30度を超える酷暑が続く。 が、山に行かずにいられない。 夏の山登りは何がいやかというと、実は暑さではない。 マムシでない。 私の場合スズメバチである。 マムシは気持ちがわかる。 人間を感じて、自分の身を守ろうと身構える。 もうだめだと思うときにのみ飛びかかる。 マムシを突き動かすのは、保身の恐怖である。 決して、追いかけてきて、好んで攻撃してくることはない。 しかし、スズメバチは何を考えているかわからない。 無視して通り過ぎ奴もいれば、何のようかわからないがまとわりつく奴もいる。 そこには多少の好奇心も混じっており、心が読めない。 ただ、巣を守るために攻撃することはわかっているので、 登山道沿いで頻繁に見かけなければまず巣はないと判断できる。 この時期、7月末にスズメバチが頻繁にいる場所は、 その後数を増やしていくので、8月になるともう危険で近づけない。 というわけで、今日の山登りの状況如何では、 この夏の白嶽登山は自重ということになる。 などと、いうもくろみで始めた山登り。 午前中までに終わるつもりだったが、所用が入り、登りはじめが11時半となった。 これは、登りが一番暑い頃になる。 まあ、暑さは覚悟の上だ。 最初の30分は調子よかった。 しかし、鳥居を過ぎ、山頂近くになると、 もう体の熱がこもって、へたばってきた。 湿度の高い中、汗はいくらかいても体を冷やさない。 今年は体が暑さに順応できていないのを痛感した。 おまけに無風状態なので、休み休みの登りとなった。 暑さにやられながらも、スズメバチはいないか神経を尖らせる。 山頂に着くまでスズメバチとの遭遇はなし。 これなら、しばらく白嶽は楽しめそうだ。 あまりにも暑くて、あそこに着けば風があるだろう、 と踏ん張るが、風はない。 また、あそこまで行けば、風に当たって一休みしよう、 と踏ん張るが、風はなし。その繰り返しだった。 山頂に着くと、やっと風が体を冷やし、生き返る。 山頂に佇み、しばらく様子を見る。 スズメバチがこないかどうかである。 スズメバチが山頂近くに巣を作っているときは、山頂をスズメバチが飛び交うことになる。 しばらくすると、一匹寄ってきた。 およよ!とびびるが、ほどなく姿を消した。 その後はスズメバチはこないようなので一安心。 日射しは強いが、風が有り難く、山頂で昼食とした。 今日は白嶽山頂付近は、たくさんツバメが飛び交っている。 近づいて方向を変える度に、翼が風を切る音が届く。 ヒューン、シュワシュワ・・・ と複雑な音だ。 上昇気流に乗ってくる餌となる昆虫を待ち構えての乱舞のようである。 今日の一番の目的だったスズメバチの様子、登山道に巣はないようで、 暑い夏、白嶽はまだ楽しめそうである。 夏を彩るハクウンキスゲが岩場にたくさん咲いていた。 |
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