くらら -怪物船團-

★★★
井上雅彦 著
角川ホラー文庫

ある日それは海からやってきた。港町は一変し白い靄と冷気に包まれ、 異様な現象が次々と起こり出した。海に浮かぶ白い鬼火の群れ、陸に打ち上げられた 不気味な深海鮫、どこからか響く銅鑼の音に動物の唸り声・・・。
  その全てはクララから始まった。


  かなり久々のホラー物です。 最初から感じていたのが読みにくいということ。文の流れがスムーズじゃなく 、どことなく途切れた感じが気にかかりました。けれど、内容は面白かったです。 とくに海の聖域の話や臨海学校の話には引き込まれるものがありました。

  1度読んだだけじゃ理解できなくて読み返したりもしたんだけど、未だにわからない事があります。 それはバックベアードネタバレ)の正体です。 これはそもそも正体が誰か、とかそんなことを気にして読むものじゃないのかもしれないけど、 頭が堅いのでそのことばかりすごく気になってしまいました。

  夜中に読み返してみてすぐに後悔。夜中に読むものじゃないですね。 後まで残る怖さではないんだけども、読んでいる瞬間にぞくっとする怖さがありました。

2003年 4月7日
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