犬ヶ岳(いぬがたけ) 〜 求菩提山(くぼてさん)縦走
肉まんさんの快気登山
 
 2人で登る (コヨーテさん,vision)途中で合流予定だったhirokoさん,かなこさん,肉まんさん
  2004.5.22
犬ヶ岳に登る途中から見た求菩提山
 
場所 福岡県豊前市 地形図はここをクリック
断面図,概念図はここをクリック
標高 犬ヶ岳1131m
求菩提山782m
歩く標高差 .累積960m
(今回は1410m)
歩行距離 約10Km
(今回は12km)
所要時間 大人
約5時間半
(今回は
6時間半)
犬ヶ岳登山口〜45分〜経読林道〜30分〜笈吊岩〜30分〜犬ヶ岳〜30分〜一ノ岳〜40分〜杉の宿跡〜30分〜虎の宿跡〜40分〜求菩提山〜15分〜上の駐車場
駐車場 犬ヶ岳登山口に立派な駐車場,トイレもあり。20台強駐車可能
データ  思い起こせば,3ヶ月前。
 初めてのグループ山行の経ヶ岳。福岡から来るはずだった肉まんさん。予定の前日に求菩提山で足を骨折し,これなくなった。そのときのメンバーで是非快気登山をと頃合いをうかがっていたが,ついに決行の日が来た。どうせみんなで登るなら求菩提山へ。そして,その後,かなこさんの素敵な計らいで自宅でのお祝いとなった。

 肉まんさんはリハビリ途中ということもあって,肉まんさん,かなこさん,hirokoさんは,求菩提山に登り,一ノ岳方面へ行けるところまで。コヨーテさんと私は,犬ヶ岳から一ノ岳。そして,求菩提山の縦走路へ。きっと途中で合流するはず・・・ 山女パワフルhirokoさんの完璧な計画だった。

 が,私達がやってしまった・・・・(汗)

 求菩提山の上の駐車場から犬ヶ岳駐車場へ。ここへ来る途中,コヨーテさんと話していた。
「visionさん,ヘッドライト持ってます?」
「持ってますよ。でも,大丈夫でしょう。」
「ツェルトもありますよ。どうしようかなあ。」
「いらんでしょう。軽くしていいですよ。」
これは布石だったのか。

 
犬ヶ岳登山口から出発。立派な駐車場がある。今回はウグイス谷コース(左回りコース)で登ることにする。コヨーテさんは私と同い年。どうみてもみかけは彼が若いが・・・ 昭和39年生まれ39歳,厄年二人の山行である。厄年二人だから何かあるかもと冗談まじりに思っていた。

 
出発してから,しばらくは途中の緑が美しい。やがて,舗装してある林道が2つに分かれていた。
 ここで考える。(実は考えなくていいんだか,右が犬ヶ岳登山道と立派に書いてある。) 犬ヶ岳には,ウグイス谷コース(左周り)と恐淵コース(右周り)がある。今日行きたいのは,ウグイス谷コースだ。地形図を見て考える。砂防堤防の位置,地形の様子。
「うん,コヨーテさん左の林道だ!」
コヨーテさんを無理やり納得させ,左の林道を進む。しかし,あれ,もう舗装林道が消えたぞ。もうちょっと行ってみよう。あれ,道が崩れているぞ。これ,もともと道があったんじゃない。地図を見ながら,もうちょっと,もうちょっとと進む。人間戻ることが難しい。たまに黄色いテープもある。そして,いよいよ道がなくなった。ここで,コヨーテさんのGPSの登場。
「visionさん,今,ここですね。」
コヨーテさんが指さす位置は,しっかり登山道を外れていた。
そんなこんなで1時間もロスしてしまった。みなさん,コヨーテさん,ご迷惑をおかけしました。

 
普通の登山道に戻ると,迷いようがない立派な道。しばらく舗装林道を歩き,気持ちのよい山道となる。緑がとても美しい道だ。そして,だんだん傾斜がきつくなり,展望が開ける。後で歩く求菩提山がよく見える。あの辺を肉まんさん達は歩いているのかなあと思うと,ちょっと焦ってきた。
 私が先に歩き,コヨーテさんが後にぴったりついてくる。
「コヨーテさん,もっと歩けるんだ。よし,私ががんばって,時間を短縮せねば。」
息をきらし,いつもより速いペースで登っていく。

 
もう,息が切れてだめだぁ。と思う頃,コヨーテさんが,花を見つけ,写真を撮ったり解説をしてくれる。それがないと私きっと倒れてました。(笑)

 
経読林道に出て,林道をしばらく歩き,ベンチのあるところから,笈吊峠をめざす。ここの道でも,コヨーテさんはぴったりついてくる。もう,F1レースのテール・テゥ・ノーズ状態だ。コヨーテさん,同じ年なのにすごい。私負けました。

 
笈吊峠から,笈吊岩へ。その昔山伏が,荷物を置いて登るしかなかったという岩場だ。今は,しっかり鎖がある。ちょっと滑りやすい岩を身長に登る。思った程ではないが,油断大敵の岩だった。

 
尾根筋に出て,犬ヶ岳を目指す。この尾根はシャクナゲの木がすごかった。もう,これ全部咲いてたら,どうにかなってしまうでしょうと言う感じ。腰を落としてくぐる程生い茂っていた。

 
さあ,そして,最後の犬ヶ岳の登りへ。ただがむしゃらに登っていく。何人かの方を追い抜いた。それでもコヨーテさんはぴったり後ろだ。

 
やっと,犬ヶ岳山頂へ。かなり体力を消耗した。あの迷った1時間とオーバーペースで,犬ヶ岳は結構きつい山として記憶に残るだろう。

 
山頂は何名もの方が休んでいらっしゃった。ふう〜と息をつきベンチに座る。きつかったねぇと声を掛け合いながら,昼食。さっき,追い抜いてきた方が頂上に着き,話しかけてこられた。
「さっき,追い抜いていった方々ですよね。速いですねえ。登山部ですか?」
心の中で,39歳の登山部はおらん。といいたかったが,ちょっとうれしかった。
「いやいや,後からくるコヨーテさんが,ぴったりついてくるので,急がなきゃと思って・・・」
「えっ,私は,えらいvisionさん速いなあと思い,ついていくのに必死でした。」

「えっ!!」


 結局,二人ともとても無理していた。(笑)
 
もういいや,遅れを取り戻すにはやめようと,ゆっくり歩くことに決めた。だって,厄年だもの。
 
ヘッドライトも,ツェルトもあるし・・・・

 山頂は,細長い平地になっており,避難小屋がある。周りに木々があり,眺めはないが,犬ヶ岳の前後の眺めはとても気持ちよかった。

 
犬ヶ岳から一ノ岳に向かう。ここからの縦走路が素晴らしい。空と森と道がマッチしていて,とても気持ちよかった。強い風に洗われたようなむき出しの木々があったり,ブナの心地よい林があったり,求菩提山や英彦山方面の山々も美しい。

 
一ノ岳からは南側からの展望がよく,山々がきれいに見えた。

 
そして,求菩提山の縦走路へ。こちらの道は期待していなかったのだが,もう,ため息のブナ林や自然林の中を歩ける。そう,ドラマに出てくるような美しい道だ。CMで白い服の女性が音楽に合わせて駆けていくような道と言えばいいのだろうか。途中のピークの杉の宿と虎の宿にはベンチもあり,ゆっくり半日くらいくつろいでいたいような場所だった。

 
そして,求菩提山に到着。ここでやっと肉まんさん達に連絡が付いた。遅れてごめんなさい。
 でも,二人はがんばりました。どれくらいがんばったかというと,「ばばっち」さん&「ごえもん」さんが乗り移ったかのようにがんばりました。気持ちはね。(笑)

 
肉まんさんのお礼参りもしっかり済んだだろうと思いつつ,仲良く二人で記念写真。
 求菩提の石段は鬼の鐙と言われ,なかなか下るには怖い石段だった。快気登山に来て,怪我しちゃもともこもないと思いつつ慎重に下った。

 肉まんさん,hirokoさん,かなこさんは,ひとあし先に温泉へ。

 
そして,夜はお祝いの宴をかなこさん宅で。かなこさんの日本アルプス及び花講座のスライドを鑑賞し,もう,夜には犬ヶ岳を忘れ,日本アルプスに登ったような気持ちになっていた。hirokoさんの話に腹を抱えて笑う。コヨーテさんと今日の反省会。無理して登るとばてる。標識は信じよう。肉まんさんとははじめて会ってゆっくり話した。ごえもんさんも到着,遅くまで楽しく話が続いた。

 山の後,仲間と話がゆっくりできるのはとてもよい。泊めてくださったかなこさんありがとうございました。綿密な計画のhirokoさん,お疲れさまでした。

 
たぶん一人では行こうと思い立てなかっただろう犬ヶ岳。いい山でした。
 

 
 
犬ヶ岳登山口。立派に駐車場に立派なトイレがある。
看板類もとても整備されている。
こんな整備された山で迷う人はそういまい。
 
 
 
問題の分岐点。標識はちゃんと右と書いてある。
分岐を左にとってからは,なんじゃあこの道はあ。
って,はよ気づけ。
 
 
 
みっ,道がない!!

いや,これは道があったけどくずれたんだ。
思いこみは怖い。
自分が間違うはずがないという勘違い。
 
ねえ,やっぱ引き返そ。
 
 
 
 標識通りに行く道は,とてもわかりやすいものでした。
 1時間もロスしてしまって,振り出しに戻る。
 
急坂を登り,経読林道へ出る。
  
  

 
ベンチのあるところから,また登山道に入る。
ここからはジクザクにきりながら,笈吊峠を目指す。
息をきらして,オーバーペース
 
 
笈吊岩に到着。3点確保で慎重に。

 
 
 
シャクナゲの木がたくさん。後ろの眺めも格別。
 
 
さあ,犬ヶ岳はもうすぐだ。
 
 
犬ヶ岳山頂に到着。もうヘロヘロ。
 
 
犬ヶ岳から,一ノ岳へ。美しい縦走路。
二人で歩くとモデルは相手しかいないので,
お互い専属カメラマンのように撮り合う。


ただし登りは後に歩こう。
だって,前に歩いた人の写真はケツアップが多くなる。(笑)
 

 
 
 
一ノ岳からの眺め。山々が美しいかったあ。
 
 
一ノ岳から求菩提山への縦走路。
これまた美しい自然林が続く。


いつかゆっくりベンチに腰掛けて,
半日過ごしてみたいような場所だ。
  
  
 そして,求菩提山。
肉まんさん達はもういなかった。
ごめんね。遅くなっちゃって。

 
 
鬼の鐙を歩く。
慎重に。
 
 
 駐車場には,hirokoさんの車はもうない。
と,私の車のワイパーに置き手紙。

hirokoさんのこういうところが好きだあ。
 
 
39年生まれの39歳二人旅

夜はかなこ邸で,快気登山の宴。
楽しく,笑いに包まれ夜は更けていきました。
 
 肉まんさんよかったですね。
とてもいい仲間たちです。

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