白嶽登山口近くに、川の水かさが増すと、車道が川の一部となる場所がある。 最近は、韓国の登山者がその水の中を渡れるように置き石が施してある。 この道の水の先を見ると、その日の登山者がいるかどうかわかる。 水の先に轍ができていれば、先行車が通った証となるからだ。 今日は、んっ、わずかな轍があるが、左車輪分しかない。 ということは、右の轍は乾いている。 この季節、ここを通って1時間以上経ってているか・・・ と、俺は鑑識か? 登山口に着くと鑑識の通り、一台車が停車してあった。 今日は誰とも会わない登山ではなさそうだ。 もう、7月、暑さはさほどでもないが、湿気があり、汗が噴き出てくる。 この時期、まだ耳にまとわりつく羽虫はいない。 スズメバチやマムシも気になるところだが、今年はまだ巡り会っていない。 白嶽は、百二十回以上登ったが、マムシには一度も遭遇していない。 スズメバチは、山頂付近が要注意だ。 きつい登りにさしかかった頃、一人の登山者が下山してきた。 山慣れた女性一人。 ということは、ここから山頂まで一人である。 山頂でのゆっくりをこの時点で決める。 山頂近くは、今日はへろへろとなる。 ここが平気かどうかが、体力のバロメーターだ。 山頂に着いて、涼しい風にあたって過ごす。 ゆっくりと20分ほど。 今日の眺めは、遠くまでくっきりとはいかないが、 島の山並みは楽しめる。 岩のテラスに寄り、アイスコーヒーを飲んで、下山する。 水神様を過ぎたあたりで、これまた一人の女性が登ってこられた。 白嶽で人と会うと、日本人か韓国人がと迷ってしまう。 だいたい韓国人登山者はひと目でわかり、 迷った時は日本人なのだが、今日はよくわからない。 「こんにちは」 と声をかける。 日本語が返ってくれば日本人、アニョハセヨーと来れば韓国人。 「こんにちは」 と声が返ってきた。 「上は眺めはよかったですか?」 とさわやかな明るい声。 福岡から来られたというさわやかな方だった。 話を聞くと、ツアーで対馬に来て、昨日白嶽に登ったらしいが、 昨日は、ガスに包まれて眺めが皆無だったらしい。 それで、仲間にお願いして、一人だけ別行動で、 もう一度、今日トライしているということだった。 今日は涼しい風が吹いていること、 最高とは言えないが眺めがしっかりあることを伝えた。 これほど、白嶽の眺めを楽しみに来ていただけるとはありがたい。 眺めに満足されますようにと願い、下山路へ。 次は、鳥居のところで若い男女5人の方々とすれ違った。 どうやら、今日の白嶽登山者は若者が集う山となっているようだ。 私が一人で平均年齢を上げてしまった。 去年ほどではないが、暑い山が戻ってきたなあと実感する今日だった。 |
||||||||||||||||
|