由布岳(ゆふだけ)
一人で登る 2006.12.23 |
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場所 |
大分県由布市 |
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標高 |
由布岳(西峰)1583m
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歩く標高差 |
累積 約1200m |
歩行距離 |
約9Km |
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所要時間 |
大人
6時間半 |
東登山口〜30分〜日向越〜60分〜お鉢廻りとの合流点〜10分〜東峰〜25分〜西峰〜45分〜東峰〜5分〜マタエ〜50分〜合野越〜20分〜牧柵〜50分〜日向越〜30分〜東登山口 |
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駐車場 |
東面登山口前に数台停めることは可能。路肩に数台停めていた方もいた。
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データ |
天気がよさそうな年末の今日。今年最後の山登りかもしれない。
せっかくなので,遠くの山へ。3年前に登った由布岳に登ることとした。前回は正面登山口からだったが,今回は東登山口から登り,正面登山口側に下りてから,中腹をぐるっと歩いて東登山口に戻ることとした。
東登山口に6時に着く。まだ暗く,他の車はない。しばし仮眠をとる。
横に車が停まり,明るくなって目が覚める。よく寝た気分で,さあ出発。
東登山口のすぐ上にトイレと休憩所がある。このトイレ,鍵がかからなかった。用を足しているとき,誰かに開けられるとちょっとマヌケなことになるので要注意。(笑)
歩き出してしばらくは由布岳,鶴見岳特有の気持ちのよい自然林と黒土の道。冬枯れのこずえ越しに由布岳が姿を見せる。東からの陽を浴びて,明るく輝いている。登山道横の樹木には名前を書いた木札があり,木々の名前を覚えながらの散策路にもなっている。
自然林を過ぎ,しばしの杉林の中の道となる。倒木があちこちにあるが,ロープが張ってあり道もわかりやすい。再び自然林の中に入ると,しばらくして日向越に着く。日向岳と正面登山口と東峰に向かう道の十字路になっている。
日向越から東峰方面に道をとると,しばらくジクザクに道をきった後,視界が開けて,鶴見岳の全貌をかいま見ることができるようになる。
展望が効くようになると南側の景色に息を飲む。うっすらと薄い雲たちとその上に姿を見せる数々の山々。遠望がきき,久住はもちろん祖母山系,その奥の脊梁の山か霧島山系か,幾重にも重なる山の陰影が美しい。幻想的な景色に見とれながら高度を上げていく。
山頂近くが見えるようになると,鎖場や岩を慎重に掴みながら登る場所に出る。数ヶ所の難所を過ぎながら,陽の光が届かない斜面の木々への着氷に見とれる。青い空と白い斜面と木の枝は不思議な空間を演出していた。
慎重に岩を登り,お鉢廻りの道と合流する。ここから東峰は10分ほどだ。
東峰に着くが誰もいない。風は冷たいが青い空が気持ちいい。前回お鉢廻りをした時はガスの中でお鉢の全容がよくわからなかったが,今日は全体の様相がよくわかった。マタエに下り,障子戸を過ぎ西峰へ。西峰からは雲仙と多良山系も見えた。かなりの距離があるはずだが,雲仙と多良岳も見えた。
西峰を経てお鉢廻りを続ける。一度下ってお鉢の底の岩場を通る。前回はガスの中でどんな岩場かよく分かっていなかったが,晴れているとなかなかスリルがある。岩場を越えて一気に登り,再び東峰へ。時間は11時。昼食をとることにする。歩いているとわからないが,風はかなり冷たい。軍手をはずしてはしを持つと,手がかじかんでくる。
しばらく休んでいるとぞくぞくと登山者が東峰に上がってきた。さて,下山路に向かうこととする。マタエからしばらくジクザクの道だ。高度が下がると自然林の中に入る。下山路では多くの登ってくる方々とすれ違った。
合野越を経て,正面登山口方面へ下る。牧柵のところまで来ると,日向岳自然観察路との分岐である。道を左にとり,観察路を進む。
地形図で見ると平坦な道を歩くイメージだが,標識には「ほとんど登りです。」で書いてある。最初は自然林の道,そして石がごろごろとし,苔むした道に変わる。この苔むした石の中に入ると,道がわかりにくい箇所もあるので,慎重にテープの目印を確認しながら進んだ方がよい。気がつくとルートを離れて歩いていた。しばし戻りルートを探すこととなった。,しばらく登り道と平坦な道が続く。谷道を少し下る頃,日向岳が見えるようになる。
日向岳に登る道の分岐を経て,数分で日向越に着いた。ここからはのんびりと木々の札を眺めながら歩く。途中鹿が姿を見せた。姿はかわいいが大きな物音には驚かされる。
帰りは「七色の風」の温泉に入る。料金は600円だが,今登った由布岳を存分に眺めながらの露天風呂がなんともぜいたくだ。
暖冬の冬。本来なら雪をまとっている頃だろうが,晩秋と初冬の狭間のような由布岳であった。娘が幼い頃,雪をかぶった姿を見て,「お砂糖の山」と言った由布岳。眺めても登っても,私にとって「うっとり」とする時間をくれる美峰である。
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由布岳東登山口。すぐ上にトイレがある。
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由布岳を木々の間に見ながら,自然林の道をゆるかやに登っていく。
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日向越に着く。
「日向岳に向かう道」と「正面登山口に向かう観察路」と「東峰に登る道」の十字路だ。
このあと,ジグザクをきって登っていく。
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東登山口からの道は,頂上近くが険しくなる。
気を緩めず登っていこうと気持ちを新たにする。
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看板の通り,道が険しくなってきた。
慎重に慎重に足の位置と手の位置に気をつけて登っていく。
険しい道から目を転じて,後方を見ると,絶景が待っていた。
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薄い雲がたなびく大地から数々の山々が顔を出す。
山々に朝が訪れたという感じの風景だ。
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高度をあげていくと,鶴見岳の全容が眼前に表れた。登ってきた岩の様子と鶴見岳の威容に圧倒される。
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うっかり眺めで歩きがおろそかにならないように気をつけて,登っていく。
お鉢廻りとの合流点に到着。
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稜線にでると,枝々にエビのしっぽができていた。
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東峰を経て,マタエに下りる。
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障子戸を登るとまた視界が開ける。
立ち止まり,立ち止まりしながら,西峰に向かう。
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西峰の迫力ある姿を振り返りながら,西峰に到着。
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西峰を過ぎると,風が強くなる。木々にはえびのしっぽの氷がついていた。
青空の中の白い風景は一段と美しい。
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岩場を過ぎて,また登り返す。
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登山道に落ちたえびのしっぽたちを踏みながら,再び東峰へ。
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久住山系を眺めながら昼食。
陽は暖かいが,さすがに風は冷たく,手袋を脱いだ手はかじかんでくる。
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マタエを経て,合野越に向かう。時々山頂を振り返る,双耳峰が青い空に映える。 |
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合野越を経て,正面登山口方面に下りる。
自然林が美しくて顔がついほころんでしまう。
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牧柵のところから左に折れ,日向岳自然観察路へ。
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最初は冬枯れのゆるやかな道だが,苔むした岩が転がる道に変わる。
想像よりも登りが続く道だった。
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牧柵から50分ほど歩くと,日向越に戻ってきた。
背後からの陽射しに自分の影を見ながら下りていく。
この影の感じがいいなあと思って写真を撮るが,
そうか。写真を撮るときは,影も写真をとっている格好の影だ。
ちょっと間抜けな写真・・・
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東登山口から巡った由布岳。
何回も来たような気がするくらい心に残る山である。
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