白嶽から上見坂方面への道が、昨年の9月からずっと通行禁止になっていた。 対馬の山は片道1時間程度で終わってしまうので、長く歩きたいときに重宝していたが、 短い時間の歩きに終始していた。 年が明けて、そのルートが解禁となった。 久しぶりに上見坂ルートを歩いてみることとする。 誰もいないと思った駐車場に着くと、1台の車がある。 ありゃ、ライトが煌々とついている。 この寒さ、下手をするとバッテリー切れとなるかもしれない。 車がロックされていなければ、ライトが消せる。 運転席を開けようとするが当然ロックされている。 まだ、遠くまで行っていないかもしれなので、 満身の力を込めて山に叫んでみる。 「車のライトぉがぁ〜、ついてますよぉ〜」 数回叫ぶが、返事はない。 あきらめて、助手席側のロックも確認するが、当然開かない。 途中で追いついたら教えるかと考え、歩き出す。 今日は、上見坂ルートまで歩くので、自分を追い込まずに歩くことにする。 ゆっくり歩きながら、何度が脈拍を測ってみる。 全然きつさを感じないときで、心拍数120回/分。 少し負荷をかけると、心拍数140回/分。 おおっ、なかなかいい歩きをしているぞ。 心拍数脈140前後の歩きをしていると、山をゆっくり感じながら歩くことができる。 山頂近くに来ると、岩のテラスに人影が見える。 きっとライトのついた車の持ち主だ。 さて、テラスに行って教えようかと思ったが、 この時点で教える意味があるのかと迷ってくる。 きっと、ライトがついていると知ったからには、 すぐ身支度をして、山を降り出すだろう。 その道中は、ライトのことで頭がいっぱいになる。 教えなくても、その差は10分と違わないだろう。 その10分か致命的になるとは思えない。 だったら、知らない方がよいかもと、考えがぐるぐると頭を巡る。 山頂の岩場からテラスを見ると、3人でコーヒータイム。 それを見て、やっばり教えることをやめた。 3人いれば、レンタカー会社に電話するなり、救済措置ができるだろう。 降りるまで、山を楽しんでほしいと願う。 山頂でしばらく時間を過ごし、上見坂方面の道へ。 久しぶりに歩く道は、少々荒れ気味である。 斜めの斜面も枯れ葉がいっぱいで、落ちないように用心して歩く。 お気に入りの美林帯に到着し、昼食とする。 誰もいない静かな昼食。 その後、折り返して、歩く。 鳥居から、2時間ほどの往復歩き。 長く歩く気持ちよさを、このルートを使えばまた味わえそうだ。 駐車場に着くと、ライトがついていた車はない。 よかった。無事戻れたようだ。 しかし、自分の行動を振り返って見ると、いろいろと気になる。 今のご時世、車にも防犯カメラが付いていたりする。 とすると、今日の私の行動は、車上荒らしそのものだ。 親切心での動きであるが、余計な動きはよくないのかもと思ってくる。 なんとも、せちがらい世の中になってきた。 しかし、ともあれ、 冬の山の楽しみが、戻ってきたなあと感じる今日だった。 |
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