4週間ぶりの山登り。
これだけ期間が空くと、荷物の重さがなかなか堪える。
最初の20分がきつい。足どりも重く、息もあがる。
しかし、人間の順応力とはたいしたもので、30分も歩いていると、
その重さが自分のものになってくる。
あとは、無理に歩を進めぬよう、一歩一歩の繰り返しに合わせた
呼吸が歩きのペースを作ってくれる。
重さを感じなくなり、体の負担が減ってくると、
頭の中に、ありゃありゃ仕事のことが浮かんでくる。
最初は日常と同じような思考回路なのだが、
歩き続けているうちに、しばらく記憶の底に眠っていたような
出来事や案件が浮かぶようになってくる。
そして、「これはきっとこうやればうまくいく」と
日常ではかなり時間がかかるような決断が
瞬時にできる。
それは日常の意識とは異なった世界であり、
きっと通常の意識層よりも深い部分に触れて、
いつもは隠れていたさまざまなことが浮かび、
思考も冴えているのだと思う。
この辺が、登山と禅が共通に語られる所以だろう。
山歩き最中の頭の中は、まるで禅問答である。
久しぶりの有明山は、青葉の緑がいきいきとしていた。
空は一瞬夏を感じさせる青さだった。
いくつかの花々が目を楽しませてくれた。
タツナミソウ
アリドオシ
山を歩かないと、精神的に煮詰まってだめだなあと、
改めて感じた今日の有明山である。
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