2014. 12.30
経ヶ岳〜多良岳
3人で歩く そよ風姉さん、山馬鹿さん、vision


平谷登山口〜45分〜馬の背〜40分〜平谷越〜15分〜経ヶ岳〜90分〜金泉寺
〜15分〜多良権現〜20分〜多良岳(前岳)〜30分〜金泉寺〜70分〜八丁登山口駐車場


  
距離約10km 累積標高差1300m  荷12kg  時間約6時間30分

 



今年最後の山行。
やはり多良山系を巡りたい。

今日は家の方も車を使うので、妻に送り迎えしてもらっての山登りとなる。
何も考えず、八丁林道駐車場を目指すが、ふと考える。
妻に送り迎えしてもらえるなら、登り口と降り口を変える手がある。
ならばと、急遽、登り口を平谷に変更する。
この変更が、奇跡的な出会いを生むことになる。

平谷に着くと、車が一台。
年末の30日、山に行ける人は限られることだろう。

静かな平谷を歩き始める。
陽が射さないちょっと暗い道を歩き始める。
心地よい登山道を進むうち、林道を経て、馬の背に到着する。

ここからが平谷ルートの醍醐味だ。
目の前の登山道が変化に富み、歩くことが楽しくなる時間が続く。
途中、多良の鉄人Aさんに抜かれる。
相変わらず速い。

平谷越を経た後、経ヶ岳へ向かう。
途中の展望岩からの眺めは霞が濃く、遠望はきかない。
思いの外、風は冷たく、経ヶ岳までの道は寒かった。

経ヶ岳山頂が近づく、何人かの登山者が見え、話声が聞こえる。
たくさんの山頂のようなので、すぐに寄って先に進もうと考える。

経ヶ岳山頂に着くと、4人の登山者と岩の奥に2人。
立って話をする4人にあいさつをする。
さて、どこで休もうかと、見渡しながら、岩の奥の2人に目をやる。
んっ!
思わず、ぞくぞくっと体に電気が走る。
あのタオルを巻いた男性の頭、その横の品の良いご婦人の横顔・・・
なんと、そよ風姉さんと山馬鹿さんだ。

十数年前、山を初めてから、ずっと親しくさせていただいているお二人。
8年前、対馬に帰ることになりそうな時は、お別れ山行をしてくださった。
一生忘れない青い青い空の多良。

対馬に帰った後、二人で対馬まで山を巡りに来ていただいた。

このお二人の言葉に何度救われたか数知れない。
このHPをずっとご覧いただいていて、いつか山をご一緒しましょうと何度も声をかけてくださる二人。
ご一緒したいと思いながらも、いつ山に行くかは前日に決まる始末なので、なかなか計画が立たず、叶わなかった。

そんなお二人が、今、目の前にいる奇跡。
心の中は興奮し、どう二人を驚かそうかととっさに頭がぐるぐるする。
目の前に出て、わっ!というか。
後ろから「がぉ〜」と叫ぶか。
だまって、肩とんとんとするか。
まるで、子どものいたずらである。

結局、岩の背後から「こんにちは」と声をかける。
何の工夫もない再会に落ち着いた。
思わず声をかけられて振り向いた二人。
人間驚くとしばらく時間が止まる。
何が起こったか、わかるまで0.5秒。

再会を喜び合ううれしい時間。

今日、平谷に変えず、八丁林道駐車場を登り口にしていたら、二人の後をずっと追う形で出会わなかったかもしれない。
平谷から登ったからこそ、出会えた奇跡だった。

その後はもちろん、一緒に歩くこととする。
いつもは一人で息を切らしながら巡る道も、話をしながら歩くと楽しくてたまらない。

途中、下りですれ違った登山者が、楽しそうに話す様子を見て、質問してきた。
「もしかして、登りもそんな風に楽しく歩いて登っているのですか。」
すかさず、そよ風姉さんが答える。
「登りは黙って歩いてます。」
そんな質問をしたくなるほど、楽しい声のお二人である。

山馬鹿さんが先頭でペースを作ってくれる。
ほどよく話ができるペースがとても心地よい。
体重増の昨今、二人のペースには着いていけないのではと思っていたので、ありがたい。

西岳を経て、金泉寺へ。
山馬鹿さんの
「ここ滑ります」
「頭注意です」
の声に、小刻みよく応えるそよ風姉さんの声。
一緒に歩くのが、ひたすら楽しい時間だ。

その後、金泉寺で昼食をとり、多良権現、座禅岩、多良前岳を目指す。
ところどころ、多良の山情報を聞きながら、いつか巡ってみたいルートに思いを馳せる。

夢のような時間はあっという間に過ぎ、最後の林道歩き。
ここでも楽しい話が続く。

今年の締めくくりの山登りで起こった奇跡。
感謝、感謝の多良である。

今年は不思議なことに、しばらく会えなかった山仲間のみなさんと会うことができた。
夏のhirokoさん、
秋の肉まんさん、コヨーテさん、
冬のそよ風姉さん、山馬鹿さん。

自分の人生を、山を豊かにしてくださっているみなさんに再会でき、
1年を感謝する今年最後の山行だった。





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