1ヶ月ぶりにやっと、山に向かう。 5月の最後にやってしまった。 私の誕生日を妻とテント泊で迎えようと、 えっこら準備をしていた金曜日の夜。 両手にキャンプの椅子等を抱えて階段を歩いていたところ、 手が滑り、椅子が左足中指を直撃。 椅子は転がり、階段の壁をへこました。 やべえ、壁へこました・・・ と、思った途端、足が痛い。 視線を落とすと、靴下から血がぼたぼた落ちている。 中指の爪は剥がれそうで、中指だけえらいことになっている。 それから病院に通う日々。 中指骨折、爪は全部剥がした。 傷口がなかなかふさがらず、一ヶ月かかった。 結構な怪我だったようだが、私自身は以前の右足骨折にすれば、 かすり傷みたいなもんだと、それほど不自由ではない。 しかし、もう、がまんできん。 というわけで、山に繰り出した。 7月だと言うのに、今日は涼しい。 しかも風が強く、少し暑くなる体を冷やしてくれる。 思ったよりも体力的には落ちいてる感じもなく、足も痛まない。 順調に歩いていく。 が、誰もいない山歩き。 水神様を過ぎて登っていると、 急にザックが重くなった。 んんっ、後ろを見ても枝などにひっかかっている風でもない。 なんだこの重さは・・・ なんか取り憑いたか。 子泣きじじいが目に浮かぶ。 と、鳥肌が立ちかけたが、 よく見ると腰につるしたタオルがロープに巻き付き、 ロープを引きづりながら歩いていた。 どうりで、微妙な重さになるわけだ。 山頂近くに、ハクウンキスゲの黄色い花が一輪。 見渡す限り、山頂近くにはこの一輪しかない。 日本には対馬にしかない貴重な花だ。 一日花なので、この花も夕方にはしおれる。 と書いては見るが、案外国道沿いに咲いたりしている。 最近では激減しているようだが。 山頂に着くと、風が強い。 危なくて立っていられない。 でも、また歩いてこれた喜びに包まれる。 体を冷やして、岩のテラスへ。 静かなゆっくりとした時間を過ごした。 ああ、山に登って、我にかえった気がする今日だった。 |
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