2011.12.25 有明山
1人で登る

八幡神社〜20分〜清水山〜65分〜有明山〜60分〜八幡神社
  
距離約6km 累積標高差600m  荷16kg  時間約4時間



ずっと痛んでいた右膝も治り、今日は荷物に負荷をかけることにした。
20kg詰めたかったが、ちょっと遠慮して16kg。
徐々に慣らしていくことにする。
いつもと4〜5kgの違いなのだが、体にはずっしりとくる。
でも、そうそうこの重さ。
この重さを担いで、そのきつさに負けず歩ききることが楽しいのだ。
その荷の重さに合ったペースが自然とできあがり、
呼吸はその歩きに合った息づかいを刻むようになる。
同じ歩で息を吐き、吐き終える頃にぐっと力を入れて踏ん張り、
息を吸って歩をつなぎ、また次の歩に進む。
この繰り返しをリズムよく行うことが、
とても心地よいのである。

そして、足に残った疲労感は、確実に次の山を楽にしてくれる。
山登りでは、きつさは、体力をつけるバロメータである。
前回よりも、負荷をかけるというのはそういう意味がある。


歩きだすと、抜けるような青い空。
冬の乾いた空気が、空の雲を吹き飛ばしたかのようだ。
そう寒くないなあと思って歩いていたが、
成相山との分岐を過ぎて稜線に出ると、一気に北西の風が吹き荒れていた。
気温は0度くらいなのだが、風に冷やされるので体感温度はもっと低くなる。

ごうごうと風の音が森の中を駆けていく。
そのうち、「キー」とか「ヒー」とか、ちょっと不気味が音が耳に届いてくる。
木が鳴る音である。
昼間に聞けば、木のきしむ音と冷静に判別できるのだが、
もし、夜に耳にしたなら、それは、妖怪のたぐいの叫び声に聞こえそうである。

冷たい北西の風がもたらすこの寒さのおかげで汗は出てこない。
山では汗をかかないように、着る物を脱いだり、着たりする。
汗は体を冷やすために出てくる。
汗が出るということは体が熱いのである。
上着を着て汗をかくということは、その分あとで山では命をつなぐための貴重な水を
余計に消費してしまうということになる。
また、汗で濡れたシャツが後で体を冷やすため、寒い時期は体の疲労につながる。
冬山では低体温症の原因となる。
まあ、こんな低山でそこまで考えなくてもいいのだが、
高い山に登ったときに備えての習慣作りでもある。

この辺の「備えて、こうする」という部分が、
山登りの訓練であり、空想につながる大人の楽しみ、密かな遊びの部分でもある。

山頂に着くと、壱岐と韓国がかすかに見えていた。
服を着込んで、山頂で昼食をとろうとも思ったが、風が顔に痛い。

前回と同じように少し下ったところに避難しての昼食とする。

下り終わると、重い荷を担いできた喜びが足に残っている。
ずっと膝が痛くて、重い荷物を担げなかったからでもある。

また、なまった体を鍛えてみたいと、そんな元気も出てきたかなと思う
今日の有明山だった。



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