山頂に咲くハクウンキスゲ
この夏最後のボッカ訓練。
今日は白嶽である。
有明山は、登山道を同じ歩調で歩けるのだが、
この白嶽は、道が変化に富み、段差も多く、いろいろな歩き方ができ、訓練の仕上げにぴったりである。
息を切らして1回目の山頂に着くと、さわやかな青年が一人、風の中で佇んでいる。。
話を聞くと、対馬にわざわざ兵庫県から車で旅に来ているとのこと。
とても気さくで、感じがいい青年で、楽しい会話が続いた。
「兵庫県のどこからですか?」
と私が尋ねとると、
「あの加藤文太郎って知っていますか?」
「知ってる知ってる。山好きの人はみんな読んで、知っていますよ。」
加藤文太郎と言うのは、新田次郎の小説「孤高の人」の主人公であり、
実在した人物で不世出の登山家としての彼の生涯を綴ったのがこの物語である。
「僕はその加藤文太郎の出身地から来ました。」
もう、こっちがびっくりである。加藤文太郎の話が白嶽山頂でできるなんて!
その後も、いろいろと話が弾み、ついつい山頂に長居をしてしまった。
また対馬に来たいという彼に、次回の再会を約束して別れた。
兵庫から対馬を目指して一人旅をするなんて、なんだかその心意気がうれしかった。
2往復目は、2回目の山頂手前で時間オーバーのため引き返す。
さてさて、準備は整った。
また、ちょっとした冒険をしよう。
今年は天候をよく見て、無理せず行こう。
年に一度の至福の時を迎えるのだ。
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