2018 05.27 平治岳

一人で登る

長者原〜1時間10分〜雨が池〜50分〜坊ガツル〜35分〜大戸越〜30分〜平治岳南峰〜10分〜平治岳〜10分〜平治岳南峰〜20分〜大戸越〜35分〜坊ガツル〜2時間〜長者原

約15km 累積標高差970m  荷13kg 時間約8時間30分


ミヤマキリシマが満開の頃、一度は行ってみたかった平治岳。
山登りを始めて15年、ずっとこの季節に久住に行ける機会がなかった。
今年は、いろいろな花の開花が一週間ほど早いようだ。
この日絶好の天気。
千載一遇のチャンスとばかり、平治岳を目指すことにした。

大村から下道で車を走らせ、4時間半。
午前1時半、長者原に着く。
駐車場にはたくさんの車が仮眠中。

仮眠をとって、午前6時に出発。

実は、毎朝、スマホで見るライブカメラがある。
この画像。ずっとカメラの位置はどこだと探りたかった。

 

探しながら、場所を特定。ここだったのか。

 

木道を進み、雨が池を目指して、登山道に入る。
沢音が心地よく、山に抱かれる幽玄な森に足を踏み入れる。
沢音と小鳥の声、そよぐ風、歩いていることが幸せになる。

 

森が明るくなる頃、雨が池に着く。
ミヤマキリシマがお出迎え。

 

雨が池を越えて、坊ガツルへ。、平治岳が姿を現す。

 

坊ガツルでしばし、平治岳を眺める。
赤くなった山頂付近に思わず見とれてしまう。
山が赤くなるなんて、不思議な風景だ。


滑り安い黒土の道をてくてくと登っていく。

 

登りがきつくなってくると、ほどなく大戸越に着く。
見上げる平治岳に感動。
ここだけでも、すでに美しい。

 

平治岳に向かって登り出す。
急登だが、立ち止まり立ち止まり、振り返り振り返り、花を楽しむ。

 

南峰に着き、坊ガツルを俯瞰する。
定番の眺めだが、いやいや美しい。
いいアングルを撮ろうと、ベストポジションを探す。

カメラを眺めていると、隣にも一生懸命写真を撮る男性が一人。
いやあ、この眺め、写真に夢中になるよなあ。
んっ? この服・・・このザック・・・この後ろ姿・・・?

しかし、思い当たるその方には、実は一度しか会ったことがない。
しかも、白嶽登山道で言葉を交わしたのは1〜2分。
ん〜、間違えていたら大変、話しかける訳にもいかず・・・
その方が振り向くのを待つ。

振り向いて、むむっ、お互い時間が止まった。
ゆいまーるさんである。

対馬在住時、対馬の山を楽しんで、ネットやメールでのやりとりでお世話になった。
足を骨折した時も温かいメールをいただいた。
対馬を転勤されるとき
「いつか、どこかの山でばったりと会える日を楽しみにしています」
とメールをいただいた。

まさか、本当にばったり会えるとは。
それも同じ場所で写真を撮っているなんて。
奇跡の再会に気分は高揚する。
ゆいまーるさんは、立中山を目指すとのこと。

いやあ、山って不思議なことを起こしてくれる。

しばし近況等を話した後、お互いの山を目指して歩きだす。
平治岳本峰を目指して歩くと、その姿に感動。
登ってきた方々の感嘆の声が響く。
 
斜面いっぱいに群生したミヤマキリシマが一斉に輝きだしたかのような色。
山の斜面が咲き誇る花で、埋め尽くされている。
あまりの美しさに見とれながら、本峰に向かう、

 

たくさんの方とすれ違い、お互い待ちながら、狭い道を進んでいく。
本峰までの中腹あたりで、たくさんの方とすれ違う。
おっ、立ち止まって待ってくださる方がいる。
早く、通らなければ。
っと、顔を上げる。
「おお〜」
人目もはばからず、思わず声を上げてしまった。
目の前には、こちらを見て、満面の笑みを浮かべるhirokoさん。
その前には、hirokoパパさん。

山を始めた15年前から、おつきあいをさせていただいているhirokoさん。
家族共々かわいがっていただき、大村の家に来ていただいたり、
対馬の家にhirokoパパさんと泊まっていただいたり、
島から出てテント泊をする私を自宅に泊めてくださったり、
今年は、一緒に登りたいと思っていた矢先、
こんなところでお会いできるとは。


ばったりの出会いを喜んでくれるhirokoさんとhirokoパパさんと一緒にいるだけで幸せな気持ちになる。
ゆいまーるさんとの出会いに感動していた矢先のまたまたの奇跡。
平治岳はたくさんの奇跡をくれる。
ずっと話していたいが、今年は妻とご一緒させてくださいと話して、それぞれの道に進む。

山頂にはコヨーテさんも来ているという。
なんて山だ。

山頂に着くと、コヨーテさんとばったり。
同い年のコヨーテさんとは、大船山でばったりしたこともあった。
対馬の白嶽に来て、一緒の登ったなあ。
なぜか二人で歩くことになった犬ヶ岳の思い出。
いろいろな思い出が頭を巡る。

花に詳しいコヨーテさんに聞くと、今年のミヤマキリシマの咲きっぷりは素晴らしいらしい。
その言葉通り、平治岳の咲きっぷりにはただただ感動。

 

 

花が咲く平治岳を散策。
一面の花、天国の中にいるようだ。
南峰に戻る途中、腰掛けて休憩しながら、眺めを楽しんだ。
ふと、空を見ると、不思議なV字雲。片方はまるで龍が登っているようでもあった。

 

平治岳を下り、大戸越に着くと、またまたhirokoさんが笑顔で迎えくださった。
コヨーテさんとも再び話せた。


花満開の平治岳のすさまじさに圧倒されっぱなしの山となった。
たくさんの人でごったがえす山は苦手だ。
いや、苦手だった。

苦手な中に飛び込むことで、未知の世界が開けるような山でもあった。
奇跡の出会いに感謝感謝の平治岳だった。

 



 
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