いつもは、白嶽ピストンの山歩きなのだが、 先週、上見坂方面を歩いてみて、結構歩けそうな感触と、 長く歩く山歩きの楽しい気持ちを思い出した。 というわけで、今日は白嶽を経て、有明山まで歩くことにした。 が、このルートを歩くには、ひと工夫が必要である。 厳原に車をデポし、白嶽登山口まで送ってもらう必要がある。 ということは、妻が対馬に来ているときでないと無理である。 ちょうど妻が来たので、前日、厳原に車を停め、 朝、妻の車で登山口まで送ってもらう。 しかし、今日の不安は、前日が雨だったこと。 登山口前に川を車で横切るところがある。 昔は舗装路の下を川の水が通っていたのだが、 石がつまってきたのか、道の上を常時川の水が流れるようになった。 この場所が、川の水かさが増すと、車で通れなくなる。 どきどきしながら、その場所に着くと、 おおっ、水はさほどではない。 よかった。 この先は道が荒れており、妻に車で戻らせるのは申し訳ないので、ここで下ろしてもらう。 妻の車は川を横切って颯爽と姿を消した。 朝の静かな道をてくてくと歩き出す。 今日は長丁場、ゆっくり歩こう。 山頂に着くと、風が気持ちよい。 ガスがやっと晴れかけた感じで、 雌岳が雲に包まれたり、晴れたりを繰り返す幻想的な風景が繰り広げられる。 しばし体を冷やして、先に進む。 前日が雨だったので、今日は登山道で時々出会う沢道に水が賑やかに流れている。 上見坂登山口までの道は、久しぶりに歩くが、 ああ、こんな道だったと思い出す。 思いがけず開けて、作業道ができていたりで、 時々びっくりしながら、歩き進めた。 権現山を経て、林道を歩く。 さて、今日も弁当を持ってきているので、 腹が減ったと思ったところで食べようと思うのだが、 今日も腹が減らない。 歩き始めて4時間近くなるが、まだ空腹が来ない。 空腹ではないのだが、なんか頭が痛くなってきた。 こりゃいかんと、弁当を食べる場所を探す。 どうせなら、眺めがいいところがいい。 と、品定めしているところに、一気に開けた場所に出た。 弁当を広げて至福の時間。 が、最初はいなかったが、トンビが上で旋回を始めている。 対馬のトンビは、平気で弁当を奪いに来る。 真剣にとられてたまるか最新の注意を払い、弁当を頬張った。 野生の一動物に戻った気がした。 その後は佐須峠を経て、有明山へ。 有明山山頂は、誰もいない静かな時間。 ここまで、誰にも会わない山旅だった。 シートを敷いて、コーヒーを入れていると、 雨がポツポツと落ちてきた。 が、レインスーツを改めて羽織る気力はもうない。 コーヒーを味わっているうちに、パラパラ雨は過ぎていった。 ここまで歩いた満足感とちょっとした睡魔もあり、 シートを上で10分ほどまどろむ。 さて、我に返って下山開始。 有明山の下山路も台風の影響を受け、かなり荒れ気味だった。 滑らないように慎重に下った。 長い距離を歩けたことに満足の山歩きだった。 対馬でもこの長い距離の歩きを続けていきたいものだ。 体中に疲労と達成感が広がった。 |
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