俗に古傷が痛むという。 これはものの例えかと思っていたが、数日前から以前骨折した右足首が痛い。 じっとしていた後、歩きだすと、痛くて踏ん張れない。 古傷がどうして痛むのか調べてみた。 なるほど。 骨折をした場所など、外見は完治しているようだが、 筋肉の組織や神経のダメージはずっと残るらしい。 そして、気圧の低下や寒さなどが引き金になり、 交感神経の活動が活発になり、ノルアドレナリンが分泌され、 血管の収縮が起こって血行不良になることで、 古傷周辺の痛みを感知する神経が刺激され、 古傷が痛みだすらしい。 気のせいかと思ったが、両足首を比べてみると、およよ、右足首腫れてないか? 測ってみると、左22cm、右25cm・・・ 腫れている。 ふむふむ、治療としては、温めて血行をよくすること・・・らしい。 温めても即治らない。 ということは、そうだ、山を歩いて血行をよくしよう。 山のこととなると、やたら楽観馬鹿になる自分がいる。 というわけで、白嶽へ。 今日こそはタイム挑戦はやめて、無事歩くことを目標とする。 誰もいない登山道、歩き出すとなんとかなりそうだ。 足が不安なので、登山口にある杖をひとつ手にとる。 いつもは右手にストックなので、杖は左手に持ち、 今日はダブルストックを試してみる。 これが思いの他、登りの推進力となる。 なるほど、足の助けとなり、みんなが使うわけだ。 登りは足の不安もなく、歩むことができた。 西岩峰に向かう鞍部を間近にすると、風の音が強い。 しかも、不規則で荒れ狂う風。 鞍部まで登り、風を確かめる。 およよ、強っ! 西岩峰はあきらめた。 迷わず撤退決定で、岩のテラスに向かう。 誰もこない岩のテラスで、コーヒーを挽き、のんびりの時間。 下りもダブルストック。 これはいいなあ。 下りはちょっと足首が痛んだが、なんとか下山。 まあ、古傷とはうまくつきあっていこう。 無理せず、今の力で山を楽しめ! 骨折が私に教えてくれた教訓である。 |
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