鳥甲岳(とりかぶとだけ)〜二合半岳(にごうはんだけ)
大花山
(おおはなやま)〜五家原岳(ごかはらだけ)〜中岳(なかだけ)
 
 
 一人で登る
  2006.01.29
黒木から見た独特の山容を持つ鳥甲岳の摩利支天
場所 長崎県大村市
地形図はここをクリック
断面図,概念図はここをクリック
標高 鳥甲岳 770m
二合半岳 799m
大花山 875m
五家原岳 1057m
中岳 1000m
歩く標高差 .累積1300m 歩行距離 約16Km
所要時間 大人
約8時間
黒木郡川砂防公園〜70分(道迷い入れて90分)〜大原越〜20分〜摩利支天〜10分〜鳥甲岳〜15分〜大原越〜30分〜二合半岳〜30分〜大花山分岐〜30分〜横峰越〜35分〜五家原岳〜30分〜中岳〜40分〜西野越〜50分〜八丁登山口〜10分〜八丁林道駐車場〜30分〜黒木郡川砂防公園
駐車場 郡川砂防公園に駐車場あり。夏季以外はゆっくり停めることが可能。
データ  かねてから登りたかった多良山系の五家原岳より西側の山々。冬枯れのよき日,巡ってみることにした。
 
 郡川砂防公園に車を停めて,立派な吊り橋を渡ってしばらくは林道歩きとなる。
鳥甲岳への道は迷ったという話も聞くので,慎重に地図で調べながら歩くことにする。慎重に進んだが,林道の終点あたりで,どうも方向がおかしい。道なりにまっすぐ進んで登ってみる。テープもあるのだが,違う道のようだ。コンパスで幾度も測るがやはり方向が違う。どうも二合半岳の方に近づいて上がっていく道のようだ。もう一度,迷った沢と交差した場所に戻る。そして,眺め直すが,道らしきものはない。困った。地形図を見ると,谷をつめていくように進むようだ。ちょっと草をかき分けて入ってみると,あった!ケルンの先に登山道。ここの入り口がまずもっての難関だった。大きく時間をロスした。

 
ケルンから沢を渡り,沢音を左に聞きながら進む。道は結構荒れていたり,倒木があったり,トゲのある植物があったりとなかなか進むのに苦労した。迷ってしまっても帰れるよう地形や様子をよく見ながら進んだ。そして,もうそろそろ尾根に出てもいい頃だが・・・と思ったところで,今日初めて見た「鳥甲山(岳)」の表示。ちょっとほっとする。人間,引き返すのはとてもいやなものだ。でも,引き返す勇気はいつも一緒に山に持っていく必要を感じた。ここまで結構ドキドキの山歩きだった。

 
この後は,さっきまで半やぶこぎがうそのように心地よい山歩きとなっていった。

 
まずは鳥甲岳へ。尾根道をつめていくと,伐採した木材を運ぶワイヤーが張ってある場所を2箇所通る。そのあと鳥甲岳の分岐に出る。まずは,摩利支天に。少し広い山頂に石碑がある。続いて鳥甲岳山頂に向かう。ここからは経ヶ岳から郡岳への山並みと黒木の里がとても美しく見える。しばし眺めを楽しんで,大原越まで戻る。

 
大原越から二合半岳への道は,地形図にはのっておらず,コンパスを使って進まなければと覚悟していたが,ところどころにテープがあり,踏み跡もわかりやすく道も枯葉の積もったとても心地よい道で少し驚いた。砂防公園から大原越までの道のようかもしれないと思っていたので意外だった。

 
二合半岳の山頂は眺めはないが,小さな標識がある。山頂をそのまま進むと,「大花山へ」の標識があり,道なりに進むと一端林道に出る。林道をそのまま横切って向かいの山を登り始めると大花山への道である。

 
大花山分岐でちょうど12時。昼食とする。

 
大花山を後にして横峰越を目指す。この道がとても美しい。道を曲がる度に,美しい林が続いていて,一人でニンマリしてしまう。

 
横峰越から五家原岳へ。五家原岳山頂は,今日は誰もいなかった。
 五家原岳からは,さっき歩いてきた二合半岳や摩利支天が見える。そして,中岳を経て,西野越から下山した。途中の道にはシャクナゲがたくさんあり,木によってはたくさんの蕾がついていた。

 
八丁林道駐車場から砂防公園駐車場まで舗装路歩きとなる。
最後の舗装路歩きは,ちょっと疲れていた。他人から見ると,ザックを下げた中年の男が疲れ果ててトボトボと歩く姿に見えたに違いない。
 後ろから来た車が横で停まる。八丁林道駐車場に駐車してあった見おぼえのある車だ。運転席の窓から美しいご婦人が声をかけてくださった。
 
「どこまでですが,お送りしましょうか?」
 
「いえいえ,砂防公園までですから大丈夫です。ありがとうございます。」
 「そうですか。ではお気をつけて」

と車はゆっくりと走り去っていった。なんとやさしい方だろう。

 
思えば,今日の山歩きは8時間近くかかったが,人間とは誰一人とも出会わなかった。
会ったのはたくさんの鳥たちと,木材を運ぶワイヤーと,きじくらいである。
今日は初めて会話した人がその人だった。

 今日初めての会話がとてもさわやかで,そのやさしさとほほえみがとてもうれしく,トボトボとした歩きから,ルンルンとした気持ちになって砂防公園まで歩いていった。

 
今日は静かな山歩きができた。しかし,迷いやすいところもあり,単独はちょっとお勧めできないコースであった。(反省もふまえて)


 
 
 
郡川砂防公園に車を停め,つり橋を渡って林道を進む。

 
この後,私は迷ったので,どう行ったかをちょっと詳しく書いてみる。
正規のルートは他にもあるのかもしれないので,ご存じの方があったらお教えください。
(あくまでも参考にしてください。地図とコンパスで調べながら進んでください。)

@ この後,林道は二手に分かれる。左側は民家に通じているようだ。よって右側を選択して歩く。
 
 
A
やがて,沢音が聞こえ出すと,林道が大きくUの字に曲がる。地形図にはこの曲がりはのってないので,そのまま進んでよい。
この沢音が聞こえた部分を起点にU字に歩き,Uの字が終わるあたりで,右側に登っていく林道がある。
舗装路があったり,土の道があってえぐられたりしている林道だが,この道を沢音を左に聞きながら進んでいく。

 
B 林道っぽい道が終わり沢と交差するようにして山道に入っていく。
が!ここが要注意。


道なりに進むとまっすぐ行くことになる。(青矢印)
踏み跡もあり,テープもあるが,この道は二合半岳の方に近づいて登っていくようだ。

鳥甲岳へは,ここで右側の草をかき分けて谷筋に入っていく。

(赤矢印)


C 谷筋に入ると,すぐに沢がある。沢を渡ると登山道が現れる。
後は,谷を意識しながら,踏み跡をよく見たり,ときどきのテープを目印に歩くとよい。


しばらく登ると,他の道から合流する踏み跡もあったので,林道終点より手前に登り口があったのかもしれない。私は気づかなかった。

 
ちょいやぶや倒木とトゲのある植物と戦いながら,谷筋をつめていく。
ゆるやかな傾斜になり,明るい杉林に出たら,もうすぐ分岐点だ。

  
大原越にもうすぐのところで,今日初めて見た鳥甲岳を案内する標識。ちょっとほっとした。
 
 
大原越を過ぎて,鳥甲岳をめざす。
 木材を運ぶワイヤーの下をくぐって進む。要注意。
二つ目のワイヤー箇所は機械が作動していた。こわっ〜。

 
 
道を詰めていくと,鳥甲岳の分岐点に着く。
まずは摩利支天に進む。

 
 
摩利支天にむかう道に,途中で大刀で一刀されたような木があった。
ちょっとびびる。摩利支天には小さな石碑があった。

 
 
先ほどの分岐に戻り,鳥甲岳山頂へ。
 
 
鳥甲岳からの眺め,郡岳から経ヶ岳への縦走路が脈々と続いている。
この眺めでここまでの疲れはふっとんでしまった。
 
 
大原越に戻り,二合半岳をめざす。
いくつかの起伏を越えると二合半岳だ。
この道はテープもあり,落ち葉が敷き詰められたわかりやすい道だった。

 
 
二合半岳山頂。小さな標識がある。
 
 
「大花山へ」の標識に従い下りていく。やがて林道に出る。
  林道をそのまま横切り,すぐ向かいの山を登り始める。

  
  
二合半岳から30分ほどで,大花山分岐に到着。
もう少し先まで行った875mが大花山の山頂らしい。
 
 
大花山分岐から横峰越までは美しい林が続く。
 
 
横峰越を過ぎ,五家原岳山頂へ。
 
 
五家原岳山頂は誰もいなかった。
経ヶ岳,中岳,さっきまでいた二合半岳や鳥甲岳が見える。

 
 
中岳,西野越を経て,八丁登山口へ。
 
 
帰り道で眺める今日の山。
左奥が五家原岳,中央が二合半岳,右端が鳥甲岳の摩利支天。
 

冬枯れの山歩き。いやあ,気持ちよかった。
この後,ありがたい声をかけていただいた,感謝である。

 
 
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