2011.11.26 白嶽(白岳)
 
一人で登る


洲藻白嶽登山口〜70分〜西岩峰〜60分〜洲藻白嶽登山口
  
距離約3.5km 累積標高差450m 荷12kg 時間約3時間


秋の山に落ちる白嶽の影

ここ数日、寒い日が続き、朝の気温は2度だった。
晩秋の急な冷え込みの贈り物は、澄んだ空気と青い空である。
11月の終わりの時期、天気がいいと心は白嶽に向かう。
あの尖った岩峰からの360度の眺望が恋しくてたまらなくなる。

今朝はというと、寒さがちょっとゆるんだが、いい天気である。
今日も沢音が心地よく、小鳥たちはちょっとだけ寒気の途絶えた今日を惜しむかのように動き回り、
その声が森に響いている。
沢音が遠くなり、聞こえなくなると、登山道は急な登りをむかえることになる。
ちょっと息が切れ、体も熱くなってくる。

鳥居まで来て、汗を拭っていると、7、8人ほどのグループの方が降りてきた。
聞くと、鹿児島やらあちこちからの登山者のようだった。
「どちらからですか?」
と尋ねられたので、地元であることを伝えると、
「こんないい山があっていいですねえ。」
と言葉をもらう。
白嶽をほめてもらうとなんだかうれしいものである。

やがて、西岩峰に着く。
風もほとんどなく、日射しを体いっぱいに浴びると、ぽっかぽっかである。

誰もいない西岩峰で、眺めを楽しんでみる。
今日は少し霞んでいるが、この場所からは、
島が南北にわたって見渡せ、山並みが累々と続いている
そして視界のほとんどの果ては水平線にたどりつき、
陸と空の中間に自分がいることを感じることができる。

西岩峰でまったりとした時間を過ごしていると、
なにやらにぎやかな声が聞こえてきた。
んっ、あのにぎやかさは韓国の人達か・・・・?
それともうひとつ、西岩峰のすぐ下を歩いて登ってくる音。
山にいると、耳がとても敏感になる。

あの音は・・・一人。
んっ、スニーカーじゃないぞ、登山靴の音だ・・・
歩幅に乱れがなく、山慣れした人だなあ・・・

と、西岩峰からのぞき込むと・・・

yashiさん!

いやいや、8月以来の再会である。
今日はゆっくりできる日だったので、
西岩峰でいろいろな話に花が咲く。
山頂で知っている人にあって、話をするのはいやはやどれだけぶりだろう。
こんなばったりした出会いは、本当に心躍るものである。

しばらくすると、もう一人の方が登ってこられた。
先週もお会いしたTさんだった。
今週も会ってお話ができてうれしい時間だった。

経ヶ岳に登っている頃は、
山頂で常連さんや知り合いと一緒になり、
話をするのが山登りの楽しみのひとつだった。
そうそう、これが山の楽しさだと、
対馬ではなかなか味わえなかった時間を過ごす。

ふと気づくと、さっきのにぎやかな声の主達が岩のテラスに到着したようだ。
小学校6年生の学年レクのようで、子ども達は元気いっぱいだった。

いつも一人の下山路も、今日はyashiさんとご一緒させてもらう。
しゃべりながの山歩きもいいものである。


島はこれから北西の風が毎日吹き荒れる冬に向かう。
山々の葉は落ち、まさに禿げ山状態となる。
が、こうなってこそ、島の山登りを楽しめる季節となる。
夏には見えなかった景色が、葉が落ちた山道から覗くのだ。

また、ぼちぼちと楽しんでいこう。


山登りTOP