今年読んだ本(2003)
最近、映画とか行きつらいので楽しみの大きな部分になってます。
デブの帝国(FAT LAND) いかにしてアメリカは肥満大国となっ
たのか/グレッグ・クライツァー 竹迫仁子訳/basilico
NEW
見えない都市/I.カルヴィーノ/米川良夫訳/河出文庫
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まれに見るバカ女/別冊宝島編集部編/宝島文庫
ディケンズ短編集/小池 滋/石塚 裕子訳/岩波文庫
宮崎勤事-塗り潰されたシナリオ-/一橋文哉/新潮文庫
ヴァージニア・ウルフ短編集/ヴァージニア・ウルフ/西崎
憲編・訳/ちくま文庫
ほっとコーラ・ほっとビール 気ままな西アフリカひとり
旅/岩土 桃子/文芸社
博多学/岩中 祥史/新潮文庫
エドウィン・マルハウス あるアメリカ作家の生と死/ス
ティーヴン・ミルハウザー/白水社
英国流立身出世と教育/小池 滋/岩波新書
フラナリー・オコナー全短編/フラナリー・オコナー/筑
摩書房
Go/金城一紀/講談社文庫
パンセ/パスカル/中公新書
理系白書/毎日新聞科学環境部/講談社
Korean Big Wave!彼らが押し寄せる 韓
国音楽事情決定版/張東/朝日出版社
妊娠小説/斉藤美奈子/ちくま文庫
趣味は読書!/斉藤美奈子/平凡社
プルーストを読む『失われた時を求めて』の世界/鈴木道彦
/集英社新書
これを読まずに化粧品カウンターに行ってはだめよ 第5版/
ポーラ・ビーゴン著
/高木周訳/ブックマン社
シネマの快楽/蓮實重彦・武満徹/河出文庫
病むことについて/ヴァージニア・ウルフ/みすず書房
新現実 No2/大塚英志・宮台真司・荷沢なに子等
2002と学会/と学会
音(ロック)に潜む金(ビッグ・マネー) ミュージ
シャンによる、ミュージシャンのためのロック・ビジネス経済学
著者名:デイヴ・エレフソン/著 川原真理子/訳 安藤和宏/監修
コンピュータユーザのための著作権&法律ガイド/
CDバックアップからホームページ作成まで、身近な著作権の疑問を解決!/プ
ロジェクトタイムマシン/毎日コミュニケーションズ
趣都の誕生 萌える都市アキハバラ/森川嘉一郎/幻冬舎
消費の正解/辰巳渚&松岡隆一郎
女は男のどこを見ているか/岩月謙司/ちくま新書
アホでマヌケなアメリカ白人/マイケル・ムーア
父子鷹/子母沢寛/新潮文庫
ハマータウンの野郎ども
造形集団 海洋堂の発想
超常現象の心理学-人はなぜオカルトにひかれるのか
波
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- グレッグ・クライツァー 竹迫仁子訳/basilico
自分が普段、目にするアメリカ人は来日しているビジネスマンだったり、
映画やテレビの俳優だったりで、体は我々よりも大きいがそこそこカッコいい
という認識でいたが、最近、「実はそんなことないのでは?」ということが
あった。
- 数年前にアメリカ大リーグの開幕戦が西武ドームで行われたが
そのときの観客はすごかった。体格はいいし、格好もださださだった。
- 私の愛する米国の女性シンガーTori Amosは何故かマニア受けしている。
(だから私も好きなのかも?)彼女が出演したスタジオライブを見たが
一番前ではケンタッキーのおじさんのような巨漢の男がゆさゆさと
踊っていた....。彼女のアメリカのファンサイトでのコンペンション
(ファンの集い。何故か海外はこういうのが好き)の写真では
かなりの巨漢の女性がベットで飛び跳ねていた.....。
こんな光景がチラチラと目につきはじめたのである。
で、この本だが、タイトルと肥満な赤ん坊の装丁からもっと軽い本かと思っていたが
そこそこ硬い本。攻め方もいたって硬派。
今のアメリカの肥満率の増加については
- 相続税の上限を決めた法案による影響
(必要な資金が学校などにまわらなくなった)
- 新しい食品の発見とそれの健康への影響を考えず費用面から導入した企業。
- それに便乗したファーストフードとその大きさの歴史。
- マイノリティやヒスパニックなどの貧困層への広がり。
などから説明している。想像以上の内容は特になかったが、
こちらの考えていたことを裏付けてくれた。
自分も体を引き締めないとマジでまずいと思いました。(^^;;;
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- I.カルヴィーノ/米川良夫訳/河出文庫
不思議話ではあるが、一つ一つの都市の描写がパロディとかではなくて
もっと深いものを感じる佳作。描写のみ見ても単純に面白い。
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- 別冊宝島編集部編/宝島文庫
政治家から作家、芸能人まで、各界のアホな女性についてのコラム集。
辻元清美、福島瑞穂、柳美里、菊川玲となかなかそそられる面子である。
書いているのは、複数だが、切り口がいろいろなようで結構一つのように
思える。今更なのだが
「ふーむ。やはりまだまだ女性にとってこの世は男性社会なのかのう...」
とおじいさんのように感じてしまった。
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- 小池 滋/石塚 裕子訳/岩波文庫
英国流立身出世と教育からの逆引きで読んでみた。
日本では「クリスマス・キャロル」で有名なディケンズの短編集。
「クリスマス・キャロル」のイメージとは違う社会派としての側面が
多く見える作品。。意識的に怪奇的なものを集めたらしく
古臭いが結構こういうのは好きだ。国と時代が近いせいか、ウルフとの
共通点もなんとなく感じてしまう。
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- 一橋文哉/新潮文庫
80年代の終わりに起こったかの有名な幼女誘拐殺人事件についての考察。
この事件で印象的だったのはM君の部屋のオタクぶりだったと思うが
本作では、実はあの事件は完全犯罪を狙いM君がすべて自作自演で
演じているものだという。
真実はともかく、報道だけでは伝わらなかった事実の詳細が、激しい嫌悪感を
抱きつつ、しかし読み込めてしまうのは何故か。
この年代はカレー事件の真須美被告もおり、あまり世代論は展開したくは
ないが、なにやら因縁めいたものは感じてしまう。
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- ヴァージニア・ウルフ/西崎 憲編・訳/ちくま文庫
本には読み飛ばしてもかまわないものもあると思うし、逆にじっくり
読まなければならない本もあると思うがこれやフラナリー・オコナーは
完全に後者である。
ところが、今回根性がなくて、実は途中まで結構雑に読んでいたが、
ふと気づいてじっくり読んで、その良さに惚れ直し、また最初から
読み始めた。表現が多彩..というか、非常に心理状態をついた繊細さがあり、
この繊細さが好きなのだ。読んでいて非常に頭が気持ちよく拡散され、
かつ考えさせられて楽しめるのがウルフのいいところである。
しかし、楽しみだけではなく深い考察もさせられてしまうのがまたたまらない。
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- 岩土 桃子/文芸社
ある女性の西アフリカ旅行記。アフリカなんてめったに旅行は行かないと
思うし、(特に女性ひとりでは)街の様子もわからないのでいく先々の街の様子
や、アフリカの人々の性格は自分の知っていることを確認できたし、
興味深く読めた。
が、この本は他のことも私に想起させた。というのは小説ではないので
最初に「この著者は?」と思って、あとがきを読んでしまったのだ。
それによって、この本の魅力は半減したかもしれない。しかし、他の思いに
触れることができた。
この本は著者が7年前(本の出版は2001年)にふらっと行った
西アフリカの旅行記で、著者は当時医者であり、20代後半で独身。
このように世界のいろいろな場所にふらふら行くのが好きだったらしい。
....で現在、医者は多分辞めて二児の母である。
そう、そうなのだ。「貧乏な旅が好き」「汚い格好して回るのが好きです」
と言っている人(女の子)は総じて、恵まれた人なのだ。
そりゃ、そうである。余裕のない人間は自ら進んでこんなことはしない。
旅は日常から離れた心のリフレッシュであり、帰るところがあるからこそ
旅なんであるが、そういうことだ。
そのあたりが心の狭い私には気に食わないんだと思う。
だからってバブリーであればいいというわけではないのだが。
ただ、海外のバックパッカーと日本のそれにおいては何か違う気がするのだ。
兼高かおるまで行けば納得はするのだが(^^;;
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- 岩中 祥史/新潮文庫
博多もとい福岡についての本。私も福岡は大好きでよく行くが、予想されていた
ことが「やはりそうだったか...」と確認できたのが嬉しい。例えば
・釜山までは日帰り可能。
・めんたいこは韓国生まれ
・犯罪は多い
・焼き鳥やも多い
他にもいろいろあるがともかくやはり博多は魅力的だ。また行きたい...
という住んでみたい。
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- スティーヴン・ミルハウザー/白水社
ここ数年で最も好きな作家であるスティーヴン・ミルハウザーの初期の長編が
久々に復刻した。訳者はいつもの柴田先生ではない。
11歳でなくなった作家を同い年の友人が書いた伝記というちょっと変わった体裁
だが、すんなり読める。初期のものということでそれなりにもたもた感も感じ
なくもないが、やはりこの人の表現は豊かで素晴らしい。今回は子供時代の話
でもあり、昔子供であった人なら(つまり誰でも)、国や時代を超えて懐かしいと
感じる描写があちこちにある。ミルハウザーの全作品に通じる感想だが、
アメリカという歴史の浅い国であっても人が
感じるノスタルジーというものはあるし、それがアイデンティティーになり得る
と思わせてくれる。
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- 小池 滋/岩波新書
英国での教育の実態をディケンズ、ブロンテなどの文学を資料として
論じている。文学というところがユニークだが、ポピュラー音楽でも
世界は垣間見ることはできることを私は知っています。:-)
英国の教育と階級制度についてはうっすらと知ってはいたが、
このようにいろいろと例を出されると「やはり..」と大きく
納得させてくれる。
日本と違う点も多いが、作者も言うように、そこから今の日本の
教育についても考えさせられるところも多い。
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- フラナリー・オコナー/筑摩書房
南部を舞台として現代アメリカの病んだ部分をついた女性作家の短編集。
キーワードはアメリカ、南部、乾いた土地、人種問題、死。
とても描写が素晴らしくて、ゆっくりと読みたい一冊。
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- 金城一紀/講談社文庫
映画公開当時とっても見たくて、都営交通のTカードまで買ったのに行けな
くて、TVで放映されて録画したのにまだ見ていない"Go"の原作。
とっても面白くて一日で読み終えた。
在日小説家ということで内容もその手のことが目白押しだが、
何故か柳美里のようなドロドロしさはなく、いろいろへヴィな
ことも痛快に読めてしまう。ちょこっと石田衣良あたりののりと
近い。
映画も見なくては...。窪塚くんはこれで完全にブレイクしたのだが
その後はなんかあっちの方へ行ってしまってますなあ.....
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- パスカル/中公新書
なんの因果か読みはめてしまい、凄く時間がかかった。でもこれって宗教書だっ
たんですね。知らなかった.....。キリスト教は6年間そういう環境で過ごした
ので少しはわかるがにしてもなんていうか.....。
こういうもんだとわかったのが収穫か。
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- 毎日新聞科学環境部/講談社
毎日新聞に連載された「理系な人」の実態のお話。給料が安い、公務員でも
トップにはなれないなど何かと損な感じの理系だが、(実際、損はしているが)
一番興味深かったのはある女性研究者(既婚で子持ち)が独身女性研究者から
「あなたの生き方を見ていると自分の生き方を否定されているような気がする」
と言われてから、既婚で子持ちなのを隠すようになったという話。
女同士は怖いですよね?。いつの時代でも。お風呂屋さんに言っても、一人とか
二人としか入れないスペースは「占領」してますよね。
(男湯は違うらしい)
個人差はありますが、縄張り根性が強いような気がします。
仕事も家庭も何もかも持つのはやはりまだまだ世間の風当たりは
強いようですね。(実は同姓からの風当たりが強い)
でもこれって男だったら「当たり前」なんですよね。
このあたりの男女でのバランスがずーっと崩れていた時期が
そこそこあったので、なかなか受け入れられないんですかね。
あ、話がそれましたが、理系の人のこだわりが今の技術立国
日本を生んだのは間違いないので、もっともっと大事にしてあげて
欲しいのですが、理系の人もそれなりに世間の常識を勉強して欲しいと
思います。
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- 張東/朝日出版社
韓国ものが得意の朝日出版から、韓国ポップスの辞書のようなムックが
登場。この手の本も既に何冊かでているが、内容が日本で人気のグループなどに
偏っていたりしているが、
これは筆者が韓国人ということでジャンル別に別れていて、(しかも、トップの
ジャンルは韓国ではマイナーなROCK)かなり広範囲の歌手が網羅されており、
各々の解説も韓国人ならではの批評で非常に興味深く、
韓国POPSファンには是非とも手元に置きたい一冊だ。
そのうち、このうち何割を自分がわかっているか数字で調べてみようと思っている。
尚、この本は日本語ではあり、出版社も日本の会社であるが、印刷は韓国で
行われたようだ。
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- 斉藤美奈子/ちくま文庫
↓の「趣味は読書」からの子引きで購入。論点はわかるし、言いたい
ことも(多分)わかるのだが、なんか少し偏っているように思うのは何故か。
同じ筆者の「紅一点論」でも感じたのだが。
でも逆に言うとこのくらい極端に示さないとわからない奴が多いのかも。
あ、示していてもわかんない人も多いかもね。
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- 斉藤美奈子/平凡社
この筆者の書いたものは気になるけど、いまいちある方向のテンションが
高すぎて引きつつも読みたいのですが、これは、ベストセラーを読んで
その内容について評したもの。ベストセラーに対する姿勢は自分と近いものが
あるが、この姿勢はやはりマイナーなんでしょうね。
じゃなかったら、世の中のベストセラーが変わるはずだから。
変わらないということはここまでこだわる人は極々少数ってことか。
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- 鈴木道彦/集英社新書
「失われた時を求めて」を未読の人のための入門書なんだろうけど、これ読んで
「読んでみたい」と思う人っているのかしらん。
全体としてはさすがに関係者だけあってそつなくまとめてあるけれど
サン・ルーについて触れられていないのはサン・ルーファンの私としては
マイナス。
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- ポーラ・ビーゴン著/高木周訳/ブックマン社
アメリカのコスメ評論家が、3万もの化粧品について、評価を下している指南
書。とにかく、分厚い本で、最初少し躊躇したが、読み出したら思いの他
(失礼!)面白かったと思う。著者はその評価については、各種論文などの文献を
根拠としており、一応納得は出来る。
....が、やっぱりいまいちすっきりしない感じは否めない。
私自身はコスメに対しては、多分関心は薄い方だろう。肌にそんなにトラブルが
ないせいかもしれないし、性格のせいあると思う。(あんまし、気にしない性格)
が、世の中やはり、気にしている人は多いんでしょうね?。
いい年して、いまだに化粧品カウンターのお姉さんが怖くてほとんど近づけない
し、なんか、というか、完全に胡散臭い感じがして信用できないのは昔から
変わらない。実際、胡散臭いんだというのはこの本でも述べられている通り。
私が筆者と違うのは、それでも筆者はコスメが好きだが、私はもはやあまり
関心はないということ。たまにはいいんだけど、一年中追っかけていることは
できない。所詮、酒やタバコといっしょで体に悪いとしりつつ、でも、人生の
楽しみという嗜好品だと思ってます。多分、他の人もそう思っていると思うけど
中には本気の人もいるのかもね。
印象的だったのは、
- ・やたら「日焼け」を敵にしているということ。確かに肌にはよくないらしい
んですけど、私のように日に当たらない生活をしていると
イギリス人ではないが、日が恋しかったりします。
- 天然成分が合成成分より必ずしもいいというわけではないこと。
これは、おっしゃる通りで、結構だまされ易いところですね。
食品についても同様です。
- アイシャドーについてはこだわりあり。どんな色目でも、グリーン、
ブルー、パープル、レッドはだめ。シャイン系もだめだそうだ。
- ともかく、「シワ」(笑)
普段、コスメにあんまし敏感でない私ですら、面白かったし、
ちょっと他のコスメも試してみたいななどと思ったし、
コスメに興味のある人であれば、読んで見て損はないでしょう。
-
- 蓮實重彦・武満徹/河出文庫
セゾン文化が華やかだった頃、六本木ヒルズのあたりにかつてWAVEという
メディア系の建物があったそーな。そこは地下はシネ・ヴィヴァンという
おっしゃれ?な映画館があったそうな。かかるのは、隠れた名作ヨーロッパ
映画。発掘してきたものだから、当時でもリアルタイムではなかったような。
ちなみに上はCDショップと現代美術系の本屋さんとスタジオだったかな。
そのシネ・ヴィヴァンの月刊誌に連載れていたかのお二人の対談集。
お二人の趣味はこの映画館と合っていたようですね。私も何回か行きましたが
私とこのお二人とは趣味が違うということが認識された...。ま、そりゃそうだ
ろうが。でも見ていないものも多いので見たくなりましたね?。小津のことも
かなりページ割いてます。キーワードは、小津、ゴダール、タルコフスキー、
ミツバチのささやき、ラ・パロマなどなど。個人的には今の映画はあんまり興味
ありません。
-
- ヴァージニア・ウルフ/みすず書房
ウルフのコラムと短編2編を収めたもの。相変らずの思いつきのような
切り口の文章だが、基本の信念がしっかりしているので問題なし。
日本ではいまいち無名とみたが、映画「めぐりあう時間たち」などで
注目されたりしないかな....
-
- 大塚英志・宮台真司・荷宮和子子他
ハリウッドで映画化される(!!!)エヴァンゲリオンのキャラデザインの貞本
氏の表紙に引かれた。大塚英志監修の若者向け論壇誌。最近、こういうのが
流行っているらしい。(福田とか、よしりんとか)
天皇に対する宮台くんのスタンスや、団塊ジュニアが
苦手な荷宮さんあたりは興味深く読めたかな。あ、ギャルゲーの解説も。
あと、印象的だったのは論壇人がここ10年同じということ。
あまり、不自然に思わなかったのだが、確かにそうですね。
でも、この「不自然に思わない」ってとこに問題ありとみた。
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- と学会
例のごとくのトンデモ本であるが、
印象的だったのは、サンマーク出版の「水は何でも知っている」。
水にいろいろな字や音を聞かせて結晶を撮影すると、クラシックなどは
とても綺麗な結晶になるが、Heavy Metalだとぐしゃぐしゃになってしまうと
いうもの...。文字も同様で「ありがとう」では綺麗な結晶だが、
酷い言葉では崩れてしまうらしい......本当か?????(^^;;
好評につき、続編も発売されている。
-
- 著者名:デイヴ・エレフソン/著 川原真理子/訳 安藤和宏/監修
アメリカのHeavy Metal BandのMegadethのベーシストが書いた、ロック・
ビジネスの本ということで期待していたが、いまいち、エッセイ色が強くて
ちょっとがっかりした。しかし、今まで知らなかった(アメリカ)のロック
ビジネスの一旦が垣間見えて面白かった。
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- プロジェクトタイムマシン/毎日コミュニケーションズ
萌えなキャラとIT関係のことを扱ったシリーズ。他にLinuxもあります。
その萌え萌えな雰囲気とは裏腹に内容は硬い。というか、しごく正当。
ホームページという言葉が嫌いな私には適した本。「リンクフリー」
という謎についての回答などがあります。
-
- 森川嘉一郎/幻冬舎
朝日の山形くんの書評で気になって購入。私は「当たり前」だと思っていた
パソコンオタクとアニメ美少女の関係など分析していてくれている。
オタクは秋葉原という街を変えるパワーはあっても脱力パワーで
あり、世間からは相変らず疎まれている。
本書の中で取り上げられていた航空自衛隊の永野護や貞本さんが
書いたノーズ・アートがかっこよく見えてしまう私はナニなんだろうけど。
-
- 辰巳渚&松岡隆一郎
ヴィトンは興味ないし、スターバックスも行ったことのない
(人と待ち合わせとかしないし、第一禁煙なのが....)私が読むといかんのかも
しれないが、著者の考えに賛同できないところが多いにもかかわらず
面白いというちょっと不思議な本。
今の日本人の消費の傾向を「何故ユニクロはあれだけ騒がれ、失速についても
騒がれたのか」などとわかりやすい視点から書かれているし景気の話と絡ませて
読ませてくれる。
-
- 岩月謙司/ちくま新書
ある人から内容を聞いて、かつパラパラと立ち読みして、内容に怒るために
買ったのであるが、読んでいくとなんていうか、そこまで反論とかできなくて、
これって一種の「と」じゃないんでしょうか???男性と女性をあっさり二分し
て
くれていますし、その根拠はまるでなし。(この方の本職は生物学だそうです。
生物学の行動様式から推測しているとは思えないし....)。後半は
「魂をきれいに」とまるで宗教書。読み辛かったですが、とあるタイプの人には
薦めて、ガンガンはまって欲しい本。その方がその人にとっては生き易く
なりそうだから。
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- マイケル・ムーア
イラク攻撃の最中、タイムリーな本。アカデミー賞もとったアメリカの銃社会
ドキュメンタリー「ボウリング・フォー・コロンバイン」の監督(アカデミー賞
のスピーチ見たかった!!)の本。全体としてはブッシュ攻撃なのだが、
その中でも一番受けたのは、ブッシュが子供のときに印象的だった本として
「はらぺこ青虫」を挙げたのだが、この本が出版されたのはブッシュが大学生
だったころだったという話。
他にも人種問題など、わかりやすく語っていてくれる。
アメリカの本音と建前は今までもいろいろなもので
言われてはいるがきわめてわかり易くずばりと語ってくれている、思い切りの
良さがいい。
-
- 子母沢寛/新潮文庫
数年前、たまたま見た時代劇がこれで親子の雰囲気が良かったので
好印象を持ち購入。ところがこの手の時代ものは読むのは初めてで
(父はよく読んでいたので作家名などは馴染みがあったが)戸惑ってしまい
10年近く放置。で、何を思ったか読み出したらなかなか良かったです。
勝海舟(燐太郎)とその父小吉の話で、人情ものですが。
多分、個人的に今更「るろうに剣心」ブームだったのも
読みやすかった原因かも。("抜刀"などという言葉にも馴染みあり。)
と思っていたら、CSで再放送!!以心伝心か?ということで録画中。
染五郎親子が演じていてこれもなかなかいいです。
-
- ポール・ウィリス/ちくま学芸文庫
「さらば、学校化社会/上野千鶴子」で推薦してあったので購入。最近こうい
う、
子引き、孫引きみたいな感じてで本を購入することが多い。あ、本に限らず私は
そういう傾向はあるが。で、イギリスの1970年代半ばの工業都市の労働者階級の
高校を舞台に、「労働者階級でかつ反学校の生徒は何故、手労働を自ら
選ぶのか」についての考察である。当時とイギリスと日本も状況はかなり違って
きているとはいえ、共通している部分もあり、興味深い。
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- 宮脇 修一/光分社新書
ひたすら、オタクと信念の世界。やはり、何故か女の子はここまで
できないよね。でもそれってやはり育った環境からなのかしら。元々のもの?
カスパー・ハウザーではないけど、育った環境で....おっと話がそれました。
海洋堂のフィギュアは確かに出来がとてもいいです。その謎がちらっと
わかるかもしれない本。
しかし、現実ではテニエルのアリスのフィギュア見て「これ、何ですか?」
と言われてしまったりします。そこから説明しないといけないし、
してもわからない人が多い。
テニエルすら知らないんですよ。一般人は。
チョコ・エッグはある意味「動物」という誰にでもわかるものにしたから
良かったんでしょぅね。
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- 菊池 聡/平凡社新書
オカルトや占いといったことを科学的に反論した科学者として早稲田大学の大槻
教授が有名だが、
そのあたりの人の心理的な問題を丁寧に解説した本。
私自身も少女時代(?)は結構星占いや血液型占いに夢中になっていた。
それが、子供の占い程度であれば問題はないが、信じ方が酷くなって生き方が変
わってしまったり
占い師がお金を取る(多額の!)は問題である。そのあたりを丁寧な解説をして
くれているので
頭の整理に最適。
-
- ヴァージニア・ウルフ/みすず書房
ウルフの長編。6人の男女の少年時代から壮年までを各人の告白形式で描く。
最初、その形式にちょっととまどったが、ウルフ独特の美しい描写で読ませてく
れた。
人生に対して常に自身に問いかけていたウルフの心が映し出されていて
やはりウルフを読むとかなりピュアになれるなと思う。