長崎市 七高山(しちこうさん)めぐり
 
@金比羅山(こんぴらさん)〜A七面山(今回はカット)〜B烽火山(ほうかざん)〜C秋葉山(あきばやま)〜
D豊前坊(ぶぜんぼう)〜E英彦山(ひこさん)〜F愛宕山(あたごやま)
 
 きのこさん,山馬鹿さん,hirokoさん,かなこさん,vision
  2006.01.15
立山公園付近から見た烽火山(左)と英彦山(右)
場所 長崎県長崎市
地形図はここをクリック
断面図,概念図はここをクリック
標高 金比羅山 366m
烽火山 426m
英彦山 386m
歩く標高差 .累積1300m 歩行距離 約15Km
所要時間 大人
約7時間
諏訪神社鳥居〜40分〜金比羅神社〜20分〜金比羅山〜20分〜西山高部水源地〜15分〜仏舎利塔〜15分〜健山〜40分〜烽火山〜15分〜秋葉山(秋葉神社)〜10分〜妙相寺〜20分〜英彦山登山口〜30分〜豊前坊〜20分〜英彦山〜40分〜愛宕山〜15分〜風頭公園〜15分〜若宮神社〜15分〜諏訪神社鳥居
駐車場 諏訪神社近くにいくつか駐車場がある。今回は近くのタワーパーキングに駐車。
トイレは「諏訪神社一の鳥居からすぐ上がったところ」,「健山に登る前,仏舎利塔の前の片淵近隣公園」,「風頭山」にあった。

データ  長崎では,正月から15日頃までに,市街を囲む七つの山を,家族や親戚から使用人まで一緒に登るという七高山巡りというならわしがあった。

 今回,hirokoさんからその七高山巡りをやってみたいと言うお話があり,いろいろ調べてみるがどうもよくわからない。ひとつひとつの山はわかるが山の取り付きや市街地がどうもわからない。そんなとき,強い味方が参加してくれることになった。
長崎市内在住の山馬鹿さんときのこさんだ。私の案内では遭難しそうだが,心強いお二人のリードで楽しい七高山巡りが可能となった。

 
朝8寺過ぎ。諏訪神社一の鳥居に集合する。今回,ご一緒はできなかったが,いろいろと教えてくださり,心配いただいたそよかぜ姉さんからの地図をいただく。詳細な地図でルートがはっきりわかるすぐれものだ。

 
さあ,出発。諏訪神社の階段を登ると市内の景色が見えてくる。おくんちの会場としてテレビでもよく目にするこの諏訪神社はとても雰囲気がよい。山馬鹿さんから,途中途中,見える山やその場所の由来等,おもしろい話がたくさん出てくる。立山荘の横を通ると,ここで初めて金比羅山の標識。いやいや,一人ではきっとたどり着くのに難儀したことだろう。案内に感謝。

 
住宅の横を通りながら,登山道に入る。ほどなくして,金比羅神社に。金比羅神社を抜けると,草原の広場が見えてきた。山馬鹿さんから,
「ここがハタあげの広場ですよ。あっちが金比羅山」
と指さす方を見てみると,おおっ見えた,ドンク岩。金比羅山を紹介する本にはどれものっている岩だ。山馬鹿さんから,「ドンク」とはカエルのことだと教えてもらう。なるほど,カエルに見える。
「ひよこ岩という人もいます。」
そう言われると,ひよこにも見えてくるぞ。

なんだかうれしくなりドンク岩の横を通り,金比羅山へ。

 
金比羅山山頂は,細長くとてもよい眺めだ。昨年末に開通した女神大橋と市内がよく見える。ちょっと登るとこの景色。長崎の街並みも美しい。

 
金比羅山からは西山方面に下りていく。一昨日の雨でとても滑りやすい道だ。しかし,山馬鹿さんはすいすいと下りる。いや,バランスをとって滑り降りるという優れ技だ。そして,下りは抜群に速いhirokoさんもすいすい。私は今日は滑らないぞと慎重に下りていった。
 西山ダムまで下りて,車道を通り,烽火山の登山口へ移動する。いったん山に登って,下界におりて,そして山に入る・・・なんとも不思議でおもしろい。きっと町にさまよいでたイノシシはこんな気持ちかもしれない。

 
健山の登山口近くの片淵近隣公園に来ると,きのこさんが,
「ここにトイレがあります。ここで休憩しましょう。」
実に的確な段取りに感心してしまう。

 
健山には,山馬鹿さんご愛用の通のルートを案内していただく。途中,道々にいろいろな植物があり,きのこさんの顔はほころんで植物を愛でている。

 
健山山頂に出て,烽火山を目指す。本当は七面山も七高山のひとつなのだが,なかなか寄るにしては時間がかかるらしく,やぶ道で登り返しも足下が悪い急な道らしい。今回は行ったつもりですますこととした。烽火山までの道は,最初はゆるかや,そして最後は急な道となる。この辺で,hirokoさんが,きのこさんをかなこさんの後ろに行くように促す。
「せっかくだから,楽しい話が聞けますよ」
かなこさん,実は前日いろいろあって1時間半しか寝ておらず,ここまでおとなしめだったが,ここからいつものかなこ節が炸裂しだした。そして,楽しい話を聞いているうちに,気づけば烽火山。山頂には大きな烽火台の後。ここからの眺めもすばらしい。山馬鹿さんから,ビールをいただく。重たいのにいつも恐縮しごく,感謝である。しばし,小休止し,下りの道へ。ここも滑りやすい道がところどころあるが,山慣れしたみなさんはすいすいだ。

 途中,秋葉神社に着く。そして,下って妙相寺に。妙相寺は石門が風格があり,長崎大水害の慰霊碑もあって,新旧の歴史を感じさせる場所でもあった。

 
ここからは,しばらく車道歩きとなる。笑いながら歩いていると,hirokoさんから,
「あぶないよ」
と諭される。山道を歩いて下界に下りると,まったく車が来る気がしなくて,ついつい車道も真ん中を歩いてしまうが,ここは長崎市内・・・あぶないあぶない。

 
さあ,次は英彦山だ。英彦山への取り付きは民家の横から登っていくらしい。
山馬鹿隊長からきのこ隊長へ,隊長が交代する。

 ず〜と,車道を歩いて,石の鳥居から,民家の間をぬって行く。途中,同じように道がふたつに分かれている。遠くから,きのこ隊長の声,
「山馬鹿さ〜ん,こっちぃ?それともこっちい?」
「う〜ん,こっち」
と指さす山馬鹿さん。
きのこさんは,やっばりねという顔で意気揚々と歩き出す。
「山馬鹿さん,よくわかりますね。こんな道」
「いや,上に上がればどこかに着くでしょ」
二人の隊長,いいコンビで,いい味を出している。

 
長い階段を終えて,やっと山道に。まずは,豊前坊を目指す。豊前坊へは長く趣のある石段を登っていく。登る前に見上げても迫力があり,登った後に振り返っても迫力の眺めだ。

 
豊前坊から,英彦山へ。ゆるやかな登りを歩く。
きのこさんお勧めの登山道脇になる実を紹介してもらう。頬張ると春を感じる甘い味。
進む道先から,
「わあ,見てくださ〜い。すてきですぅ〜。」
のきのこ隊長の声が山に響き渡る。

 
英彦山に着くと,きのこさんが眺めのいい場所に案内してくださった。ちょっと脇にそれた絶景の場所。おもわずみんな感嘆の声を上げる。すごい眺めだ。

 
眺めのよい岩場で昼食とする。そこで驚愕の事実がわかる。なんときのこさん,今日の私たちを確実に案内するために,数日前に他の七高山巡りの会にわざわざ参加されたそうだ。そして,デジカメで要所要所の道を写真に撮り,それを見ながら案内してくれていた。その事実を知り,もう,みんなきのこさん様様である。

 
英彦山からの眺めを楽しんで,愛宕山へ。この愛宕山への道が一番わかりにくい。林道を通り,畑を抜け,車道を通り,民家の間の階段を抜け・・・二人の案内なしではとてもたどり着けなかっただろう。

 
着いた愛宕山は,低いながらも今日一番の雰囲気のいい神社があった。苔むして,精霊たちが宿り,風がゆっくりと流れている。そんな落ち着ける場所であった。

 
愛宕山から,風頭公園,そして山馬鹿さん紹介の亀山社中を経て,現代版七高山巡りの終点である若宮神社へ。最後の道すがら感動するのは,道ですれ違う人々があいさつをしてくださることである。山道ならばあいさつはあたり前だが,普通の路地裏でのすれ違いでもあいさつを交わす。鎖国の頃も門戸を開いてきた長崎という町の風情と人情を感じさせてくれる人々の姿でもあった。

 登って,下って,市街地。登って,下って,市街地の七高巡り。車道歩きは難儀なものだが,この七高山巡りに限っては,今登ってきた山と,今から向かう山をしっかり眺めながら歩くことができ,車道も楽しく歩くことができる。それは丁度,過去を眺めて現在を思い,そして遠い未来に目をやるようなものなのかもしれない。江戸時代の七高山巡りでも人々はそんな思いを抱いていたのかなと,ノスタルジックな気持ちにさせた七高山巡りであった。

 重ね重ね,この山行ができたのも,お二人の力添えのおかげである。ルートの案内はもちろん,市内の歴史から裏情報まで楽しい解説をしてくださった山馬鹿さん。少しでもいい山旅をと,善幸のかたまりのようなきのこさん。お二人の案内あってのことである。感謝,感謝で帰路に着く。

 三人の実感!長崎の人はいい!!
 あっ,ちなみに私も長崎県人です。(笑)
 
 
 
諏訪神社を出発。
神社を抜けた車道は長崎ならではの道。
中央の木は中央分離帯。この左右の狭い間が車道である。

 
 
立山荘の横を通り,金比羅山の標識。
しばらく登ると金比羅神社に着く。

 
 
 そう,これこれ,写真でよく見ていたドンク岩。
この方向からはカエル,いやひよこ・・・・



金比羅山はすぐそこに。山頂に近づくといい眺めが広がってきた。
 
 
金比羅山からの眺め。女神大橋も見える。
 
 
滑りやすい道を用心して下りる。そして,西山へ下りる。
 
 
片淵近隣公園からかえりみる金比羅山。
仏舎利塔の横を過ぎて,健山の登山口へ。
 
 

健山の山頂を経て,烽火山を目指す。
そよかぜさんからもらった地図でルートを確認する。
この辺からかなこさんにエンジンがかかってきた。
いや,歩きではなく,しゃべりに。
 
 
烽火山に着く。大きな烽火台があった。ここで,しばし休憩する。
 
 
滑りやすい道を歩き,秋葉神社へ。
山馬鹿隊長の軽快な足取りがいい。
 
 
妙相寺に着く。石門が風情豊かだ。
しばらく車道歩き。前方の尖った山が目指す英彦山。

 
 
番所バス停近くの英彦山登山口。石の鳥居が目印だ。
階段をずっと登ってやって山道に。
 
 
途中にあった岩倉大明神
狐の人形が祀ってあった。

 
 
長い階段を経て,豊前坊へ。
 願いが叶うという石がある。

 まあ,そんなことはどうでもいい思いつつ,
やっぱりここまで来たからにはさわらせていただこう。

 
 
そして,英彦山。
きのこさん,おすすめの眺めのよい場所へ。

 
 

いやあ,これは絶景。昼食も眺めもおしゃべりも最高。
 
 
 迷路のような道を通って,目指すは前方に小高い愛宕山。
 
 
愛宕神社はなんとも雰囲気のいい神社だ。
精霊たちが守っているという感じ。

 
 
 愛宕山から下山途中,今日登ってきた山が並んで見えた。
 
 
風頭山を経て,山馬鹿さんの案内で亀山社中,龍馬のブーツ,
そして,七高山巡りの終点,若宮神社へ。

 
 
無事,七高山巡りを終えることができた。
なんとも心地よい疲労感だ。

山馬鹿さんときのこさんの案内のおかげである。
お二人に心から感謝する七高山巡りだった。
 
 
山登りTOP