経ヶ岳(きょうがたけ)・舞岳(まえたけ) (記念日編)
5人で登る 2004.2.15 |
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場所 |
長崎県大村市 |
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標高 |
経ヶ岳1075m
舞岳867m
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歩く標高差 |
約750m |
歩行距離 |
約6Km |
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データ |
実は,初めてのグループ山行。しかも,私の案内。
福岡から,ひろこさん,かなこさん,コヨーテさん,ばばっちさんが長崎にやってきた。
素晴らしい山登りをされている4名の方々との経ヶ岳はとても楽しいものだった。
おまけに,今日はかなこさんの○○回目の誕生日,経ヶ岳は,何より素晴らしい空と光を私たちに捧げてくれた。この計画の主導者だった肉まんさんが,前日に足首を骨折し,参加できなくなった。それでも,福岡組の出発に車で駆けつけるなんて,すごすぎる。熱すぎる。肉まんさんの分まで,今日一日を楽しもう。HPでバーチャル登山をしてもらおう。5人組の経ヶ岳登山の開始である。
朝,空を見上げた瞬間,おもわず声を上げた。何という空だ。どこまでも青く雲ひとつない。
青い空を連れてきたかのように福岡から,ひろこさん,かなこさん,コヨーテさん,ばばっちさんが到着した。経ヶ岳に向かう道も,山々もきれいだった。萱瀬ダムから見る経ヶ岳も美しかった。
黒木駐車場に停め,大払谷に向けて歩き出す。みなさんの話の楽しく元気なこと。歩く坂のきつさも忘れてしまう。いつもは,もくもくと歩くこの道だ。今日は特に木々の間からさす木漏れ日がきれいだ。春を感じさせる光と風。早くからTシャツ一枚になる。
大払谷に終わりで,全員が来るのを待つ。下から楽しそうな声がしながら,みんな上がってくる。この大払谷はいつもひとりで登るときは一気に駆け上がる。単調な石ごろごろの道で,早く終わらせたいという気持ちからだ。この大払谷さえ,楽しく話ながら上がってくるこの人達のすごさ・・・やはり,ただものではない。
大払谷から,ツゲ尾へ。今まで考えもしなかったが,グループの先頭を行くというのは,道を間違えないように気をつけながら歩く。一人のときは,どうにかなるさと気にしないのだが,「んっ!どっちだったっけ」という場所が出てくる。テープがなくなり,ツゲ尾までの道はわかりづらくなった気がした。
ツゲ尾に出ると,北側からの風が強くなる。風が強い日は,ツゲ尾に出た途端,別世界になる日がある。今日もツゲ尾からは,雪が凍って道にまとわりついていた。ふと,ばばっちくんが,経ヶ岳の壁を見るために,右の道を歩きだした。一人で何度も登ったが,そこから,岩の南壁を見ようなどと考えたこともなかった。しかし,その南壁の美しいこと。5人で登るというのは,5人の目と感性で登るということ,発見をするということだなあとしみじみ感じいる。
アイゼンをつけ,頂上までの急登を登り,頂上に到着。頂上からの景色には,目を見はった。青い空,どこまでも澄んだ空気。ああ,肉まんさんにもこの景色を見せてあげたかった。(写真でがまんしてね。)
頂上にはたくさんの人。すわる場もない。簡単に昼食を済ませる。頂上には,パワー全開のひろこさん,かなこさんのトークが盛り上がる。その楽しい笑い声に,頂上にいた人たちもつられて笑い声を上げる。まわりの人も巻き込んで一体感をもたせてしまうこの二人のパワーはすごい。
さあ,舞岳に下ろうとアイゼンをどうするか相談していると,おじさんが一言,
「こっちの道は凍ってないから,アイゼンはいらん。これ以上,岩を傷つけてほしくなか」
山が好きな私たちはこの一言に弱い。うん,少々の氷はよけて通ればいい。山は傷つけたくはない。みんなアイゼンを外して,下り始める。しかし,5mも行くと,おじさんの一言が間違いだったことに気づく。
「おっちゃ〜ん。びっしり凍っとるやないけぇ〜。わてら舞岳方面に下るんやでぇ。」
思わず,心の中で関西弁で叫んでしまった。私はあえて言う。怪我よりも岩をうんぬんする助言はするべきでない。初心者の場合だってあるのだ。
舞岳に向かう道々では,経ヶ岳,多良山系の山々が格別に美しかった。青い空に浮かんだ山々。何度も景色を眺めるために立ち止まる。コヨーテさんは,花や木々についていろいろ話をしてくれた。植物にまったく無頓着な私にはとても興味深く,コヨーテさんのやさしさを感じた。
舞岳から下る道は何度通っても,「んっ!」と思う場所に出る。尾根を逆にとる箇所があって,ここは,数メートル歩いて,はっと気づく。あっ,こっちじゃない。テープが自然をそこねるという意見もあるが,間違えやすい場所には,テープはあってもいいかなあと思う。
八丁林道に出て,黒木駐車場に向かう道は,今日登った山を振り返りながら眺められる。今日の経ヶ岳の姿は圧巻だ。何度も何度も振り返った。
初めてのグループ山行。しかも,ルートの先導。素晴らしいメンバーのおかげで,無事下山完了だ。
5つの心と5つの目で心に刻んだ経ヶ岳。
そう,今日は,私にとって,初めて経ヶ岳に登った日から丁度1年に当たる。
かなこさんの誕生日とともに,私にとっても経ヶ岳との出会い1年目の誕生日だった。
息を切らし,山に負けたと思った一年前の2月15日。どうにか,人を案内できるまでに,経ヶ岳が成長させてくれた。
すばらしい山の旅をありがとう。ひろこさん,かなこさん,コヨーテさん,ばばっちさん。
感謝です。グループ山行はふたつの感謝の心を持てる。ひとつは山に。ひとつは人に。
そして,ふと気づけば,ここ数ヶ月懸念の足が痛まなかった。4人のパワーと癒しにまた感謝。
また,一緒に登りましょう。今度こそ,肉まんさんも。
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明るい日射しを浴びながら,進む道 |
大払谷に明るい声が響き渡る |
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ツゲ尾から先は別世界。凍った雪の上を進む。
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自称「けもの」の彼は雪などものともしない。
「もうすぐ,そこが山頂だよ。」
と言うと,
「えっ,じゃあ,先にどうぞ。」
礼を重んじ,人を愛する。
けものどころか,今の人間が忘れかけているものを心に秘めた好青年である。
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山頂に到着。
コヨーテさんのマンサクを見つめる目,自然を心から愛する人だ。
そして,この二人の明るい声,頂上を占領した。いや,征服だ。
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頂上からの眺めは格別。全ての煩悩を焼き尽くす。
雲仙の山々も,佐賀,福岡に至る山々も澄んで見えた。
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素敵な笑顔と青い空。
もう,何もいらない。
幸せだぁ〜
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時々の岩場,鎖場も変化があって楽しい。
振り返る経ヶ岳はまた,威風堂々。
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多良山系の山々に立ち止まっては見とれる。
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また,来ましょう。
シャクナゲの花の咲く頃。
肉まんさんの全快を祝って |
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(コヨーテさんから頂いた写真借用します。)
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