タイリクバラタナゴの産卵・孵化・飼育記
{ 写真はすべて私が撮影したプライベート写真です } 河野 善福
タイリクバラタナゴを水槽で飼育しています。まもなく繁殖期です。繁殖日記を記載してみます。
繁殖期になったので、メスの下腹部から産卵管が出てきています。どぶ貝とかカラス貝に産卵します。
4月27日
タイリクバラタナゴのオスは、繁殖期(5月)になると婚姻色が強くなり、目が真っ赤になるほか、尾びれや
腹部に赤色が出てきます。 胸の青い斑点が濃くなり、背中のうろこ等も輝きを増します。 5月1日
タナゴのオスは婚姻色になっていて、メスも産卵管が腹部に長く伸びてきているので、産卵用の貝を入れてやる
ことにしました。 ドブ貝が良いと聴いたのですが、手に入らなかったので、カラス貝を入れました。 貝はエサの
ことなど飼育が難しく、水槽の中で飼うのは不可能と聴いてますので、水槽に1週間置いてみて、取り出して3日
間鯉を飼っている庭の池に戻して、元気にしてから産卵用の水槽に10日間くらい置いてみようと思っています。
写真は水槽の中に入れたカラス貝です。大きさは横の最長12cmくらいです。 5月3日
貝が口を開いた時オスが中をのぞき見していましたが、今では1匹のオスが貝を独占して他のオスが近づくと追い
散らしを行っています。 メスは普通の動きで、意識して近づくのは見られないのですが、大丈夫でしょうか?。
5月5日
タナゴが貝の中に産卵をすると、卵は2〜3日で孵化するんですって。 だけど普通の魚は生まれたときエサを
取ることが出来ず、自分のおなかに抱えた卵黄で1週間ほどを生きて、それから自立するから、その間に他の
魚に食べられることが多いのに対して、タナゴは生まれた貝の中で1ヶ月くらいも成長して、ちょっと大きくなっ
てから貝から出てくるのだそうです。 これからどんなことが起きるのか楽しみです。 5月7日
婚姻色が一段と濃いくなったオスが、貝の周りで他のオスが近寄るのを防ぎ、テリトリーを守っていましたが、
ここ数日は自分の口で貝をつついて、ご機嫌伺いのような行動をしています。 したがって、口の先端が傷だ
らけで白く見えます。 メスは産卵したのかどうか?、何も知らないという感じで、貝の傍に居るわけでもなく、
のんびり泳いでいます。 ...5月8日
タナゴが産卵したか、どうか判らないけど、稚魚は1ヶ月くらい貝の中で成長してから、浮上すると言うし、そのまま
水槽に入れておくと生まれたときは、1Cmにも足りないので親たちに食べられると言うから、貝だけを入れておく孵
化用の水槽を準備して、ここに貝を入れました。 一晩中元気に移動している貝と、まったくこの1週間動かない貝
があるのだけど、動かない貝(口を開か無いので死んでは居ないみたい)って弱っているのかな?。 5月15日
タナゴの産卵用に水槽に入れているカラス貝は昼間動くことは殆ど無く、夜中に移動していて、朝見ると居場所が
変わってる。 ということが殆どだったのですが、偶然かも知れませんが昼間なのに足(腹足というらしいです)を殻
からいっぱいはみ出すようにして、砂を掻き分けながら移動しているところを写真に取れました。 想像以上に大き
く出ていましたのでびっくりしました。 この様子だとタナゴが産卵はしていないようですね。大丈夫でしょうか?。 6月4日
タナゴの稚魚が生まれて、約1ヶ月です。早いものは15mm位に成長していますが、 遅く生まれたものはまだ
10mmくらいです。 それでももう成魚とあまり変わらない体系をしています。 貝の中で少し成長してから、1日
に2〜3匹づつ出てきました。上から見ると幅が1〜2ミリですので、大きいボーフラと言った感じです。 皮膚の
色が透明に近いので、内臓がかなりはっきりと見えます。 休むことなく動いているので、いつまでも眺めていて
アキがきません。 とても可愛いものです。 7月10日
稚魚は小さいのにもう成魚と同じ体型をしています。背びれの黒点がすごく目立ちます。稚魚もかわいいですよ。
7月17日
稚魚が生まれて早いものはもう2ヶ月、遅いものでももう1ヶ月過ぎますが、成長の速さはずいぶん違います。
まだ生まれた時とほとんど変わらない1cmくらいのボウフラのようなのも居るし、2cmを超えるものも居ます。
でも死ぬものは1匹も居なくて、みんな元気です。今日は水を半分だけ取り替えてやりました。 タナゴは横
から見ると大きいけど、上から見ると可哀想なくらい細くて小さいのです。 8月7日
稚魚を横から写して見ました。これらのタナゴは全部今年生まれの稚魚なんですけど、大きさが随分違います。
メジャーは水槽の裏側に張ってあるから、稚魚はすべてメジャーの内側に居ます。遠くに居て小さく写っている
わけではないのです。 本当にまだボウフラくらいのも居ますし、25mmにもに育っているのも居ます。カラス
貝をまだ稚魚の水槽に入れているので、ひょっとして、いまだに引き続き生まれている?。なんてことは無いで
すよね。 8月16日
本当に10mmにも足りない稚魚が居ることが不思議なんですよ。 横から見ると結構大きいように見えるけど、
日頃は上からしか見られない水槽に入れているからボウフラのように細いのです。水替えしようにも隠れてい
そうで恐いから、半分だけ水は取り替えたりしています。 写真撮りのために小さい容器にすくったけど、大変
なんです。 10mmもなくても一人前に背びれに黒い斑点をつけているのですよ。
約一ヶ月前にはボウフラのようだったタナゴの稚魚も、2Cm前後に育っています。 体系もしっかりしてきて、
背びれの黒斑も鮮やかです。 今年生まれた稚魚はまだ1匹も死にません。水の管理さえしっかりしてやれば、
タナゴは死ぬことの殆ど無い、健康な魚で、飼育しやすいし、常に動き回るので、 観ていてアキが来ません。 9月18日
春に買ってきて、タナゴの産卵にがんばってくれたカラス貝が今朝死にました。水が悪くなる前に取り出したら、結構
藻がついていて風格がありました。 半年も育てることが出来なかったので残念です。 豆乳など与えてはいたので
すが、貝の飼育は難しいです。 もう一個居るのですが、どこまで元気に居てくれるのでしょう?。 10月2日
稚魚の写真を撮りました。 今は3Cmくらいのが多いのですが、少し成長が遅いように思います。 それで
も1匹も死なないで、現在は50匹くらい居ると思います。撮影容器がガラスの器なればよかったのですが、
虫取り用のプラスチック容器に入れて撮影したので、写真はぼやけています。 11月23日
昨年春に生まれた稚魚が成長したので、親魚と一緒の水槽に入れてやりました。まだ、小型で3〜4cm
だけど、立派に成魚と同じ体型になっています。 3月15日
昨年春に、産卵用に2個購入したカラス貝がまだ生きています。 1個は秋に死にましたが、もう1個の貝は今も
元気です。貝は何を食べるのかも判らないし、育ててると言うより生きていてくれている。と言った感じです。
貝は半年育てるのも難しいから、産卵が終わったら川に返すのだと言う方も居ました。 それでも、多くの方から
飼育のアドバイスなど戴いたので、豆乳をスポイトで落としてやったりもしましたが、秋からは「植木鉢の中に砂を
入れて貝を置き、鉢ごと鯉の居る池に入れて放っておきました」全身に緑のコケが付いていまし た。 4月8日
今年もタナゴのメスが、一ヶ月ほど前から産卵管を長く引いて泳いでいます。 貝を入れてやったので近日中に、
稚魚の姿が見られると思います。 貝もよく1年も生きていてくれました。 4月25日
その他のタナゴ
、 タナゴはコイ目・コイ科に属する淡水魚で、オスに鮮やかな婚姻色が出る事と、二枚貝の体内に産卵する習性がある事で知られている。
日本には3属18種類が生息している。
バラタナゴ属 には、ニッポンバラタナゴ、タイリクバラタナゴ、スイゲンゼニタナゴなど
タナゴ属 には タナゴ、カネヒラ、シロヒレタビラ、ゼニタナゴ、オオタナゴなど
アブラボテ属 には ミヤコタナゴ 、アブラボテ、ヤリタナゴ、などがいる。
(ウズベキスタン 旅行見聞記) トップへ戻る旅行見聞記