祖母山
一人で登る  2017.10.08

(北谷〜風穴〜祖母山〜国見峠〜北谷
  


  
場所 宮崎県高千穂町 地形図はここをクリック
断面図,概念図はここをクリック
標高 祖母山 1756m 歩く標高差 累積 約850m 歩行距離 約8Km
所要時間 大人5時間
 
北谷登山口〜50分〜風穴〜1時間10分〜祖母山〜40分〜国見峠〜40分〜千間平〜50分〜北谷登山口
 
駐車場 北谷登山口とその前の林道広場等に駐車スペースあり。
データ  
10月の 連休が来た。秋を感じる山に行きたい。ずっと行きたかったが、叶わなかった山に行きたい。
祖母山・・

九州の山好きにとっては、特別の山である。その地に足を踏み入れるには、入念な鍛錬を積み臨まなければならない。そんな神聖な山である。

が、それほどの鍛錬はできていない。でも、行きたい。
となると、祖母山には、北谷登山口がある。ここからだと、限られた山人しか訪れられない祖母山登山を可能にしてくれる。

大村で8時過ぎに床に着く。1時半起床、2時発の予定であったが、12時半に目が覚めて寝られない。
もう、出発だ。

熊本まで高速を使い、南阿蘇を通り、北谷登山口に向かう。
南阿蘇では、野ウサギが道路で休憩していた。その後、突然、キツネが道路を横切り、ライトに照らされる。
その後は、大きなイノシシとシカ。たくさんの野生動物に遭遇しながら進んだ。

北谷登山口の心配は、たどり着くまでの未舗装の林道である。普通車なら気をつければ大丈夫という話。
暗い夜道を行って、北谷登山口で仮眠するか、仮眠後、明るくなってから北谷登山口に向かうか、悩みどころだったが、夜道を進むことにした。

ライトに照らされる狭い未舗装路に緊張しながら進む。20分近く走っただろうか、やっと北谷登山口に着いた。およよ、たくさんの車が駐車済みだ。他の車は、静かに睡眠中のようなので、車のエンジンを消して、仮眠する。
うっ・・・、寒い。
エンジンを切って仮眠する想定はまったくなかったので、ザックから衣類を出して身につけ、凍えながらの仮眠となった。

夜明け前には、登山口近くの駐車場は満杯となった。夜明け前に来てよかった。

が、帰りに見ると、登山口の前に広い場所がいくつかあり、たくさんの車を迎え入れることができる登山口であることがわかった。

朝、明るくなった7時、満を持して出発。今日は登りに風穴コースを選ぶ。
大きな岩があるいくつかの沢を渡る。この岩を見るだけで祖母に来た感慨が湧いてくる。

鳥のさえずりを耳にしながら、少しずつ傾斜を増す登山道を進む。沢あり、急登あり、荒れた道ありと変化のある道を進んでいく。

私の見たコース図では、風穴まで45分と書いてある。まあ、標準的な速さで歩けていると思うのだが、45分経っても風穴にはたどり着かない。

通り過ぎたかと思う50分過ぎ、風穴に着いた。
中に入れそうだが、一人なのでやめといた。

その後も、急登が続き、鎖場、ハシゴ場が出てくる。笹の急登を登り詰めたところで、視界が開ける。おっ、眼前に天狗が見える。ということは、進行方向のあのコブは祖母山だ。ここまで、結構な登り道で、道は2日前の雨で滑りやすく、ドロドロになった。私のコース図では、風穴から山頂まで2時間となっている。いやしかし、あのコブまでそれほどかからんやろう。そもそも、北谷登山口から2時間45分もかかれば、黒金尾根を登る時間と変わらない。

頭の中が混乱する中、祖母山に到着。
風穴から1時間10分ほど。あの図は、登山口から2時間の意かと理解した。

久々の祖母山山頂、思いの他、ガスの取り囲まれ、尾平、傾山方面の景色は望めない。景色は望めないが、祖母山の山頂にいるだけで、なんともうれしくなる。足を骨折した後、北谷登山口からとはいえ、祖母山にまた登れるようになるとも思わなかった。

ぞくぞくと登山者が登って来る。30分近く、山頂で粘ったが、ガスの中は変わらず。このガスは昼近くには晴れるとは思うが、そこまで待てない。

国見峠、千間平方面から下山する。道は緩やかだが、こちらの道もドロドロである。滑らないように気をつけて歩く。

たくさんの登山者とすれ違い、国見峠へ。広い場所で振り返ると祖母山がなだらかな姿で鎮座している。

その後、千間平へ向かう。今日は結構、地形図を確認しながら歩いた。地形図通りの地形が表れるとうれしくなる。千間平は、心地よい林の中の平坦地。倒木に腰を下ろし、ここで昼食とする。

涼しい風と小鳥の声に包まれ、思い切り祖母を感じる時間。

千間平を経て、北谷登山口へ向かう。千間平の標識の後、道が分岐するはずだが、道なりに進むと北谷登山口方面へと続くことになっていた。

北谷に到着し、幸せな気持ちで帰路に着く。夜道でこわごわ進んだ未舗装路は、昼間に進むとさほどではなかった。途中にユンボがあったので、道をならして下さったのだろう。

帰りは祖母の余韻を感じながら、下道で帰った。

祖母・・・また歩きたい。
その欲求が戻ってきた。

 
 
 
北谷登山口、朝7時出発。
 
 
風穴コースへ。沢は水が結構あり、渡りにくい。
この岩の大きさが祖母山系を感じさせてくれる。

 
 
 
 
荒れた道、笹に包まれた祖母らしい道を進む。鳥の声が心地よい。
 
 
 
歩き始めて50分。風穴に到着。しばし休憩して汗を冷やす。
 
 
 
ところどころに秋を感じながら進むが、道は、雨の後でドロドロである。登り道なのに、一回、思い切り滑ってしまった。
 
 
 
祖母山頂が見えだした。眼前に天狗を臨み、気持ちが弾む。
 
 
 
 
ハシゴを登り、笹原を分け、祖母山頂へ。
 

 
 
祖母山頂に到着する。ガスがかかり遠望は臨めないが、十分満足の山頂である。
 

 
 
滑らないように気をつけて下る。国見峠に着き、祖母山を振り返る。
 

 
 
千間平の林を眺めながら、昼食とする。
 
 
 
深い山の中にいるうれしさが体を満たす祖母山だった。
このルートなら、いつでも楽しめそうだ。

祖母のよさに、久しぶりに参ってしまった今日の山歩きだった。

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