白嶽(しらたけ) 〜遠見岳(とおみだけ)
1人で登る  2008.04.12

 (白嶽から遠見岳まで道はありません。コンパスと地図必携でルートを選びながら歩く必要があります。) 

  
場所 長崎県対馬市美津島町
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標高 白嶽西岩峰519m
遠見岳379m
歩く標高差 累積 約750m 歩行距離 約7Km
所要時間 大人
5時間半
洲藻登山口〜30分〜鳥居分岐〜30分〜白嶽西岩峰〜10分〜白嶽岩のテラス〜30分〜435.3P(三角点)〜20分〜459P〜10分〜広い岩棚〜20分〜遠見岳〜1時間20分〜白嶽岩のテラス〜〜50分〜洲藻登山口
駐車場 白嶽洲藻登山口に駐車可能
データ  冬場に歩こうと思っていたルートがある。白嶽〜遠見岳の稜線である。
 
白嶽はその山容にばかり注目が集まるが、両側に稜線が流れ、北の遠見岳〜南の黒土山まで、美しい線を描いている。今回、白嶽に登った後、遠見岳を往復することとした。

 白嶽から登り始めると、神社鳥居付近で4名の団体さんと出会う。韓国の方かと思いきや、宮崎からの方であった。その後、山頂を目指すと、ぞくぞくと韓国の登山者が下りてきた。向こうはてっきりこっちが韓国人だと思っているようで、「こんにちは」と声をかけると一様にびっくりする。

 
白嶽の山頂は今日も風が強く、早々に後にする。山頂近くにはゲンカイツツジが咲いていて殺風景な岩に彩りを添えている。4月の終わり頃になれば、またちょっと色合いが違うチョウセンヤマツツジが色を添えることとなる。岩のテラスで小休止し、いよいよ遠見岳に向かう。

 
この先は道がない、だいたいは稜線沿いに歩けばよさそうなのだが、岩を巻いたりするときに間違えやすいので要注意だ。まずは、一度行ったことがある435.3Pの三角点を目指す。実はここまでが一番歩きにくい道である。木の枝に打たれたり、滑りそうになりながら、ルートを選んで歩いていく。白嶽の岩のテラスから30分ほど歩くと、435.3Pの三角点に到着である。

 
435.3Pの三角点からは白嶽の横顔を見ることができ、また見慣れた山容と違った姿を楽しむことができる。丁度この季節、岩場にはゲンカイツツジが咲き、自然の中の庭園の様相を示している。しかし、このきれいなツツジたちを人間はほとんど目にしないのだなあと思うとちょっともったいない気もした。

 435.3Pの三角点を越えてからは、基本的に稜線をたどりながら歩いていく。岩場にぶつかりぶつかりするのだが、基本的に岩に登れば越えることが可能で、435.3Pの三角点までの道と違って歩くのが楽しくなる。岩場の稜線沿いや落ち葉を踏みしめる道など、変化があったおもしろい。ただ、道はなく、向かう山も見えなくなるので、コンパスと地図で位置を確かめながら歩くこととなる。
 
 
435.3Pの三角点から30近く歩くと、小ピークの南東側に白いものが見える。んっ?と思ってそこまで足を伸ばしてみると、驚くような広い岩棚に出た。たくさんの人が休憩して、眺めを楽しむことができそうな場所だ。しかし、ここまで来るのは簡単ではなく、この道が整備されればいい場所だがと思いを巡らせた。

 
今日の目的地遠見岳からは、城山や湾が美しく見えた。

 帰り道もときどき現れるゲンカイツツジを愛でながら、もと来た道をたどっていった。帰り道では、広い岩棚を見逃したので、ちょっとした幻の岩棚みたいだ。

 このルート、冬や春にまた楽しめそうである。人がほとんど入っていない山道は、対馬の山ということを忘れさせ、深い深い山の中を歩いているような気分だった。
 
数日前の雨のおかげで、登山口の滝も水量が多い。
心地よい沢音を耳にしながら、登山道を歩いていく。

 
 
山頂近くにはゲンカイツツジが美しく春の色を演出している。
 
 

岩のテラスを後にして、遠見岳方面に歩き出す。
歩き始めてはしばらくが、ルート選びに難儀する。

 
 
20分近く歩くと、道も歩きやすいところが現れるようになり、少しほっとする。
白嶽の横顔が見え隠れする。
 

 
435.3Pの三角点に到着。
 
 
435.3P三角点から白嶽を眺める。
 
 
そそり立った奇岩を巻いて歩く。
道は岩尾根を歩いたりしながら、変化に富んでおもしろくなる。
 
 
 
 

白嶽がどんどん遠くなる。左右に切り立つこの稜線はどちら側に出ても眺めがいい。
 
 
  道の途中に突然現れたシャクナゲに似た木と花芽。
どんな花を咲かせるのだろう。

 
 
白嶽がだいぶ遠くに見えるようになってきた。
道すがら岩場があり、白嶽や左右の景色を楽しむことができる。
 
 

突然現れた広い岩棚。広い岩の上を自由に歩く気持ちよさ。
 
 
広い岩棚からの眺め。洲藻や空港方面がきれいに見える。
視界が180度広がった気持ちよい場所だった。

 
 
目的地の遠目岳は、地籍調査が以前行われたおかけで、木が払われていた。
 
 

帰り道にふとあった岩に書いた「山」の字。
人の気配がなかった場所で、ちょっと仲間がいたような気持ちになる。

てくてくとまたゲンカイツツジを愛でながら歩いていった。
 

 
新しいルートを歩くのは、緊張もするが、やはり歩けた充実感がある。
あらためて白嶽稜線の奥の深さを感じた今日だった。
 
 
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