・・・ここにはいまだ戦火が及んではいなかった。 市街地を包む昼下がりの陽光、公園でボール遊びをする子供の笑い声、 そして小鳥のさえずり・・・。 別世界に迷い込んでしまったかのようだ。 この空気に身を包まれながら、 ぶらぶらと散歩などをたのしむ。 と、そこへバイクに乗った皮ジャン姿の大男が、 いきなり横道から姿を現わし、通り道をふさいだ。
「ここから先へ進む事はまだ出来ない。 引き返したほうが良い。」