寒風吹きすさぶここ数日。 寒いが天気はいいようだ。 こんな天気の日はやはり白嶽に足が向く。 登山道に着くと、車はなし。 一人でてくてくと歩き出す。 今日は記録を気にせず、息が切れない程度で歩いてみる。 この速さで歩くと、自然の様子や音に神経が注がれ、 山を肌で感じることができるようになる。 と、上の方から大きな話し声が聞こえる。 韓国の登山客が先に登っているようだ。 その団体ともすれ違い、西岩峰に着く頃は、 誰もいない一人だけの世界。 西岩峰に近づくに連れて、雪の名残もちらほら見える。 久しぶりに西岩峰に寝転んでみる。 背中がすっぽりと収まり、股を分かつように岩が形作られ、 後頭部には枕にちょうどよいでっぱりがある。 岩肌に接する背中の冷たさは半端ではないが、 空を独り占めした気分が味わえる。 岩のテラスでコーヒーを飲んでゆっくりしていると、 さっきと違う韓国の登山客の団体が来た。 日本語が堪能な方が一人おり、 しばし話を交わす。 荷物をしまい、ゆっくりと下山開始。 下山していると、一人の登山者が登ってきた。 韓国の人かな? 日本人かな? 「こんにちは」 と元気のよい声が届いた。 んっ? お互い顔を見合わせる。 同じ職種でいつもお世話になっている 同い年のTさんである。 「えっ、山登りするんですか?」 とお互い、いつも会うときとは違うその出で立ちにびっくりする。 話してみると、いろいろな山を楽しみ、対馬の山はほとんど制覇されているようで、 思いがけない出会いが、なんともうれしい気持ちにさせてくれた下山路となった。 |
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