 私のストックの紐がほどけて、ストックが斜面を落ちていった。 その後、斜面を探したが見つからなかった。 妻を同行していたこともあり、ストックをあきらめたのが昨年4月。 舞岳にルート変更したときから、ストックツー再捜査を決めていた。 きっと枯れ葉に埋もれ、錆びて使い物にはならないだろうが、 山の苦楽を共にした道具を放置しておくのは忍びない。 舞岳山頂の手前の斜面に付き、滑らないように注意しながら、 斜面を渡りストックを探す。 「あっ、あった。」 落ち葉の中にあるはずという思い込みは、木の根っこにひっかかっていた。 拾い上げ、伸び縮みさせてみると、錆びておらず、使用可能で驚いた。 奇跡の発見に、胸を弾ませながら多良岳を目指す。 絶好の天気の今日は、山を歩くだけで幸せな気持ちになる。 多良岳に着いて、座禅岩を眺めると先客がある。 多良岳で弁当と食べて、座禅岩に向かった。 座禅岩からの眺めはいつきても格別だ。 人生にこの時間があるだけで豊かになる気がする。 さあ、下山下山。 晩秋から冬を迎えた多良の道を感じながら歩いて行った。 |
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