白嶽(しらたけ) 〜有明山(ありあけやま)
 1人で登る  2007.11.24
 

  
場所 長崎県対馬市美津島町
長崎県対馬市厳原町
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標高 白嶽西岩峰519m
有明山585m
歩く標高差 累積 約1200m 歩行距離 約16Km
所要時間 大人
7時間半
洲藻登山口〜40分〜鳥居分岐〜35分〜白嶽西岩峰〜20分〜鳥居分岐〜30分〜三角分岐〜50分〜トンネル上〜35分〜上見坂登山口〜25分〜権現山〜45分〜佐須峠〜25分〜有明山登山口〜20分〜有明山〜60分〜厳原八幡神社
駐車場 厳原八幡神社に車をおいて(駐車料金400円)、白嶽洲藻登山口に車で送ってもらった。
データ  島もすっかり秋色になってきた。
 
スズメバチさんも、ヘビさんもいなくなった頃に歩きたい道があった。いつも登っている「白嶽」と「有明山」をつなぐ縦走路である。一人での縦走なので、早朝、八幡神社に自分の車を置いて、白嶽登山口まで送ってもらった。

 
白嶽登山口7時半。考えてみればこんなに早い時間に白嶽に登るのは初めてだ。もちろん人がいるわけがない。朝の光が射し込む小道をてくてくと歩き出す。先々週は祖母、先週は経ヶ岳、そして今週なので少々の距離は行けそうな気がしているが、無理せずゆっくり歩きでいくこととする。

 
道沿いに会う紅葉した木々に立ち止まりながら歩く。島もやっと秋が来た。山々のあちこちの葉の色が変わっている。ずっと雨が降っていないので、川沿いのモミジがまだ色づきかけの感じである。沢に水が流れていれば朝の冷えで素晴らしい色あいになることだろう。

 
白嶽の西岩峰に立つ。風がちょっと強い。山の色が変わっている様子がよく見える。今日歩く権現山方面の鉄塔がはるかかなたに霞んで見える。

 
岩峰を後にし、神社の鳥居まで下りて、三角点分岐を目指す。今日は地形図を手に持ちながら、どの道をどのように歩いているのかをしっかり把握することにする。地形図というのは実によくできている。ちょっとこっちに小高い丘がと思うと確かに出てくる。逆は急な谷だと見るとしっかり谷だ。ただ、自分の位置からばかりでなく、自分がいる地帯全体の地形を把握しなければ間違えてしまうなあとつくづく感じた。いい勉強になった。が、集中していると、出た!!ダダダッと駆けるシカの群れ! おやっ、どのシカにも角がないぞ。晩秋の発情期を終え、角が落ちたようだ。シカの雄は、角が落ちるととたんに臆病なシカとなる。角があったときの威厳と凶暴さがうそのようだ。

 
三角点分岐から上見坂登山道までは、変化に富んだ道を楽しむ。この間約1時間30分。上見坂登山口から国道を厳原方面に50mほど歩いて、右の権現山方面の道を登る。権現山はテレビや無線のアンテナが立っている。先まで行ったが、木がじゃまして遠くの山並みが見える程度である。

 
権現山からは林道歩きとなる。隠蔵寺山を過ぎると、車が停めるスペースがあり、その先はチェーンがかけてあった。車はここまでである。その後も舗装した林道歩きとなる。山道は楽しいが、この林道歩きはどうも好きではない。佐須峠に着き、休憩して登り始めると、ここからの道は落ち葉がたくさん落ちた気持ちよい並木道風である。なんか林道歩きの興ざめから心が癒されるような感じで歩く。

 
柳ノ壇山あたりを過ぎて下ると、やっと山道らしい有明山登山口に着く。ここからの道は、実に気持ちいい山道だ。今までのうっぷんを晴らすかのように、ハイペースになって登っていった。今日は誰にも会わないだろうと思っていたが、散策にこれれた団体さんとすれ違う。
私を韓国の方だと思ったらしく、
「アンニョハセヨ」
とあいさつしてくれた。
「こんにちは。寒いですね。」
日本語の笑顔つきでお返しをして、ちょっとびっくりさせてしまった。
日本人とわかると、
「この上に人がおるから、私たちはもう下りたと伝えてください。」
ことづてを預かることになった。しばらく登って出会った方に先ほどの伝言を伝えると、
「この上にもうひとり、N先生がいるから、私たちはもう下りたと伝えてください。」
またまたことづてを預かって、N先生にと思ったが、有明山に登っても人の気配はない。
頂上でしばし待ったが、N先生は姿を見せずである。ルートがちがったのかなあ。
みなさん、ちゃんと出会ったかなあ。山での伝言は難しい。

 
枯葉を踏みしめる山道の後、視界が開け、有明山山頂に飛び出る。いつもと違うルートで山頂に立つとなんとも不思議な気分だ。午後の有明山山頂の陽を浴びて、カップうどんとおにぎりをほおばった。寒い季節の山頂はどうしてこんなに食い物がおいしいのだろう。

 
腹ごしらえを済ませて、ぐっと背伸びをして、下山路へ向かう。有明山の下山路も色づいた木々が目を楽しませてくれた。いつもとまた趣の違う道である。

 白嶽から有明山へ、途中しばしの林道歩きはあるが、美しい道で楽しむことができた。
 本土遠征の前のトレーニングにいいかもしれない。

 
送ってもらったが、林道運転が怖いようなので、
早めに下りて歩くことにする。おかげで陽を浴びた岩塊を見ながら歩く。

 
 
いつもより早い時間帯。斜めに射す朝の陽が森を照らし始める。
 
 
足を止めて、道沿いの紅葉を楽しむ。
 
 
今にも折れそうに削られた木の幹。
こいつは、シカが角で削ったのだろうか。 
 角があるシカはこわいなあ・・・

  
 
西岩峰は風が強い。
でも、いい眺め。

 
 
山頂から見ると、山々の色が変わっている。
 
 
 
遠くに見える鉄塔の並びが今から向かう縦走路(白嶽西岩峰から)
 
 
自然林の美しさ、人工林の美しさ。
どっちも年季が入るといいものだ。

 
 
白嶽から、2時間ちょいで、上見坂の登山口へ。
 
 
国道を少し歩いて、権現山方面へ登り出す。 
 ここからはしばらく林道歩きだ。
  

  
権現山に立ち寄って、再び林道へ。
 

 
車は隠蔵寺山の先まで。チェーンがしてあり通行止め。
 
 
歩いていると、なんと真正面にさっきまでいた白嶽が・・・進行方向にあるのが不思議な感じ。
佐須峠を越えると、それまでの林道と違って、心地よい道になってきた。

 
 
落ち葉の絨毯が心地よい。
 秋はいいなあと心の中でつぶやく。

 
 
林道歩きが終わり、山道に入る。
この道がまた味わい深い森である。 
 
 

やがて明るくなって、ススキの有明山山頂へ。
 
 
有明山山頂に着くと、腹がなる。
時間は1時半。お湯を沸かして昼食とする。
 
 

振り返ってみる白嶽。ずいぶん遠くになったなあ。
林道で距離を稼いでいるので、思ったほどの疲れもなく、
歩きたかった縦走の道を終えた。
 

 
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