蛤岳(はまぐりだけ)・背振山(せふりさん)縦走
 4人で登る (hirokoさん,コヨーテさん,ごえもんさん,vision)
  2004.4.29
鬼ヶ鼻岩から見た背振山方面
 
場所 福岡県・佐賀県
いったりきたり
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標高 蛤岳863m
背振山1055m
歩く標高差 .累積1200m 歩行距離 約16Km
所要時間 大人
約8時間
林道登山口〜100分〜蛤岳登山口〜30分〜蛤岳〜100分?〜背振山〜90分?〜椎原峠〜20分〜鬼ヶ鼻岩〜90分?〜椎原方面の林道登山口
(話に夢中で時間はちょっと自信ない)
駐車場 林道登山口に数台横づけ可能
データ   
 4日前の金泉寺で,膝が痛んだのにも関わらず,多良岳に行ってしまった。
きっと俺は冬山では遭難するタイプだと思った。今回は無理はしない。もう,冬山で遭難しそうな自分とはさよならをするのだ。
 そんな決意のもと,背振山に出発した。

 
2トン車通行禁止のぐねぐね道の坂本峠を越え,佐賀橋のバス停に着くと,すてきな笑顔が待っていた。
 背振山の縦走路完全踏破を達成したやさしき鉄人コヨーテさん。木曜日に欠かさず山に赴く明るさいっぱいの晴れ女hirokoさん。山を疾風のように駆け抜ける思慮深き超人ごえもんさん。あいさつをして,コヨーテさんの車に乗り込み登山口へ。

 
今日はコヨーテさんの案内で,蛤岳から背振山への縦走の予定だ。私は,蛤岳まで一緒に行って,その後下山するつもりだ。とても縦走は無理だ。膝が痛めば迷惑をかけてしまう。こんないい人達に迷惑をかけてはならない。心を鬼にし,鉄の意志で出発した。

 
最初はゆるやかな林道を歩く。話ははずみ,笑いが絶えない。みなさんと会うのは2回目。でも,何回も会ってお互いをよく知っているような気がしている。HPを通じてお互いの様子をいつも見合っている。よけいな気を遣わなくていい。いい人達だ。ごえもんさんとは鶴見岳山頂で会って以来だ。今日はゆっくり話ができて楽しかった。やさしくて人を気遣う心を持った青年。またまたファンになってしまった。hirokoさんも明るく話題がつきない人だ。もう,親戚の人みたいな気持ちがする。林道を歩きながら,コヨーテさんが花や植物の説明をしてくれる。よし,今日はコヨーテさんのレクチャーで花に詳しくなろう。植物は小学校2年生のときに,テストで30点をとって以来,苦手である。

 
花の説明をしながら,コヨーテさんは,タラの芽やわらびを摘む。なんと,山頂でてんぷらをするつもりだという。そりゃうまそうだ。あっ,でも,私は蛤岳までだったっけ。

 
明るい太陽の光と風を浴びながら,蛤岳登山口へ。ここからは蛤水道沿いの道を進む。思ったよりもしっかりした水道にびっくりした。立ち止まって見入る。ごうごうと流れる水の音も心地よい。

 
30分ほどで,蛤岳に到着。
「これこれ。何度も写真で見た蛤の岩」

なかなか眺めがいい。ここまではなんか歩いた気がしない。でも,ここまでだ。足が不安だ。
「楽しかった。じゃあ,私はここまでにします。」
と心を鬼にして告げる。
「ええっ,でもここからまたあの林道を戻るの?結構かかるよ。」
hirokoさんの声。
それから,やさしいみなさんは,どう降りるのが一番か,表示板を見ながら相談してくださった。
「でも,迷惑をかけてしまうと申し訳ないので。」
「ううん,戻るより,先に行った方が楽じゃない。そうだ。足が痛んだら,visionさんは,背振山で待っておいて,下山後に車で迎えにくるっていう手がある!!」

なんとやさしい言葉。鬼のように決意を固めていた私の心はぐらぐらと崩れた。
「やりましょう。がんばります。」
やっぱり,冬山で遭難するタイプだ。

 
蛤岳から背振山への縦走路は,とてもとてもとても気持ちのよい道だ。山をのんびり歩くというのはこういう道のためにある言葉だろう。木々は美しく,ゆるやかな落ち葉の小道,空は青く,小川のせせらぎを越える。初めての背振山系の道に,まったく感動してしまった。いい!ちきしょう。背振最高!!(某ばばっちさんの言い回しに似てしまった。)

 
背振山に近づくと丸木で組んだ道に出た。ここからの眺めがまた素晴らしい。ミツパツツジの群生地で,ところどころ咲いている。満開だったら,もう気が狂いそうだ。(あれっ,また某ばばっちさんの言い回しに似てしまった。)

 
背振山に着き,少し下の広場で昼食をとることにした。
 おもむろにコヨーテさんがてんぷらの準備をはじめた。油,小麦粉,箸,ガス,コンロ。完璧な準備と演出だ。コヨーテさんの準備の手際よさに感心しながら,残りの3人は手伝うわけでもなく,その姿をおかずにおにぎりをぱくぱく食べていた。(笑)
 林道でとったタラの芽とわらび。採れたてのあげたて。これがとてつもなく,うまい!!
 よくぞ,てんぷらにするなどということを思い立って下さった。これはくせになりそうだ。コヨーテさんと登るときは,それとなくまたリクエストしよう。ありがとう,コヨーテさん。また,作ってね。

 てんぷらをひとしきり食べたとき,コヨーテさんがみんなに聞いた。
「あれ,みんな昼はとらないんですか?」
3人,目を見合わせる。
「あっ,あのう,コヨーテさんの準備中に,みんな済ませてしまいました。」
まったく図々しい3人である。

 
背振山から椎原峠に。この道も美しい。もう,歩くことがうれしいとひたすら感じる美しい道だった。ミツバツツジが群生し,長い長い花のトンネルが続く。まだ,咲いている花は少なかったが,これが満開なら,とてつもなくすごいだろう。途中途中,コヨーテさんが見つけた花を解説してくれる。ふむふむ,そんな名前なのか。しかし,3歩も歩くと名前を忘れてしまう。こりゃ,素晴らしい説明も猫に小判だ。

 
椎原峠を過ぎ,鬼ヶ花岩に向かう。ここからの眺めがまたまた素晴らしい。切り立った岩の上から眺める福岡市方面。ゆっくり休憩して眺めを楽しんだ。

 
そして,下山路へ。この道が渓流の横を通る道でとても心地よい。ずいぶん歩いて疲れているはずだけど,ずっと歩いていたい気持ちになる。こんな道を案内してくれたコヨーテさんに感謝,感謝である。とても自分で来てもわからないだろう。案内してもらう山行もいいなあ。

 気がつくと,あんなに心配していた膝も痛まなかった。この御三方のパワーとやさしさのおかげだ。途中途中で,膝が大丈夫か声をかけてくれる。ごえもんさんにいたっては,サポーター,テーピンク゜テープもありますよと声をかけてくれた。
 縦走できてよかった。こんなに気持ちがいい背振山系とは思わなかった。ゆっくりまた歩きにこよう。山頂まで何分とか,いま何時とか,時を忘れさせてくれるような道の連続だった。

 
すてきな山旅ありがとうございます。3人に感謝しながら,帰路に着いた。


 
 
蛤岳。いつも写真で見ていたものが目の前にあると感動する。
あっけなく,縦走につき合うことにした。(笑)
 心の中では最後まで行きたかったかなあ。やっぱり。
 
 
さわやかな眺めにはさわやかな青年がよく似合う。
いちいちポーズとってくれてありがとね。
絵になるなあ,ごえもんさんは。。
 
 
 
こまかく,心やさしきお三方。
美しい縦走路。こんな山道を歩いてみたかった。 
 
 
 コヨーテさんの花のレクチャーに聴き入る。
しかし,詳しいなあ。
よし,花の写真だ。
ええと,花の名前は・・・忘れた・・・○○スミレ・・・・

 
 
背振山近くの木道。ながめが格別だった。
  
  

 
そして,背振山頂へ。

 
 
遠くには雲仙,多良岳も見えた。いい眺め。
 
 
待ってました。てんぷらタイム。
本当にうまい。これはクセになりそうだ。
ちなみにコヨーテさんは油をペットボトルに入れてきていた。
間違えて,ぐいっと飲まないようにラベルもはがしていた。
うーん。思慮深い。
私なら,山道で,ぐいっとやってしまいそうだ。


ほんとにうまかった証拠をお見せしましょう。
 
ねっ,うまそうでしょ。
笑いがとまりません。
ちなみに,やらせではありません。
  
  

 
花のトンネルを抜けて,まだまだ続く美しい縦走路
  
  

 
そして,鬼ヶ鼻岩へ。
これまた絶景。嘆息だ。
  
  

 
気持ちよい沢沿いの道を下山する。
  
  

 
下山途中にあったメタセコイア。
杉のようにそびえ立っていた。生きた化石とも言われる。
緑が美しい。 
 
 
  

 
すっかり背振のファンになってしまった。
この時期は毎年来るぞ!!
そして,コヨーテさんのてんぷらを食べるぞ!!
  (それとなく最後にリクエスト)
  
  
 
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