黒土山(くろつちやま) 〜白嶽(白岳)(しらたけ)
1人で登る  2009.04.5

 (三角点分岐から黒土山まで道はありません。コンパスと地図必携でルートを選びながら歩く必要があります。) 

 有明山から見た白嶽の稜線
  
場所 長崎県対馬市美津島町
地形図はここをクリック
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標高 黒土山499m
白嶽西岩峰519m

歩く標高差 累積 約1000m 歩行距離 約9Km
所要時間 大人
6時間
洲藻登山口〜30分〜鳥居分岐〜30分〜三角点分岐〜30分〜三角点鞍部〜60分〜黒土山〜40分〜三角点鞍部〜20分〜三角点分岐〜30分〜30分〜鳥居分岐〜30分〜白嶽西岩峰〜60分〜洲藻登山口
駐車場 白嶽洲藻登山口に駐車可能
データ  たぶん今季最後のやぶ道。今季のうちに歩きたかったルートがある。それが、この黒土山までのルートである。

 白嶽は北東から南西に長い稜線を形作っている。北東の遠見岳から南西の黒土山まで、直線距離で4kmほどである。道はないので、やぶの中をコンパスを頼りに進むこととなる。昨年の4月、白嶽から北東側の遠見岳まで歩いた。課題として残しておいた南西側の黒土山にいよいよ挑戦と相成った。

 
朝9時発、駐車場には車なし。この山域に一人きりである。登山道を歩くときはそうでもないが、今日ようにやぶに突入する日は気も引き締まる。何かあってはいけないのである。何かあっても誰も助けてはくれない。自己責任の世界である。決して誰も通らない場所に入る緊張感が体を包む。

 
三角点分岐からシダの道をかき分けて、ヒノキの植林帯を登って行くと、三角点手前の鞍部に着く。ここには陸軍の石標が残っており、自然林が豊かな場所である。この白嶽稜線で実はとても好きな場所である。西側に切り立った山腹には豊かな自然林がその姿を現し、山の精と対話ができるようなそんな気持ちにさせてくれる場所である。

 
さあ、未知のルートに突入だ。地形図で見ると緩やかな稜線を歩く感じであり、さほどのことはないと踏んでいたが、道は歩いてみないとわからない。草はないものの倒木と落ち枝に悩まされる。時々顔を打つ枝にしばし「痛た・・・」と立ち止まる。枝をかき分け進むと、登山道のような場所に出て、しばらくするとまた枝をかき分けといった感じである。稜線歩きは簡単そうであるが、少し岩を巻いたりすると、枝尾根に入ってしまうこともあり、コンパスで慎重に方向を確かめながら歩く。猪の掘りかえした跡が点在し、所々鹿のフン。歩きやすいと入る道も鹿道かもしれず要注意である。

 
途中、何ヶ所か眺めのよい岩場がある。そこに上がって見ると、白嶽三角点の岩が見え、黒土山方面がしっかり確認できる。地形図で確認しながら、どうやらここが黒土山だろうという地点に着いた。山頂は眺めのよい岩場で、北側に開け、阿連方面が見下ろせる。また、白嶽三角点が遠くに見えて、結構歩いて来たなあと実感できいい山頂である。山頂はゲンカイツツジがまだ咲いており、春の陽気と小鳥の声が快い空間だった。

 
しばし休憩して、来た道をたどり、白嶽に登る。山頂は暖かく、風もないので、独り占めの昼食タイムとなった。いろんな昆虫が上昇気流に乗って飛来し、ズボンに止まる。名前はわからないのだが、次から次へとやってきた。山頂にはゲンカイツツジがまだ残り、その横でチョウセンヤマツツジが蕾を膨らませていた。

 これから白嶽はチョウセンヤマツツジが岩場に咲く、一年で一番きれいな季節に入る。対馬ならではの新緑の萌えるような緑、岩場に彩りを添える花を愛でて楽しむ季節がまた巡ってきたなあ。

 
登山道にはいっぱいのタチツボスミレ
 
 
鳥居分岐をそのまま直進し、30分で三角点分岐に出る。
 
 
シダをかき分けながら進んだあと、植林帯を進み、三角点手前の鞍部に着く。
 
 
鞍部は自然豊かな森である。
座って休んでいってくださいと妖精が誘っているかのような木がある。
 
 

枝に打たれながら稜線を外さないように歩く。時折開けたり、獣道があったりと、
変化がある道である。

 
 
眺めのよい岩場に出て、これから向かう稜線を確認する。
まだまだあるなあ。
 
 

同じ岩場から振り返って見る白嶽三角点方面の露岩。 
 
 
もうひとつ眺めのよい岩場を経る。
岩場付近のゲンカイツツジがきれいである。
岩場に映えるこの色合いだ。
 
 

しばらく歩いて、黒土山に到着。
標識がないのだが、地形図で確認するとどうやらここのようである。
 
 
黒土山から振り返って見る白嶽三角点方面の岩。
 
 

黒土山から北西方面の眺め。
 
 

帰り道は、稜線を見失わないように山腹を歩くと歩きやすいが、迷わないように要注意。
空洞になっても、たくましく生きる木に自然のたくましさを感じる道。
 
 

白嶽山頂を独り占めで昼食タイム。
 
 

白嶽山頂には次の花が彩りを添えようと準備万端のようだ。
 
 
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