中国、韓国の唐辛子視察記

                   { 写真はすべて私が撮影したプライベート写真です }     河野 善福


  ☆ 中国の唐辛子生産
                                      荒挽きした唐辛子の天日自然乾燥


 唐辛子の原産地は中南米で、唐辛子はナス科の多年生草である。日本への渡来は16世紀半ばころで、ポルトガル人によって
持ち込まれたと言われている。 中国への伝来は明朝の末期(1700年ころ)と言われ、本場と思われている朝鮮には日本から
持ち込まれたと言う説が強く、韓国でもそ
の説を認めている。 唐辛子の唐はもちろん中国のことで、琉球を得て九州に伝えられたという説もある。しかし、中国料理には
あまり唐辛子は使われない。

 近年中国でも唐辛子の生産量は多いが、実はその生産を中国人に契約栽培させているのは韓国人である。中国の農民は永
い間、国営の農地で政府の指示するものの他は造ることが出来なかったが、現在では政府から土地を借りて何でも自由に造っ
てよい土地がある。

 韓国の唐辛子需要は年間21万トン前後である。日本の年間需要量6,000トンの単純比較で35倍の消費量であるが、韓国人
口4700万人で対比すると一人当たり80倍位消費していることになる。
韓国の国内総生産は17万トン位であるから、足りない4・5万トンを中国人に中国で作らせることを考えた。これが中国政府の開
放政策と合致したので中国人に作らせることとなった。

  
    工場構内で女性が唐辛子のへた取り作業             工場前の路上で落花生の選別作業

    
      中国産の唐辛子  (益都)                    工場の塀に貼られた広告

 唐辛子の辛味の正体はカプサイシンで、韓国用に中国で作らせている唐辛子は主に益都である。益都のカプサイシンは0.1%
位で、韓国で主に使われている望都という品種(水分20%、カプサイシン0.2%くらい)より少しだけ辛味が少ない。 日本でよく使
われる鷹の爪には0.3〜0.6%、天鷹には0.35%位含まれている。


   

   

  日本ではもう見ることの出来ない(昭和45年頃まで使われていた)三輪トラックが中国では今も使われているし、国道を農業
用の耕運機やトラクターが野菜や人を満載して走っている。
 自転車とリヤカーをくっつけて頭上にテントを張った三輪人力タクシーが各所で見られた。 国道を走ると3km置きくらいにバス
停があるが、この停留所ごとに人力タクシーが2〜3台停まっていて、いつ来るとも知れない客を待って老人が座っていた。 バ
スは30分に1本かと思うほどすれ違いが少なかったが、それよりも停留所から見える範囲に人家が無かったので、停留所から
自宅まで歩いては帰れないのかなと想像した。


  

  山東省の野菜市場に行った。布の袋に大根が40本位は入っているように見えた。 1袋の価格は7元。日本円でおよそ100
円ということだった。  街頭でミカンやリンゴなど果物を売っていた。
                                                                ( すべて自分たちのグループが食べ私が撮影した料理です )
 

  北京ダックの専門店で、北京ダックのフルコースを食べた。 一人当たり120元、約1750円だった。
    

  上の写真二枚は食後のテーブルを写したものです。 中国では客が食べきれないほど出すのを客に対する接待の思いやりと
されているし、客は出されたものを全部食べないで「こんなにして頂いて感謝。もう食べられません」と食べ残すのが礼儀とされ
ているそうだ。 骨など食べられない物はお皿にきちんと片付けるのでなく、テーブルの上に置いたので良く、「食い散らかし状
態」が満足して食べた証なので、きれいでなくて良いのだと教えられた。 ただし、残り物は通訳氏が喜んで持ち帰った。






 

     ☆ 韓国の唐辛子生産
                         へたを取った後の唐辛子(益都)


  韓国では年間に必要とする唐辛子21万トンの内、国内生産(主に望都)は17万トンくらいである。不足する4・5万トン近くを
中国で中国人に作らせて(主に益都)国内に輸入している。中国産品も殆どが韓国から種を出して作らせていると言っていた。


             唐辛子の畑 
  日本の品種は鷹の爪(3〜5cm)や八つ房、三鷹(5〜7cm)、
だるま(2〜3c  m)など全体に辛味が強くて小粒のものが多い
が、世界的には辛味も形状も多種多様である。
  辛味の正体はカプサイシンで鷹の爪には0.3〜0.6%含まれてい
る。
 天鷹の0.35%と益都の0.1%の中間品が韓国で主に使われている
望都という品種で、水分20%、カプサイシン0.2%くらいのものであ
る。韓国人は辛味の強いものを好むので韓国の望都(0.2%)に中国
の益都(0.1%)を混ぜて加工している。
  幹が細く弱いので紐を張って倒れないように支えている


 日本も戦前は栃木県など北日本を中心に、国内で8000トンの収穫があったと言われ、1960年頃には4000トン位輸出していた
と言うが、現在の国内生産は200トン位で、国内必要量 6,000トンの96%以上を輸入に頼っている。 日本では韓国人が中国人
に作らせた4・5万トンの益都の一部を輸入して足りているということになる。韓国からの輸入は年間400トンくらいでほかは殆ど
が中国からである。 国内でも島根県の某市の農協が先行き不安なタバコの作付けをやめて、契約栽培で安定収入の得られる
唐辛子栽培に切り替えるなど、最近は唐辛子栽培も見直しされつつある。

 韓国では土地が無く連作するので農地がやせて作柄が良くない。(ナス科のものは連作すると土地がやせるので連作が出来
ない)野菜なれば年数回収穫が出来るが、唐辛子は年1回の収穫であるので作りたがらない。 韓国ではスイカ、黒豆などを作
る農民が多くなったことと、人件費が高くなったので、中国に産地を求めたと言われている。

  
 へたを取った後の唐辛子をベルトコンベアの上に広げて不良品を取り除き、粉砕機にかける。最初の粉砕機では種だけを取り
出す。種は飼料などとして別に販売される。種の抜かれた唐辛子のさやだけが自動的に隣の粉砕機に運ばれ、順番に手前の
方の粉砕機に来るとメッシュが細かくなる。 したがって、市販されている唐辛子の粉はさやだけを粉砕したものである。

 

  工場の一角で、天井に届くかと思われるように山積みされた唐辛子を老婦人が15人くらいで取り囲み、唐辛子1個づつの「へた取り」をしていた。 
いつ終わるのか想像も出来ないような量にもくもくと挑戦していた。 へたは粉砕の直前に取らないと種が出てしまうので最後の手作業とするのだそう
だ。

 韓国では1キン(600g)が3000円位であったが、最近は値上がりしている。中国産の唐辛子は農薬を使うが、韓国産のものは無
農薬なのでピザ用に買われると言っていた。

          香辛料 乾燥果実 野菜などの韓国農産物市場を視察した
   

       

             
      
           


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