デジカメが突然壊れた。 ずっと使い慣れたカメラだったので、ショックである。 で、とりあえず、スマホで撮影しながら歩くことにした。 経ヶ岳を歩いた次の週なので、少し足取りも軽い気がする。 誰もいない登山道。 朝夕は寒いが、確実に山は春に近づき始めた。 コゲラが小気味よくリズムを刻みながら木々を打つ音がこだまする。 枝から枝に小鳥たちは喜びの歌を歌いながら飛び移る。 小川の音さえ、春のメロディーを運んでくるかのようだ。 いつものよりも自然を感じながら、一歩一歩進むことにした。 西岩峰に着き、しばし眺めを楽しむ。 今日は春霞。 遠望はきかないが、風もなく、心地よい山頂となった。 下りの鞍部で韓国の登山者10名ほどと出会った。 全員が通り過ぎるまで、隅に避けて、すれ違う。 全員が 「アニョハセヨ」 と挨拶をしていく。 最後の登山者が立ち止まって、考えながら言葉を発した。 「アア・・・、コンニチハ。」 「ウウ・・・、アリガトウゴザイマシタ。」 不器用ながら、待っているこちらを気遣った言葉に、少し温かい気持ちになった。 |
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