2014. 11.23

御嶽(御岳)
2人で登る
Kさん、vision


御嶽登山口〜60分〜御嶽〜60分〜御嶽登山口

  
距離約2.5km 累積標高差450m  空荷  時間約1時間30分

 


昼過ぎまでの所要を終えると、対馬の北の紅葉が見たくなった。
車を北に走らせる。
対馬の北の国道沿いの紅葉はきれいだった記憶があるのだが、
昨今、そのきれいさに出会えない。

ふと、今日は旧道を通ってみようと思いつく。
入ってみると、旧道は崩れた石が転がっていたり、
木の葉が積もったりして走りにくくはあるのだが、
その紅葉の美しさに車を停めたくなる。

そうだ、きれいだった記憶は旧道だ。
黄色の葉が鮮やかで、赤色がその中でまた映える。

紅葉を楽しみながら、ふと、昨日白嶽で出会ったKさんのことを思い出す。
船で来て、バスを乗り継ぎながらテント泊しているKさんは、
今日は佐護のバス停から野生動物保護センターを重いザックを背負って往復する予定だ。
まあ、大丈夫だとは思うが、佐護方面に車を走らせてみる。
何かあれぱ力を貸し、何もなければそれでよしという気持ちである。

佐護を過ぎ車を走らせていると、ザックを担いで歩いているKさんと出会う。
「順調ですか?」
と尋ねる。
「はい、この後、15分後のバスに乗れば大丈夫です。」
と元気な答え。
一人旅の楽しさを邪魔するほど野暮ではないので、
何かあったら電話するように伝えて別れた。

ついでなので井口浜を回って、帰路に着く。
再び佐護に入った頃、携帯が鳴る。
Kさんからだ。

インターネット上で調べたバスの時刻表が変更されているらしく、
乗りたかったバスは20分前に通過し、次のバスは3時間後だと言う。

今日の希望を聞くと、御嶽登山と烏帽子岳展望台。
よし、全部引き受けましょう。

というわけで、山登りの用意が何もないままの御嶽登山となった。

御嶽登山口に着くと登山口は秋色の葉が敷き詰められている。
大学で山岳部、マラソンも2時間45分で走るという彼の話はおもしろい。
対馬の山、北アルプスの話などの花を咲かせながら、御嶽山頂に向かう。

研究者で、野鳥の会に所属する彼は、また違った視点で山を見つめる。
途中のサルノコシカケを見て、
「ああ、この木は長くないうちに枯れますよ」
と言う。
菌が木を蝕んでいくらしい。
対馬は照葉樹林が多いと話す。
椿に代表される葉に光沢がある葉が多く見られるそうだ。

山頂の景色は霞んでいてちょっと残念だったが、またこれも味わいがある。

なんの準備もしてないので、スニーカーでペットボトルだけ持っての山登りだったが、
やはり、登山靴のありがたさがよくわかった。
滑りそうなスニーカーはとても歩きにくいものだった。

御嶽を経て、紅葉の国道を楽しみながら、次の目的地烏帽子岳へ。

烏帽子岳は陽が沈む寸前に到着し、なんとか今日の目的達成。


その後、昨日と違う温泉を案内し、
ついでに自分も入る。

そして近くのレストランで夕食をとり、対馬ならではの料理を楽しみ、今夜のテント場に案内した。
その間ずっと山談義。

ふとした出会いから過ごした二日間だったが、
山の話がいっぱいできて楽しい時間だった。

山で出会うから意気投合できるこの不思議さ。
ただの観光地で会った人が、次の日も自分をめあてに現れたら、きっとぞっとするだろう。

これが山の魔法。
一緒に歩けば、ずっと前から知っているような旧知の仲となる。



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