クビキリサイクル  青色サヴァンと戯言使い
クビキリサイクル

★★★★☆
西尾維新 著
take 画
講談社

絶海の孤島に住む財閥令嬢、赤神イリアは "科学・絵画・料理・占術・工学" の天才を島に招待する。 ところが、そこで起こったのは密室の連続首切り殺人。 戯言使い・いーちゃんはこの凶行を解き明かすことができるか。


  第23回メフィスト賞受賞作。著者は20歳で大学在学中、そしてイラストレーターは18歳と若さに溢れる作品。 でも決して、未熟な作品ではないのは読めばわかることです。登場するキャラクターが大好き。 リアリティのなさにも違和感を感じず読めてしまいます。

  最後のオチはやられたという感じ。ミステリーとしても読む価値は充分にあるような気がします。 犯人の人を人とも思わないような行為には唖然とするけれど。推理しようとしても追いつかない。 何が本当で何が嘘なんだかわからなくなって、頭を悩ませることもしばしばでした。

  作中に何度も触れられた過去の話。過去に一体何があったのかも気になります。ERプログラムの頃の話も読んでみたいし。 登場するのは、みんな普通でない人ばかり。才能が飛びぬけて高い天才も含めて。 普通じゃないからこそ、読んでて楽しいし、飽きることがない。感動の場面もあったりして、とてもとても楽しめました。


「僕様ちゃんには全部分かってるよ。分かってることが多過ぎて、どれにするか決めるのに時間がかかるんだよね」

2004年 1月16日
amazon】   【bk1