フィリピンでのSTEP(Short Term Exchange Program)
報告書

廣瀬 祥

 私は、今年の4月よりYMCAならびにワイズメンズの活動として、フィリピンに四か月ほど滞在していました。このSTEPの活動は、東日本区の宇都宮ワイズメンズならびにフィリピン区のセブミッドタウンワイズメンズの間で行われ、両ワイズメンズクラブはもちろんのこと、とちぎYMCA、宇都宮東ワイズメンズ、セブYMCAさらに、その他たくさんのYMCA、ワイズメンズ関係者の方々にご協力をいただいきました。以下、全体で四か月ほどのフィリピンでの活動について報告したいと思います。

自己紹介
 今回のSTEPの報告に当たり、まず初めに、このプログラムの対象である、私の簡単な紹介とYMCAとのつながりについてお話したいと思います。
 私は、栃木県にある宇都宮大学の国際学部に所属する大学生です。現在、入学してから三年目になりますが、今年度4月より大学を休学しております。出身は、栃木県ではなく、千葉県柏市です。大学では、学業のほかに二つの国際協力サークルに所属しており、一部の活動では、大学のある宇都宮市を拠点に活動しているとちぎYMCAとともに行っているものもあります。しかし、私が初めてYMCAの人々や活動に関わりをもったのは、サークルの活動ではなく、とちぎYMCAが毎年、現地フィリピンの青年たちと首都マニラに程近いナボタス、タラで行っているワークキャンプでした。
このキャンプについては、また後で詳しく紹介したいと思いますが、二年前の夏に行われたこのキャンプで初めてYMCAの活動に参加し、そこで行ったフィリピンは私にとって、初めての外国でした。今回、いろいろ巡り合せがあり、このSTEPもフィリピンで行われることとなり、人や時間のつながりをとても感じました。

語学学校
 それでは、いよいよ活動の報告です。そもそも、このプログラムに応募した最初の理由は、現地で英語を学びたいというものでした。私は、高校生のころから英語を学ぶために海外に行きたいと思っていました。大学に入り、最初の夏にとちぎYMCAのワークキャンプに参加してからその思いはより強くなって、自分で語学学校ついて調べたり、知り合いに相談したりしていました。その相談相手の一人がとちぎYMCAで働いている方で、その方を通じてSTEPを知ることができました。
 フィリピンに滞在していた四か月のうち三か月間、語学学校に通いました。よく、語学学校に行ったことで英語力が上がったかと尋ねられますが、まだ限定的な会話や表現のうちでしか自己表現はできません。しかし、フィリピンに行く前の自分よりも、帰ってきた今のほうが総合的な英語力は上がったと思っています。現地で学んだことで、一番向上したのは会話力です。英語でしか話せない環境いることで、英語で考える力が身についたと思います。一方で、自分の求めている英語力には至っていないが現状で、これからも引き続き、英語を身近に置き能力の向上を続けていきたいと思います。このSTEPが無駄にならないためにも英語力の向上を継続して行っていきたいです。

セブYMCAでの活動
◇YMCA内にあるレストランでのお手伝い
 このSTEPでは、多くの時間をセブ島のセブシティで過ごしました。セブにいる間、私のことは、セブYMCAのクリスさん、セブミッドタウンワイズのウィンキーさんにお世話になりました。寝床は、セブYMCAが経営するホステルの一室を提供してくださり、食事は、セブYMCA内にあるウィンキーさんの経営する小さなレストランの食事をいただいていました。今回のSTEPでは、この二人に特にお世話になることが多く、ご迷惑をおかけしました。私のSTEPが無事成功したのは、多くの方々のご協力によるものですが、特にこの二人には大変感謝しています。
 私が、セブYMCAでお世話になっている間、セブYMCAでは様々なことを経験させていただきました。その一つが、ウィンキーさんの経営するレストランのお手伝いです。ここでは、宿泊者全員に朝食が無料でつきます。日によってことなりますが、多いときには100以上が宿泊するので、朝食はとても忙しいです。私は、主に料理の配布とテーブルの片づけなどをしていました。

◇サマープログラム
 セブYMCAでは、毎年子供たちが夏休みになる4月と5月に子供たち向けのサマープログラムを開催しています。プログラムの内容は、バスケットボール教室、水泳教室、テニス教室、空手教室など様々です。私は、高校時代にテニス部に所属していたため、5月の間、学校が終わったあと、週に三日行われていたテニス教室のアシスタントをさせていただきました。初めてフィリピンに行ったときから、フィリピンの人々がバスケットボールを好きなのは知っていましたが、テニスをやっている子は見たことがなかったので、予想以上の生徒の数に驚きました。また、夜には大人向けの水泳教室も開催され、私は泳ぎが得意ではなかったので、その教室に一緒に参加させてもらいました。その教室には、泳ぎ方を知らない人が多く、基礎からやっていたので、小中学校で行っていた水泳の授業が懐かしくなりました。参加者の中には、フィリピンの日本企業に就職している人や昔、就職していた人などもいて、いろいろなお話を聞くことができました。

◇食糧支援活動
 セブYMCAでは、毎週土曜日と日曜日に地域内ないに住む貧困者に向けた食糧支援プログラムを行っています。この活動は、四年前から行われていて、毎週末の早朝6時から7時にわたって行われます。場所はセブYMCAの建物の目の前にある駐車場で、朝早くに食べ物を求めてくる人々に対してイスとテーブルを用意して無料で配布されます。配布を行うのは、セブYMCAのスタッフとボランティアの人々です。配布されるものは、毎回同じで、ルガオというフィリピン風のおかゆです。朝早い時間にも関わらず、50、60人の人が訪れます。中には、小学生や幼稚園くらいの子供もいて、それらの子供たちには、食事の後、30分ほどですが、YMCAのプールを無償で解放しています。水着はYMCAで用意したものを貸し出していて、サイズがぴったりではないことや、男の子がワンピースタイプの水着を着ていることもあります。しかし、子供たちはとても楽しそうで、みんなそんなに長くない時間を精一杯満喫して遊んでいました。
 また、滞在期間中に、運よくこの活動の四周年記念日にあたりました。その日は、いつもより豪華で、会場を風船で飾って、歌や踊りなどのステージイベントも行っていました。提供していた食事も普段より品数が多く、たくさんありました。さらに、最後には古着の配布やアイスクリームの配布も行っていました。私はアイスクリームの配布を手伝っていましたが、大人も子供も関係なく、みんな笑顔でおいしそうに食べていたことが記憶に残っています。

◇ワイズメンズフィリピン区大会
 5月の終わりごろ、セブYMCAでは、ワイズメンズの第62回フィリピン区大会が行われました。二日にわたって行われた大会は、たくさんのワイズメンの方々がいらっしゃいました。全体的に、一年間の活動の反省や新しい役職、役員の選出など難しい雰囲気の会議でしたが、夕食のあとのパーティーやアイスブレイク、休憩中に行われたイベントなどでは、空気がとても和やかになり、みなさん楽しんでいらっしゃるように見えました。この大会中の食事は、とても豪華すべて美味しく、特にディナーには、牛の丸焼きが一頭丸ごと、その場で焼かれたものが提供されました。会議室のとなりのプールサイドで焼かれていましたが、さすがにフィリピンでも珍しいらしく、みなさんその牛と一緒にたくさんの写真を撮っていました。
 この大会には、日本からもワイズメンズアジア地域の代表である岡野さんもご出席されました。とても明るい方で、参加者に対し挨拶をするときも冗談を入れながら話したり、一日目の夜に行われたパーティーで用意されたカラオケで英語の歌などを歌ったりして、参加者に溶け込んでいるように見えました。帰るころには、個人的に少しお話もさせていただき、ワイズやYMCAについてのお話や岡野さんが行っている活動についてお話を聞かせていただきました。

AYC(Asia Youth Convention)
 語学学校が七月の最後の週で終わり、私はAYCに参加するためマニラに向かいました。AYCには、日本を発つ前に、STEPの期間とかぶっているのでぜひ参加してどうか、というお誘いを受け参加させていただきました。私以外の東日本区メンバーは日本から来るため、私はみんなより少し早めにマニラの空港に着くようにセブを出ました。マニラについてから残りのメンバーと会うまで少し時間があったのですが、マニラにあるマカティYMCAのラモーナさんが空港まで迎えに来てくださり、集合の時間までマカティYMCAでお昼ご飯をごちそうになりました。
 今回のAYCは例年より参加国が少なく、東日本区、西日本区、フィリピン区の計三区、二か国から25名ほど参加しました。また、フィリピンからの参加者は、全員がマニラミッドタウンYMCAのユースの人たちでした。最初聞いていたよりも、参加地域が少なかったので、少し残念に思っていましたが、たまたま近くで会議があってフィリピンに来ていた、中米にあるバルバドスという国からIYRのステファンが一緒にAYCに参加しました。フィリピンからの参加者も全員が同じYMCAから来たユースの人たちでしたが、全員が中国系のフィリピン人と今までかかわったことがない人たちだったので、思っていたよりも新鮮な出会いでした。また、AYCが終わるころには、みんな仲良くなり、来年のインドで開かれるIYCやその次の年に日本の京都で開かれるAYCで再会できるといいねと言いながらお別れをしました。
AYCの具体的な活動については、別に東日本区参加メンバーで報告書を作成しておりますので、ぜひそちらをご覧になってください。

ナボタス・タラでのワークキャンプ
 最後に、AYCのあと参加したワークキャンプについて紹介したいと思います。これは、自己紹介のところで書かせていただいたワークキャンプで毎年夏にとちぎYMCAが主催するキャンプです。すでに自己紹介の場所で書かせていただいたように、このキャンプは自分にとって始まりでした。今年でこのキャンプへの参加三回目になりますが、いまだに学ぶこと、感じることも多いです。また、毎年新たな日本、フィリピンのキャンプメンバーとたくさんの思い出を作っています。YMCAと私をつなげてくれたキャンプには、大変感謝しており、できる限りこの活動には関わり続けていきたいと思っています。  こちら、具体的な活動については、現在参加者で作成を進めていますので、発表を待ってご覧になっていただきたいと思います。

あとがき
 最後になりますが、この素晴らしいSTEPの機会を与えてくださった、とちぎYMCAの皆様、また宇都宮ワイズメンズ、宇都宮東ワイズメンズの皆様をはじめ、たくさんのご協力をしてくださった、YMCA、ワイズメンズ関係者の皆様に深く感謝申し上げたいと思います。ここで得た経験を今後の生活に生かしていけるよう、今後も頑張りたいと思います。以上で、簡単ではございますが、STEPの報告とさせていただきます。お読みくださりありがとうございました。