2008.10.25 有明山
 
厳原八幡神社〜清水山〜有明山〜厳原八幡神社
  
距離約6km 累積標高差600m  荷17kg  時間約2時間半
  

  
涼しい季節となり、山道をただ歩くことが楽しいと思える季節になってきた。
今日はまた先々週とは違った晩秋へのうつろいを感じる山歩きだった。

まず鳥の声、うららかな陽ざしに似合う声はなくなり、寒い対馬の冬に聞く
甲高く天を刺すような鳥の声が増えていた。

そして風が変わった。夏の風と冬の風の違いはその息の長さである。
冬の風は息が長く、数秒間強く吹いて木々を揺らす。
その風を今日初めて感じた。
遠くから唸りながら近づいて、過ぎ去っていく特有の風である。

そして、その風は時折、いつもは携帯電話が圏外の場所に
電波を運んでくる。

山頂でゆっくり腰を下ろしていると、携帯に着信。
しかし、一瞬の風が運んできたものなので、通話はできない。
同僚からの電話だったので何かあったのかと急いで下山する。

下山していると、韓国の人がぞくぞくと登ってきた。
いくつかのグループで登ってきている。
その数は70人くらいか。

有明山の登山道は石が浮き出た部分があり、この秋の観光客の増加で
オーバーユース気味である。

こんな離島で登山道のオーバーユース問題を考えるようになるとは思わなかった。
しかし、安直なショートカット道は慎みたいものである。
新しい踏み跡は雨水の流れを誘い、土を洗い流し、木を倒すことにも
つながりかねない。
回り道こそ楽しいのが山道である。

案じていた携帯電話は飲み会のお誘いでまずは一安心。

もう一往復とも思ったが、またあの団体とすれ違うことを考えると
気は進まずそのまま下山した。

外国の観光客との共存。
現在の対馬にとって難しく大きなテーマである。



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