有明山(ありあけやま)
NORIちゃんと妻と3人で登る 2006.01.02
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厳原の港から見た有明山(左奥),右のピークは成相山 |
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場所 |
長崎県対馬市厳原町
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標高 |
有明山 585m
清水山 210m
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歩く標高差 |
.累積600m |
歩行距離 |
約6Km |
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所要時間 |
大人
約3時間半 |
八幡神社駐車場〜15分〜三の丸〜30分〜清水山(一の丸・本丸)〜15分〜万松院分岐〜10分〜有明山・成相山分岐〜30分〜有明山(山頂)〜60分〜八幡神社駐車場 |
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駐車場 |
八幡神社に駐車できるが,駐車料金が必要。(400円くらいだったかなあ。はっきりおぼえてない。)
この日は正月の参拝者を考慮してか,駐車料金は無料だった。
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データ |
対馬の正月2日目。息子が楽しみな釣りは次の日にして,有明山に登ることにした。
有明山は,遠い昔から対馬厳原を目指してくる船の目印にもなった山で,万葉集にも歌が詠まれている。
「対馬の嶺(ね)は下雲あらなふ可牟(かむ)の嶺にたなびく雲を見つつ偲はも」 (詠人知れず)
対馬を代表する秀峰である。
前日,妻の弟のNORIちゃんが帰省,一緒に登ろうとなった。すると,妻も登りたいということになり,3人で登ることになった。NORIちゃんとは,高岩山,岩屋山に続いて3回目の同行となる。前回の岩屋山ではなかなかのハイペースで登り切った。しかし,今回は,山に登る予定などしてないものだから,服はなし,靴はなし,ザックはなしだったが,そこは実家にいる強み。なんとか身支度を整え,出発となった。さて,今回はどんな姿を見せてくれるか楽しみである。
有明山に登る途中に清水山を経由することにする。清水山には,秀吉の朝鮮出兵に先だって築城した山城の遺構が残る。稜線上に築かれた石塁は,下から三の丸,二の丸,一の丸(本丸)と並び,塁塁たる石垣はまさに「兵どもが夢の跡」を感じさせる。
有明山は私が高校2年のときに一度登ったことがある。しかし,きっと話にでも夢中だったのだろう。道の様子はまったく記憶がない。対馬ではあまりみない草っ原の山頂が珍しかったことと,山頂の風が寒かったことしかおぼえていない。三の丸は高校3年の共通一次に出発する前日(対馬の高校生は本土でセンター試験を受けるしかなく船で前日から泊まりこんでの受験となる)に,友達5人でおにごっこをしたお馬鹿な思い出の場所でもある。
「俺達,こんなことじゃあ,ろくなことないよなあ」
と笑っていたが,確かにろくなことにはならなかった。(笑)
と,いろいろな思い出もあり,あらためて登るのが楽しみな有明山である。
八幡神社の階段を上がり一番左側に行くと,民家と神社の間に登っていく道がある。ここがまず八幡神社の出発点だ。神社の料金所を出て,神社に向かって左側の道を進んでもよい。そのあとは,数件の民家の横を通り,交差した道路に出たら,民家の横の階段を上がっていく。実はここの登り口がなかなか難しい。この後は標識もあり迷うことなく道を探しながら歩けばよい。
登山口から直接有明山に行く道もあるが,今日は清水山を経由して行く。まず三の丸に着くと,厳原の町並がよく見えた。厳原港に入ってくる船でもあれば一目瞭然である。続いて岩の間を抜け,二の丸,そして一の丸(本丸)へと登っていく。石垣の並ぶ稜線は歴史を感じさせるに十分だ。一の丸(本丸)からは,遠い海まで見渡せるようになった。金石城(対馬藩の城)の背後にある清水山に山城をなぜ築いたのか,歩いてみると納得である。
清水山を一の丸までつめて,その後は普通の登山道へと移る。まだまだ有明山は遠くに見えている。
NORIちゃんが先頭を行き,妻が続き,しんがりが私である。NORIちゃんのペースはぐんぐん上がっていく。さすが,スポーツジムで週に数回鍛えているだけはある。途中の標識はしっかりしており,各道への分岐もわかりやすかった。多く登山者があるためか,踏み固められたしっかりした道だった。植林の道,そして自然林の道,そして急坂,平坦な道と進むに連れ,変化もあり,自然をいっぱいに感じながら歩けるいい道だ。
春のような暖かさを感じ,小鳥たちのさえずりをいっぱい聞きながら歩いていく。しかし,この日は北西の風。有明山と成相山の分岐に立つと今までの陽気がうそのようにごうごうと風が唸っている。これが島だ。風にあたるかあたらないかで,波の立ち方や寒さ,景色の見え方やその色さえ激変する。あまりの風の寒さに一枚上着を羽織り,ちょっと緊張感を持って,山頂を目指すこととなった。
先頭のNORIちゃんは快調,快調。気が付くともう姿が見えなくなっていた。山頂の前は,道幅の広い自然林の美しい道がある。山の中だが,並木道といった感じでもある。
そして,山頂に出ると,誰もいない冬枯れの草原が待っていた。今日は霞みがかかっていて遠くの山は見えないが,去年登った霊峰白嶽や対馬の最高峰矢立山も見える。ここまで2時間,高岩山は登り30分,岩屋山は登り60分,そして今回の120分。NORIちゃんはまだまだ余裕で笑顔いっぱいである。
ちょっと風は寒かったがお湯を沸かして,カップラーメンを食べる。寒くて待ちきれず,泡ぼこぼこの前に湯を注いだのが失敗。私のは芯がしっかり残っていた。妻のお母さんが作ってくれたもちもちのおにぎりとあったかい汁は体を温めてくれた。
下山路は,清水山を経由せず,直接登山口に降りる道を進んだ。道がきれいで歩きやすかったせいか,NORIちゃんの気迫のおかげか下りは1時間もかからずに着いた。
「有明山は余裕やったねえ」
とたのもしい声も聞かれた。今年の初詣をまだすませていなかったNORIちゃんは八幡神社で初詣もすませることができた。
正月恒例になった故郷での山登り。またまだ魅力的な山もあり,来年の楽しみとしておきたいところである。海へ山へ繰り出さないと,対馬での寝正月はもったいない。
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八幡神社の駐車場。
神社に向かって左側の道を上がって行き,民家と神社の間の道を登っていく。
ここには標識がある。
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道なりに民家の横を通って上がっていくと,交差した道路に出る。
どっちかなあと思ったここで見渡すと,上に上がる階段がある。
ここを登ると登山口に着く。
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登山口に着く。直登の道ではなく,右に折れて三の丸へ。
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三の丸の石塁と三の丸からの厳原の眺め。
おにごっこをしたおばかな高校3年の冬の自分と風景が重なる。
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稜線をたどり,続いて二の丸へ。前方に一の丸(本丸)の石塁が見える。
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急坂に体も熱くなる。
誰だ?清水山でも十分なんて言ってるのは・・・
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一の丸から見た有明山。まだまだ先だ。
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自然林の道,植林の道,急坂,平坦な道と変化のある道で楽しめる。
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標識はしっかりしており,木々には名前を書いた札がたくさんつけられていた。
自然を散策するのにはもってこいの山だ。
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折れた木が木の股にひっかかって,微妙なバランスでぶらさがっていた。
子ども達が見れば大喜びしそうだ。
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有明山と成相山の分岐の先の尾根道は北西の風が強い。
風自体よりも,その音が不気味である。
でも,この強い風の音が対馬の冬の象徴でもある。
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快調に歩くNORIちゃんはとうとう見えなくなった。
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山頂の手前は,美しい自然林の並木道。
なんとも絵になる風景だ。
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そして,山頂へ。
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山頂では,NORIちゃんが待ちわびていた。
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山頂から,対馬最高峰の矢立山を眺める。
ちょっと霞みがかかっているのが残念。
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下りはゆっくり歩いても60分。
ゆっくりと話しながら降りていく。
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歩きやすく,それなりに登る楽しさもあり,
ちょっとしたハイキングや自然散策,歴史探訪でも
楽しめる有明山だった。
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