経ヶ岳(きょうがたけ)(平谷から)・多良岳(たらだけ)
一人で登る 2004.4.25 |
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場所 |
長崎県大村市・高来町 |
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標高 |
経ヶ岳1078m
多良岳983m
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歩く標高差 |
.累積1100m |
歩行距離 |
約9Km |
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所要時間 |
大人
約5時間半 |
平谷登山口駐車場〜30分〜林道〜15分〜馬の背峠〜40分〜平谷越〜20分〜経ヶ岳〜20分〜中山越〜20分〜笹岳横〜50分〜金泉寺〜15分〜多良岳〜15分〜金泉寺〜5分〜西野越〜40分〜八丁林道登山口〜10分〜八丁林道駐車場 |
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駐車場 |
国道444号線沿いの平谷キャンプ場入り口に駐車場がある。バスも駐車可能。
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データ |
よぉーし,今週は遠出して県外の山に登るぞぉと楽しみにしていた週末。
金曜日に突然月曜までの大きな仕事が入る。
くぅ〜。しょうがない。郡岳〜経ヶ岳に行くぞぉ。
と気合いを入れ直す・・・
しかし,仕事は進まず経ヶ岳から多良岳に決めた。
実は,経ヶ岳は何回も登っているのだが,いつも黒木からだ。最もポピュラーであろう平谷側から登ったことはない。今回その平谷側からの経ヶ岳を目指すことにした。
子どもを留守番させて,妻と2台で車を走らせる。まず,八丁林道駐車場に1台。そして,私を平谷に送ってもらった。大村に住んでいるからこそできる自宅から登山道に家族の協力で車を置く荒技である。
平谷から出発。平谷キャンプ場の看板のところに詳しい案内がある。看板のところから山道に入る。横に沢の音を聞きながらの静かな道だ。多良山系らしいごづこつの石ころ道と木漏れ日の細い道が続く。ところどころに土石流止めの堤防がある。しばらく登ると,いったん砂利道の林道に出た。林道からまた山道に入る。植林帯をぬって登っていくと,馬の背峠に着いた。
馬の背峠からは尾根沿いに進むことになる。ここからの木々の美しさ。美林帯とでもいうのだろうか。途中大きな木がいくつもあり,大きな木を見慣れていない私はしばし見とれてしまう。上から天狗が降りてきそうだ。尾根沿いの道は,目指す経ヶ岳をちらっちらっと,物惜しげに見せてくれる。「もうすぐだよぉ。ちょっとだけね。ほらっ。」という感じ。
いくつかのロープ場を過ぎると平谷越に着いた。ここから経ヶ岳はもうすぐだ。山頂近くに岩場がある。このコース最大の難所という言われ方をする岩場だ。登りつめると,絶景が待っている。おいおい,この眺めは経ヶ岳よりいいぞ。しばし,とまって,郡岳から経ヶ岳の縦走路,先週登った琴路岳,きれいな円錐状の唐泉山,独特の形の虚空蔵山など,近隣の山々を眺める。なんか,自分の山のような気がしてくる。
岩場からほどなく経ヶ岳山頂に到着。めずらしく2人しかいなかった。まずまずの快晴。遠くの山まで見えた。
経ヶ岳から山頂直下コースを通って,中山越へ。いつもはここで休むのだが,後ろから団体さんが来ているので,今日は進んでしまえ。途中,経ヶ岳に向かう道で初めて小学生に会った。聞いてみると小学4年らしい。落ち葉に足をとられてこけながら登っていく。後ろからは山が好きそうなにこにこのおじいさんが来た。思わず,すごいよぉ,最後までがんばれ!と声をかけた。
しばらく登ると笹岳の横にでた。ここで休憩することにする。しばらくすると金泉寺側から来たおじさんがやってきた。ちょうど60前後のやさしそうな笑顔のおじさんである。しばし言葉を交わし,おじさんは横に座って休憩した。
「経ヶ岳は1時間くらいかかりますかねえ。」
「そうですねえ。そのくらいはかかりますよ。結構最後はこたえますよね。」
「そうですねえ。最後は急坂ですねえ。」
「どこから登られたんですか?」
「五家原からです。多良岳は登らずに,経ヶ岳まで登って降ります。」
その後,シャクナゲが今年はつぼみが少ないこと,金泉寺の様子等を話しているうちに,おじさんが衝撃的なことばを口にした。
「もうわしも年金生活ですからねえ。77です。」
「ええっ,77!! 60くらいにしか見えませんよぉ。」
山にはすごい人はいくらでもいるもんだ。元高校の先生で岩石を中心に研究をされていたらしい。
そういえば,私もこの間,出張先で今年で40ですと言うと,35くらいにしか見えないと言われた。この調子で登っていけば,このおじさん,いや,おじいさんくらいになれるだろうか。
お気をつけてと言葉をかけあい,笹岳の横を後にする。山腹をぬって歩いて,金泉寺が見えてきた。さあ,金泉寺だと思ってはりきっておりているとき,
「んっ!」
左足に一瞬,電気が走った。しばらく忘れていたあの膝の痛みだ。
用心して進む。金泉寺に着いてしばし考える。このまま降りるか,多良岳先の座禅岩まで行ってみるか。
私の心の中の悪魔は,
「ここまで来たなら行ってしまえ。後悔するぞ。」
と微笑んだ。まあ,行っちゃえ。やばいと思った時点で引き返す。どうも,私は雪山で引き返せず遭難してしまうタイプかもしれない。
多良岳に向かう道は,この天気とこの時期で,子連れ,夫婦が多かった。山好きの方が家族を連れてきている。中には4歳や2歳前後の子もいて,いやはや感心してしまう。
多良権現に着く。さあ,どうする。座禅岩まで行ってみるか。でも,5ヶ月前もその誘惑に負けてひどい目に遭ったんだぞ。また,私の中の悪魔がささやく。
「ここまで来て,座禅岩にいかなきゃ,来た意味ないだろう。今日は人も多いから,遭難なんてしないさ。」
結局,進んでしまった。おそるおそる足の痛みを感じないように降りる。さあ,座禅岩が見えた。なんじゃぁ,ありゃあ。座禅岩の上には人,人,人。なんとか物置のCMみたいだ。
心の中の天使が叫ぶ。
「今だ。すぐ引き返せ。痛まないうちに下山だ!」
急いで帰途に着く。金泉寺に着くと,さっきの様相が一変している。人,人,人。大牟田の高校生がたくさん弁当を食べていた。その数100人以上だ。でも,「こんにちは」と気持ちよくあいさつする高校生も多く,とてもマナーもよさそうだった。
西野越からは,慎重に降りた。あの時の悪夢の再現かと思ったが,ときどき痛むがひきづるほどではなく,無事下山完了。
オオキツネノカミソリがもう青々とし,夏の到来を待っていた。
どうも,この経ヶ岳〜多良岳で足を痛めがちだ。調子にのって歩いてしまうからかなあ。
またまた様子を見ながら,登ろう。
多良山系は人との出会いが楽しい。しばらく通っていると,この人この前も見たなあという人が何人かいた。平谷からの道は,変化に富み,山並みがかすかに見える場所も数カ所あり,人気があるのがわかる気がした。みんなから愛される多良山系。まだまだ奥は深い。
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平谷の駐車場。トンネル側に向かって登る。
看板の横から山道に入る。
平谷からは初めて登る。
初めて経ヶ岳に登るようなどきどき感がいい。
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平谷キャンプ場との分岐。
左側が経ヶ岳に向かう道。
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細い山道とごろごろの道。
多良山系らしさを感じる道が続く。
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いったん林道に出る。そして,また山道へ。
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どうもデジカメを使いきれてない。同じ場所でもこの写りの違い。
AUTOではいかんことがわかってきた。
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馬の背峠に到着。
ここからが平谷コースの楽しいところが続く。
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千年樫。中が空洞になり,3本足で立っている。
この空洞を3回くぐると長寿をまっとうできるらしい。
畏れ多くて,くぐれなかった。
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大きな木の様相が心をなごませてくれる。
平谷からの道は変化があって,あきさせない。
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美しい美林帯は続く。
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平谷越を経て,最後の岩場へ。
岩場を抜けると絶景が待っていた。
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多良岳方面
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鹿島方面
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そして,目の前に経ヶ岳山頂
違う道で登るってこんなに新鮮なんだなあ。
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経ヶ岳山頂を経て,多良岳へ。
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西野越からの下山路。
オオキツネノカミソリが夏においでと呼んでいた。
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緑が美しい頃となってきた。
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シャクナゲの蕾は少ないらしいけど,
舞岳は,人を迎えるために緑に萌えていました。
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