白嶽(しらたけ) 〜稜線コース〜白嶽三角点〜上見坂(かみざか)登山口
 1人で登る  2007.5.03
 
(ルートは明瞭ではありません。稜線コースは,地形図,コンパス必携です。)
 
 

三角点に向かう稜線から見た白嶽西岩峰
  
場所 長崎県対馬市美津島町 地形図はここをクリック
断面図,概念図はここをクリック
標高 白嶽西岩峰519m
白嶽二等三角点515m
歩く標高差 累積 約1200m 歩行距離 約14Km
所要時間 大人
6時間半
洲藻登山口〜30分〜鳥居分岐〜30分〜白嶽西岩峰〜15分〜稜線〜50分〜三角点〜45分〜三角点分岐〜1時間20分〜上見坂登山口〜1時間20分分〜三角点分岐〜25分〜鳥居分岐〜25分〜洲藻登山口
駐車場 白嶽洲藻登山口に5〜6台駐車可能。
データ  GWに入り,ゆっくり一日山と向き合える時間ができた。

 
今日も未知のコース。先週行った白嶽三角点を稜線づたいに目指し,その後,通常の登山道に戻り,上見坂下の白嶽登山口を往復しようとするコースである。時間にすると6〜7時間,距離は14kmほどになる。

 
白嶽登山口に着き,身支度をし,出発する。今日は少し霞みががっていて遠望は望めそうにないが,いい天気である。いつものように鳥のさえずりを心地よく耳にしながら,白嶽を目指す。西岩峰に近づくとツツジがあちこちに咲いている。このツツジ,岩肌との風景に実にマッチしている。

 
西岩峰に今日も一番乗りで到着する。今から向かう三角点への稜線沿いがよく見える。よく観察してルートのようすを頭にたたき込む。風が強いので,山頂を早々に去ることとし,稜線に出る分岐に向かった。

 
稜線に出る分岐は,登ってくる途中眼前に迫る大きな岩肌を見る場所である。この岩肌を巻くように歩き,稜線に向かう。岩肌から大きく離れないようにしながら,通れる場所を探し稜線を目指す。道は明瞭ではないが,この時期までなら藪こぎという程でもない。

 稜線に出て,少し戻り西岩峰を眺めると,なかなかの迫力だ。西岩峰からこんなに巻かずに稜線に出れないかと眼をこらすが,切り立った岩肌であり,無理のようだ。

 
稜線沿いには大きな岩がいくつもある。基本的に左側を巻くようにして進んでいく。いくつか右側を巻くがルート選択は見ればわかる感じである。先週三角点から見た岩肌の記憶と,今日白嶽西岩峰から見た岩の様子を思い浮かべながら,そろそろ三角点に着く頃だと考え出す。

三角点に近くなったであろう頃大きく岩を巻く。ここがミスだった。

大きく巻いた後,稜線に登り返すと,道がずっと下っている。
「えっ,下っているということは,三角点を巻いてしまったか・・・・?」
「調子にのって岩を巻き巻きしているうちに,枝尾根に入ってしまったか・・・・・?」

時間を見ると,予想時間よりかなりの時間を要している。頭の中の考えが混乱する。

稜線沿いを行けばよいと思い,ここまでコンパスと地図をセットしていなかった。現在地点がはっきりわからない。ただ,進行方向を見ると,三角点から南東に伸びる枝尾根に入ってしまっているようだ。

ここでの選択枝はふたつ。
@来た道を戻り,稜線に出て,改めて正規の方向に位置を取り直す。
Aある程度枝尾根を下りたと考え,地図をたよりに下ってしまう。先々週の岩場のあたりに出るはず。


水を飲んで冷静に考えた末,@を選択する。

さて,登り返しだ。登り返すと,2分ほどで稜線へ戻った。コンパスで正規の進行方向に戻ると,すぐに三角点に着いた。ということは,枝尾根に入ったばかりだったということだ。Aを選択しなくてよかったと安堵した。
歩いているのは稜線沿いだし,ずっと眺めてきた道だし,先週違うルートではあるが三角点には行ったし・・・と油断があった。方向感覚なんて,ちょっと岩を巻けば狂ってしまう。やっぱり,地形図とコンパスはどんな低山でも持っておくべきだ。

三角点で休憩し,三角点分岐から,上見坂登山口を目指す。
この道,はっきり言って期待はしていなかった。薄暗い,荒れた道であろうと予想して歩き出す。

しばらく歩き出すと,その道の明るさに驚いた。実に明るくすがすがしい道だ。
植林地帯と自然林地帯が交互に訪れ,同じ山の道かと思うほど,さまざまな道と風景が訪れる。
上見坂登山口近くになると,林道になり,面白みがなくなるが,それまでは起伏が緩やかで,心地よい登山道である。地形図で細かい起伏を確かめながら歩いてみた。対馬に来てから,地形図を見る練習がよくできているなあと感じる。

途中,昨年のものと思われるスズメバチのトラップがしかけてあり,ああ,夏場にはこの辺ばブンブンなのかなあとちょっとびびる。

白嶽はピークハントだけだとすぐ終わってしまうが,ちょっと足を伸ばせばさまざまに楽しめそうな山である。
しかし,正規のルートでないところは,相応のリスクを背負っていることは,忘れてはならない。


対馬に来て,やっとたくさん歩けたなあとうれしくなる山歩きだった。
 
 
 
登山口を出発する。たくさんの鳥の声が聞こえる。
今日はハンミョウを多く眼にした。
 

 
西岩峰から,今日歩く稜線をよく観察する。
向かいのピークあたりに三角点がある。

 
 
西岩峰から,一端登山道を下って戻る。広場を過ぎ,祠を過ぎ,しばらくすると大きな岩峰が右側に出てくる。
その大岩を巻いた後歩いて行くと,稜線に登ることができる。しかし,ここからの道は明瞭ではなく,歩けるところとを探して歩く。
 
 
稜線沿いに岩を巻きながら進んでいく。
 
 
岩とツツジの風景が随所に見られる。岩肌とピンクの花は美しいと見入る。
 
 
枝尾根から登り返し,三角点に到着。ほっとして,一息つく。
冷静に考えることが大切だなあとつくづく感じる。

 
 三角点に着く前に,植林地帯を右前方に見ながら下り出したら要注意。
枝尾根を歩いている可能性がある!!
 
 

三角点からは,南側の尾根伝いに下り,旧陸軍の碑が建つ鞍部に向かう。
そこを左に曲がり,ヒノキの林を下っていくと白嶽から上見坂の登山道に出る。
ここまでは,踏み跡があったり,ロープがあったり,テープがあったり,
かと思うと急に道が不明瞭になったりし,気を抜かず慎重に歩く必要がある。

 
 
上見坂までは明るい登山道で,変化に富んだ道が待っていた。
自然林がゆっくりと場所を分け合って自生している場所もあった。
今日一番の癒しポイントである。
 

 
上見坂白嶽登山道入り口に到着。上見坂には展望台があり,車道を歩いていけるが,
帰りの時間を考えて,今日はここまでの往復とする。

途中の「発砲禁止」の看板がリアルだ。
「発泡禁止」ならジョークですむがなどと馬鹿なことを考えながら歩く。
 
しかし,通常ゴミが捨てられていない場所には,「ゴミ捨て禁止」の看板は立てない・・・ということは・・・
 
 

上見坂白嶽登山口から見た白嶽方面。さあ,引き返そう。
 帰路はゆっくりと巡る道の変化を楽しみながら歩いた。
 

 
 
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