由布岳(ゆふだけ)
一人で登る 2003.12.1 |
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場所 |
大分県湯布院町 |
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標高 |
由布岳頂上(西峰)1583m
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歩く標高差 |
約800m
(累積約970m) |
歩行距離 |
約8Km |
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所要時間 |
大人
6時間 |
正面登山口〜30分〜合野越〜60分〜マタエ〜25分〜西峰〜40分〜東峰〜10分〜マタエ〜40分〜合野越〜20分〜正面登山口 |
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駐車場 |
正面登山口駐車場にたくさんとめられる。休日はその駐車場の向かいに有料駐車場もあり。
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データ |
いつか行ってみたいと思っていた美峰,由布岳。
今回年に一度か二度の平日休日。この機会を逃してはと天気予報を見ると「晴れ」だ。よし,と決め,本やwebページで,由布岳のことをあらためて調べなおす。
ちょっと迷いはあった。どうせ行くなら,お鉢廻りがしたい。でも,単独で行ってもしものことがあったとき,誰も気づかないのでは。「一歩一歩用心しながらいけば大丈夫」との説明を信じていたが,心配にもなり,前日webページで調べてみると,「怖い」「危険」と書いてあるものの多いこと。確かにその写真は怖い。うーん,平日だから,なおさら登山客も少ないし,まあ,行って怖そうだったら,西峰をあきらめ,東峰だけにするか。などと考えながら当日を迎えた。今回は新しく買ったザックおろしの日でもあり,不慣れなザックでなおさら不安をあおる。
なんせ長崎県大村市からの一般道で行こうとするものだから,出発は朝3時過ぎ,眠たい目をこすりこすりしながら,正面登山口に到着。ありゃ,誰も駐車場にいない。誰もいないなか落ちたらもともこもない。と,いうわけでしばらく誰か来るまで仮眠をとる。30分くらい寝て起きると,一台来ている。地獄で仏にあったような気持ちだ。よし,と決意し身支度。
天気は上々。ただ由布岳頂上付近には,雲がかかっている。いや,お昼近くにはあの雲はとれるはず。そう思いながら,登山道を進む。登山道から眺める草原が美しい。倉木山や鶴見岳も見える。思わす気分がのって速く歩いてしまう。出発して,ゆるやかな坂道を30分ほど行くと,合野越に到着。ここからはジクザクにきって,登っていく。途中途中湯布院の景色が見える。美しい街並みだ。そして,上を見ると由布岳が間近に迫っている。迫力ある山容だ。岩肌が荒々しい。あそこ登れるの?という感じがする。
合野越から1時間ほど歩くと,西峰と東峰の別れのマタエに着く。ここまでは風もなく,12月なのに半袖で歩いてきたが,マタエは風が強く,あわてて上着を羽織る。北側から強い風が吹き,ごうごうと音を立てている。さあ,目的の西峰を見ると・・・ ちょっとびびる。ガスに中に見え隠れする西峰に至る道は,あんなん歩けるの?といいたくなるような岩場だ。うーん,前に登ったはずの登山客の姿も見えないし,もし,単独で落ちたら,しゃれにならん・・・
熟慮の末,決死の覚悟で挑戦することにした。が,登ろうとした鎖場の上には「立ち入り禁止」の看板。そして,「西峰はこちらから」と矢印の看板がある。看板が立っている場所から,そのまま進むと,えっ,道がない。どういうこと? ええい,この立ち入り禁止の鎖場に行ってしまえ。と一段登ると,その段の矢印の方向にもうひとつの鎖場があった。そういうことか,気合いが入りすぎると冷静さを失う。
最初の鎖場だ。まあ,ゆっくり慎重に行けばたいしたことはない。そして,障子戸・・・ んんっ,想像してたより小さいぞ・・・これなら行ける。ガスにまかれながら,ゆっくりと三点確保を守りながら,岩肌を登る。そして,2mのトラバース。ここが怖いといろいろ書いてあったが,立派な鎖があるじゃないか。しかし,用心には用心を重ね,障子戸の西側に廻る。眼下には雲の切れ間から湯布院の街並み。やはりこの障子戸か山の経験がないと危ない気もした。それほどの高さは感じなかったが,高い所が苦手な人はやめた方がいいかもしれない。決してなめてかかってはいけない障子戸である。
その後,岩をぬうようにして西峰に到着。山頂は広い。ちょうどガスがかかり,展望がきかず風も強い。先に進むことに。しばらくいくと木々に霧氷がかかっている。この風がここはずっと吹いていることを想像させる。草台地を抜けると,崩壊後に。立ち入り禁止の看板前を右に下る。ここからは100mほど下って,また登りなおす。途中数々の岩峰群がある。変化があってなかなか楽しかった。東峰近くになると,霧氷が着いた木の数もまし,一瞬,陽が射した姿に思わず声を上げてしまった。歩く道には,霧氷が落ちた長方形の薄い氷の固まりが,まるで散った花びらのように無数に落ちている。東峰に到着する頃には,頂上付近のガスもだいぶとれるようになり,ときおりお鉢の全貌を見せる。山容と眺めを堪能する。久住山,涌蓋山,万年山と,遠くに山並みも見渡せた。
もと来た道を戻る。正面登山道に着く頃は,空が晴れ渡っていた。今なら頂上はきれいだろうなあね,と思いつつ,長崎くんだりから来ている身では,帰路を急ぐしかない。帰りは湯布院ハイツ(500円)の露天風呂から,今登った由布岳を眺めた。登った山を見ながらの風呂は格別だ。
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由布岳正面駐車場。車は私も入れて2台。
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まだ雲のかかった由布岳を目指す
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牛が入らないようにした柵を通り,ゆるやかな道を登る
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合野越に到着。ここからの眺めも気持ちいい
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ジクザクにきった道を進む。湯布院の眺めも美しい
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頂上が間近にせまる。もうすぐマタエだ。
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マタエは強い風。西峰への道はガスがかかって,なおさら迫力がある。
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さあ,西峰目指して,最初の鎖場へ。
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ガスの中の障子戸
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障子戸を登り始める。
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トラバースする場所。足下はこんな感じ。手をしっかりホールドしてゆっくりわたりましょう。
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今来た道を振り返る。ちょっとほっとした。
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岩峰をぬいながら西峰到着
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岩草台地を過ぎると,崩壊地へ。立ち入り禁止の看板。右に下る。
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木々に美しい霧氷。登山道には花びらのように散った霧氷が。
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岩越えを楽しみながら,東峰に到着。だいぶガスもとれてきた。
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倉木山と湯布院方面 |
東峰から見た西峰 |
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今来た道を振り返る |
鶴見岳 |
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久住方面,涌蓋山 |
東峰からマタエに降りる道 |
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東峰からマタエに向かう道からから,馬の背,障子戸方面
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下山して見た由布岳はまた美しかった
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