星生山(ほっしょうさん)〜久住山(くじゅうさん)
1人で登る 2008.12.27
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木々が薄化粧していた星生山 |
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場所 |
大分県九重町
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標高 |
星生山 1762m
久住山 1787m |
歩く標高差 |
.累積800m |
歩行距離 |
約10Km |
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所要時間 |
大人
約6時間 |
ゆ休憩っくり歩いたり、写真とったり、雪道だったりだったので、時間は参考までに
牧ノ戸登山口〜1時間10分〜扇ヶ鼻分岐〜30分〜星生山〜50分〜久住別れ〜20分〜〜久住山〜20分〜御池〜2時間〜牧ノ戸登山口 |
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駐車場 |
牧ノ戸に駐車場。トイレは凍結防止のため、1箇所ずつ使用可能だった。
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データ |
年末は何としても本土の山へ。仕事はなんとか片付けたが、どこの山に行くかも考えていない、道具の準備もしていない。帰宅後急いで取りかかり、準備完了は夜中の2時過ぎ。3時起床で4時30分のフェリーに飛び乗った。頭に浮かんだのは祖母・傾、九重連山、由布岳、多良山系である。2日間登れそうなので、今回は1日目に久住山、2日目に由布岳に登ろうかとフェリーの中でまどろみながら考えた。
まずは久住である。この冬場どこかの宿泊施設に泊まる手もあるが、せっかくなので極寒テント泊をしてみようと考える。もともと用心深いタチなので、冬用のシュラフに、インナーのダウン等々、凍えない装備はあったので、試してみることにした。
テントを張った場所はとあるキャンプ場。見晴らしのよい草原地帯であるが、風が吹くと防ぐものはない。しかし、ここから見える祖母・傾の山容がたまらないのである。
空が茜色に染まりだした頃、かんたんな夕食をとる。日がかげると気温はどんどんと下がっていく。あっというまにマイナス10度。外で食事するにはちょっとつらい温度だ。目だし帽を被ってどうにか寒さがしのげた。テント内で7時を過ぎるともう眠くなってくる。そう言えば前日は寝てなかった。外気温は夜中にマイナス12度、テント内でもマイナス8度まで下がったが、冬用のシュラフ恐るべし、ぐっすりと眠ることができた。ただ、テント内の結露はひどく、すべての小荷物をビニール袋に入れておいてよかった。夜中に顔が冷たく、シュラフからは口の部分だけ出して、すっぽり蓑虫状態の夜となる。風の音しかしない夜、いいものである。
朝5時半に起きてみると、テントの外側はばりばりに凍っている。さて朝の紅茶を飲もうと水の入ったペットボトルを取り出す。気温が低くて水が凍ってしまうのを心配して、魔法瓶への水も用意していたが、その必要はなかったようだ。しかし、ペットボトルのフタを空けて、外気にさらした瞬間、
「えっ!」
中の水の表面が一瞬にして凍ってしまった。凍ってしまわないうちにと思って、カップに水を注ぐと、
「ええっ!」
カップに注いだ水は、底で跳ねて、一瞬に凍りついてしまった。
防寒しているので体感としては寒さはたいしたことないのだが、物質にとってはマイナス10度を過ぎると別世界である。
朝焼けを堪能して、牧ノ戸登山口へ。冬の久住は初めてであり、その寒さはいかなものかと思っていたが、天気もよく、日中の気温もさほど低くなかった。ただ歩き始めはマイナス10度前後であり、いつもは着ないフリースも着て歩き始めた。
登り出すと、舗装してある階段状の道が凍っている。これは難儀である。登りはまだよいが、この道を下るとなると、ちょっとぞっとした。
沓掛山を経て、心地よい黒土の登山道を踏みしめる。黒土は凍っていて、かえって歩きやすい。ただ日陰の部分の道はカチンコチンに凍りついていて、うっかりするとすべりそうになる。
星生山が見えてきた。頭の部分が白くなっている。ちょっど、白い帽子をちょこんとのせたようである。星生山から久住分かれに向かう岩場が凍っていそうでどうしようかと思ったが、アイゼンもあるし、せっかくの白い雪を踏んでみない手はない。
低木がある道を過ぎて見晴らしがよくなると、星生山の北側斜面が真っ白になっている。木々に氷の妖精たちがびっしりと着いたようになって、さまざま模様で楽しませてくれる。この白い道がとてもうれしいのである。冬しか味わえないこの道をゆっくり楽しみながら歩いていく。
星生山の山頂でゆっくり休んで眺めを楽しんだ後、岩場を巡って久住分かれに向かう。アイゼンを使う、絶好の機会であったので、装着して下り出す。久しぶりのアイゼン歩きのぎこちなさに自分でも苦笑いである。そうそう、もっと足を上げて歩かねば・・・
久住分かれから久住山へ。天気もよく、この冬場であるが、結構な人達が登ってくる。山頂はさすがに風が強く、南側斜面側に座っての昼食とした。天気がよく、遠くまで見える。祖母・傾や阿蘇がすぐ近くに見える。雲仙も平成新山・国見岳と九千部岳あたりがちょこんと頭を霞みの中から出していた。
もっと歩きたかったが、次のキャンプ場に入る予定もあるので、凍った御池だけを見て、下山することにした。御池の縁は少し溶けているところもあったが、凍った御池の姿、圧巻である。
下りの道では山々を振り返って何度も楽しんだ。冬の久住でこんな風もたしてなく、穏やかな日はそうないだろう。山と空に感謝しながらの下山路だった。
テントを張っていた場所に戻って、乾かしたテントを回収した。近くの牧草地帯では野焼きの真っ最中である。いやいやテントが野焼きの中に無くてよかった。次の宿泊地に向かって車を走らせた。
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祖母・傾山系を眼前に眺めながらのテント泊。寒いけど、外でずっと眺めていたくなる。
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マイナス12度では、注いだ水が途端に跳ねて凍った。
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ぴんと張りつめた空気の朝が来た。朝焼けを眺めながら、一人だけの紅茶もうまい。
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牧ノ戸登山口から登り始める。途中に見る霜柱の長さにびっくり。
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星生山に向かう尾根道は雪が残っていた。
雪道をさくさくと踏む楽しさよ。
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木々に張り付くさまざまな形の氷の芸術。風と雲と寒さの合作である。
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星生山山頂。山頂標識も凍りついていた。
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星生山から星生崎方面へ、尾根をたどっていく。
凍った道と雪がきれいだ。
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星生崎を過ぎ、久住別れから、久住山へ向かう。
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久住山に到着。たくさんの人が登ってきた。
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南側斜面からの眺め。祖母・傾も阿蘇もすぐ近くに見える。
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凍った御池。美しい。縁はちょっと溶けかかっているところもあった。
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下山後、テントを回収に行く。
近くで野焼きがあっていたので、ちょっとびびる。
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天気のよい冬の久住。星生山の白い帽子が印象的だった。
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