2014. 08.31 

 一人で登る
白嶽洲藻登山口〜1時間〜白嶽西岩峰〜45分〜白嶽洲藻登山口

  
距離約3.5km 累積標高差450m  荷10kg  時間約2時間30分
 
林道から見る白嶽の岩峰


やっと晴れた。
時間もとれたので、山に行こう。
8月末なのに、この涼しさは何だ。
夜は窓を閉めて、長袖でないと寝れない。

さて、どの山に登ろうか。
実は夏場の白嶽はここ数年避けていた。
というのは、去年、おととしと、山頂近くにはスズメバチが巣を作っていた。
いるとわかっているところに突入できるほど度胸はない。

今年はどうか。巣がないとわかれば、
涼しくなってきたこの季節にいつでも白嶽からの展望を楽しめる。

天気予報を見る。
晴れ、北西の風4m。

風は今日ばかりは、こっちの味方だ。
山頂で襲ってくるハチを予期せぬ方向に追いやってくれる。
こっちに向かって来るハチ達は、風につかまり、バーンと飛ばされていく。
そんな記憶がよみがえってきた。
よし、確かめに行こう。
ただし、スズメバチが数匹寄ってきたら、撤退するという弱虫の決まりごとを作っての出発である。

歩き出すと、涼しい風が体に当たる。
9月の終わり頃を歩いているように勘違いしてしまう。
涼しい登山道は、まとわりつく羽虫も、アブも皆無である。
歩くことが、ただただ心地よい道となる。
スズメバチが来ても機敏に動けるように、今日は少しペースを落として歩く。
頭の中はスズメバチでいっぱいだ。
幽霊屋敷で幽霊に遭遇しないかどきどきして歩くような今日の登山道である。

鳥居まで来て、さあ急登に入る。
耳を澄まして歩く。一度だけブーンと背後をスズメバチらしき音が飛んでいく。

山頂前の広場まで着いた。
いよいよ、山頂へ向かうことになる。
ここ2年のスズメバチの営巣箇所は山頂前登山道の林の中である。

ここからは手袋をし、ストックはザックにしまう。
首を守るためタオルを巻き、さあアタックだ。

西峰と東峰の鞍部に着く。
気配を伺うが、風の音のみ。

目を凝らすが、スズメバチが飛んでいる気配はない。
山頂直下の登りに入る。
左側の林に最新の注意を払いながら、登っていく。
足音さえも立てないように、ゆっくり歩を進める。
風は少しずつ強くなる。
しかし、この音が今日は心強い。
この風が私を守ってくれる。
スズメバチ嫌いの私とは思えない勇敢な姿。
来るか・・
あれっ、何もいないぞ・・・

 
まったく静かに西岩峰に到着した。
結局、自分のびびり度がひどいことを再確認する登りとなった。

風が強い山頂に佇んでいると、スズメバチが一匹だけ飛んできた。
しかし、思うつぼ、バーンと風に飛ばされた。
天が自分に味方してくれているようないい気分。

そのあとは、岩のテラスでゆっくりし、下山した。
今日はやけに靴が滑るなあと思っていたが、下り45分。
いつもよりペースが速くて滑っていたようだ。

一人で静かに登るには、大きなスズメバチの巣はないようである。
しかし、これが団体でにぎやかだと分からない。

静かに静かに歩を進めたいこの時期である。

この時期に対馬で咲くムジナノカミソリ。
カミソリノキツネを思い出させる花を眺めながら帰路に着いた。



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